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学校へ行こう!

ブックマークやご感想ありがとうございます!

ちゃんと完結できるように頑張りたいと思います。

今日は母とお出かけ。どこに行くかというと兄の授業参観を見に行きます!いやぁ、楽しみですね!学校での兄の様子を見るのも楽しみだけど、学校へ行くという行為自体が懐かしくてワクワクする。あれだ、久しぶりに母校に遊びに行くような感覚。なんで学校って学生のときは行きたくないのに卒業すると行きたくなるんだろうね?あれかな?やっぱ給食の魅力が大きいのかな?小学生のときは給食食べるために学校行ってたようなもんだったなー…。献立がソフト麺の日はずっと給食の時間が待ち遠しかった気がする…。あ、なんかお腹すいてきたかも…気のせいかヨダレも垂れているような?






「あら、雫ちゃんお腹すいたの?ヨダレ垂れちゃってるわよ~」







いや、すまんね母よ。ちょっと懐かしのソフト麺に思いをはせてたらお腹がすいてきちゃってね!授業参観に行く前に何か食べたいんだけど…。とりあえず、口元を優しく拭ってくれている母の服の袖をツンツンしてご飯のおねだりします。







「マンマー」


「そうね、ご飯食べようか?じゃあ用意しちゃうわね」


「あい!」






母が用意してくれたご飯を美味しくいただいた後はおめかし用の服にお着替え。母が私に用意してくれた服は母好みのフリフリワンピース。ワンピースは初夏らしく爽やかな淡いグリーンの半袖タイプ。着替え終わると母は可愛いとべた褒めしながらスマホで写真撮影。『子どもはすぐに成長しちゃうから今の可愛い雫ちゃんをちゃんと写真で残さないとね!』とニコニコしながら言う母。相変わらず親バカですね、ありがとうございます。ちなみに撮った写真は仕事中の父の元へと送られるのが習慣になりつつある。でも母よ、父は仕事中なんだから迷惑だから私はやめた方がいいと思うぞ?







その後は母のお化粧を待ってから仕度の終わった母と学校へ出かけた。学校は家から結構近くにある。徒歩20分程度の距離だ。数年後通う身としては学校が近いというのは嬉しい。これでギリギリまで寝ていられるからね!まあ学校が近くにあるといっても、まだ幼児の今の私には歩くにはちょっと大変な距離だ。でも、最近歩けるようになった私は自分で歩きたくて仕方がなかったのでベビーカーを拒否して母と歩いて学校を目指している。しかし、私の歩行スピードが遅いため途中で母に抱きかかえられて移動することとなった。…無念。






学校に着くとスリッパに履き替えてから兄のいる教室へ向かう。授業はもう始まっていた。これはもしかして私がタラタラ歩いていたせいではなかろうか?…すまぬ、兄よ。いつかこの埋め合わせはするからな!今日のところは許してくれ…。



教室には何人かの親御さんがいた。母は私を抱きかかえたまま音を立てないようにゆっくりと入室した。するとそれに気がついた美人な奥様が笑顔でスペースをあけてくれた。なんて優しい奥様!本物の美人はやることが違うね!私が感心しきっていると母が会釈しているのが目にはいったので、私も母を見習って笑顔で会釈をしておいた。




教室へ無事に入ることができた私たちは兄がどこにいるか探し始めた。兄の姿はすぐに見つけることができた。だって皆、授業参観に来ている親御さんたちが気になるのかチラチラ後ろを向いてしまっているからね、見つけるのは簡単だったよ。母もすぐに兄を見つけたようで小声で私に教えてくれた。








「ほら、雫ちゃん。太陽くんがいるよ~、お兄ちゃんお勉強頑張ってて偉いね~」


「あい、えりゃい」


「こっちに気がつくかな?」







そう言って2人で熱い視線を兄に送っていると兄も私たちの存在に気がついた。母は兄が気がつたことが嬉しかったようで私の腕をつかんで兄へ手を振った。






「雫ちゃん、お兄ちゃん気がついたね!ほら、お兄ちゃん頑張れ~って」






兄も私のエールに期待しているような目をしていたので笑顔で兄の姿をジッと見つめた。すると兄はその姿に満足気に頷いてからこっそり私に向けてグッと親指を立ててから、しっかりと前を向きなおして挙手をしていた。







母と私にカッコイイ姿を見せてくれようと張り切っている兄の可愛らしさっていったら…、もう、ね。背筋をピンと伸ばして、必死に先生にアピールしている姿なんて微笑ましいったらありゃしない。いや、本当に良いものを見てもらったよ。あ、ちなみにそのアピールのおかげか先生に当ててもらったから発表も見れたよ。







授業参観が終わると、ぞろぞろと退室していく親御さんに続いて私たちも退室をして廊下を歩いていると教室でスペースをあけてくれた美人な奥さんが母に話しかけてきた。






「あの、間違っていたら申し訳ないんですが、もしかして太陽くんママですか?」


「ええ、そうですよ。えっと…」


「あ、やっぱりそうですよね!私、大和の母です。」


「あら!大和くんママでしたか!いつも息子がお世話になっております。」


「いえいえ、こちらこそ仲良くしていただいてありがとうございます。」


「こうやって会ってお話するの初めてですね。いつもは電話でお話するだけなのでなんだか新鮮です。」


「そうですね。もしこの後予定などないようでしたらお茶でもいかがかしら?」


「ええ!喜んで。」








大和くんママに誘われ近くのカフェへ行くとそこで2人の会話が面白いようにはずむ。私は大人の邪魔をしないように気を遣って寝たふりをして2人の会話を聞いていた。



会話からわかったのは、どうやら大和くんと兄は同じサッカークラブに通っていて友人同士。サッカークラブの連絡で母と大和くんママは時々電話をしていて仲良くなったようだ。サッカークラブの付き添いに大和くんママは仕事が忙しくてなかなか行けないためお手伝いさんに送迎を頼んでいるそうだ。つまり大和くんというのはいいとこのお坊ちゃん。そんな子と兄が仲がいいのはちょっと意外だな、と思った。




兄は正直口がちょっと悪い。いや、悪口を言うとかそういうひねくれている意味合いではなくて、なんていうか最近の戦隊モノの影響からか男らしい姿に憧れを抱いているようで口調が少々ヤンチャな感じになっているのだ。私としてはヤンチャな感じも可愛いので問題ない。それに内面はとても妹想いのいい子だと知っているので口調は特に気にしてはいない。両親も男の子は元気なくらいな方が良いと思っているようで気にしてはいない。もちろん何かダメな言い回しのときや年上の人に対しての態度などについてはちゃんと叱っている。



とにかく話はそれたが、そんな兄に何やら上品そうな友人がいるのが意外ではあったが、母と大和くんママの会話を聞く限りでは、上品とかヤンチャとかそういうところは本人たちには関係がないようで気が合う良い友人関係を築けているようなのでそれは心から良かったと思う。



それに母と大和くんママも息子同様気が合うようで、そのうち今度一緒に買い物へ行こうと話していた。いやはや、母にもママ友ができて良かったよ。…ってあれ?そういえば、私まだ友達いないかも…




いや、でも私まだ幼児だし!幼稚園とか行くようになったら友達だってできるはずだし!大丈夫、大丈夫。












…大丈夫だよね?






思わぬところで友人関係に不安を覚えた私でした。






最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

今回は兄の友人の名前が出てきました。

もしよければ覚えておいていただけたら嬉しいです。

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