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バレンタイン!

お久しぶりです。

書きかけだったバレンタインのお話が書き終わったので、今更ではありますが…。

早いもので月日は流れてもう季節は冬。え?初めてのおつかいからもうそんなに日にちが過ぎたのかって?まあ、そりゃ冬になるまでいろいろあったけど、全部話してたら大変だから割愛しました。と、いうことで今はもう年越しも終わった1月後半。もうすぐ2月となるわけです。で、2月…それは有名なイベントがある月!!そう、もう皆わかってるよね!女性も男性もソワソワしてしまうイベント…バレンタイン!!いぇい!!



実は私、里中雫。今回初めてバレンタインチョコを自分で用意してみようかと思っております!!!!今まで用意したことなかったのになんで急にと思った人もいるでしょう。…なんで急に用意するって言い出したか聞きたい?え〜、どうしようかな〜?…ってちょっと待って!!別に対して知りたくないとか言わないで!!聞いて!…いや、ぜひ聞いてください!!お願いします!!!!お、聞いてくれますか。あざーっす!!




では、気を取り直して。去年無事に誕生日を迎えた私は4歳になったわけです。ということは幼稚園に通える年齢になったわけです。つまり去年よりもちょっとお姉さんになったわけですよ!で、何が言いたいかというと、ちょっとお姉さんになったついでに前世ではほぼ関係なかったバレンタインに私もおませな子供として今年から参加してみちゃおっかなーと思ったわけです。



前世のバレンタインなんて、学生時代はクラスの中心的女子がクラスメイトの男子全員にクラスの女子から義理チョコ用意することにしたからその資金援助をしたぐらいで手作りなんかしたことない。それに会社員になってからは同じ部署の先輩に言われて義理チョコを適当に見繕っていただけというバレンタインとは思えないくらいしょっぱい記憶しかない。まあ、好きな人は画面の中から出てこなかったからしょうがないんだけどさ。ちなみに前世では兄弟もいなかったし、父は甘い物が好きな人ではなかったから用意したことがない。




だからこそ、今世の私ではそういうキラキラしたイベントも自ら率先して参加してみようと考えたわけです。もう、しょっぱいバレンタインとはおさらばさ!そして、こんにちは新しい自分!!4歳になって少しお姉さんになった私は前世の私を越えるのだ!!!!




とそんな計画を1月に入ってからずっと練っていた私は、今日、うちの男性陣がいないこの時についにママンにバレンタインの相談をしようと思っております。まあ、バレンタインまで結構日にちはあるから気が早いような感じもするけど、幼児の私にはチョコ作りは少々難しいと思うからママンとしっかり相談しておかないとバレンタイン当日にチョコを渡せなくなってしまうと考え、今日実行することにしたのです!!では、早速。皆の衆、出陣じゃ〜!!!!





心の中でホラ貝を吹き、乗馬しているアクションをしながら私は母の元へ向かった。母は鼻歌まじりに洗濯物を干していたので後ろからぐるっと周りこんで母の目の前へ行った。もちろん気分は武将だったので母の目の前に行くまで乗馬のアクションを続け、華麗に下馬して(アクションで)から母に話しかけた。







「ママ、ちょっとい〜い?」


「いいわよ?どうしたの雫ちゃん。」


「あのね、ないしょのおはなしなんだけどね、バレンタインのチョコつくってみたいの!!」


「あらあら!誰に作ってあげるの?もしかして雫ちゃん好きな子できたの?」





好きな子か〜。言われるまであんまり考えてなかったけど、流石にまだこの歳で好きな子はいないからちょっと違うよね。同い年の子をそういう目で見たこともないし、だからと言って年上の人に惹かれてるというのも今のところないかな?





「ん〜?ちがうよ?パパとおにいちゃんにあげるの!あと、じょうずにできたら、かえでにもあげたい!」


「楓ちゃんには上手にできたらでいいの?」


「うん!だって、はじめてのともチョコだから!きれいなのがいい!」





そりゃ父も兄もできれば綺麗な物をあげたいけどさ、最悪あの2人なら見た目が汚くても喜んでくれそうだから問題ない。それに家族から貰うチョコにそんなに期待とかもしてないだろうし、見た目が少し悪くても平気そうかなって。でも、楓は私の初めてのお友達だし、ありがとうという感謝の気持ちとこれからもよろしくね!っていう気持ちも込めてできるだけ綺麗な物をあげたい。友達は大切にしなくちゃいけないからね!






「そっか、わかったわ。じゃあ、今日から少しずつママと秘密の特訓しましょう!そうだわ!それなら、大和くんにもチョコ用意してあげましょう?ママと雫から、太陽くんと仲良くしてくれてありがとうって気持ちを込めたもの。どうかしら?」


「うん!いいとおもう!」


「じゃあ、決定ね!ママがお洗濯干し終わったら計画を練りましょうね!」


「は〜い!」







その後母と話し合った結果、私にもできるミニカップにチョコを入れて飾り付けをするという簡単な物を作ることになった。最初はガトーショコラとかそういうシャレオツな物が作りたい!って言ったんだけど流石に幼児な私には無理だろうとなりました。…まあ、そうでしょうね!!わかってたよ、幼児が作るには難しいってことは…でも、憧れちゃうじゃない!?なんかガトーショコラってキラキラした感じするじゃない!?無理だと分かっていても、ママンの力があればもしかしたら!?って夢見ちゃうじゃない…。



まあ、結局今回はガトーショコラはママンが作って最後の粉砂糖を私がかけさせてもらうっていうことで諦めさせられましたよ。ガトーショコラは私がもう少しお姉さんになったら教えてくれるそうです。我が儘言ってごめんよ、ママン!!私、ミニカップのチョコ頑張って作ることにするよ!!









作るものを決めたその日から男性陣が出かけている間にこっそりとどういう感じにするか話し合い、その後は私がちゃんとできるように練習も少ししてそれなりの物ができるようになったため、後はチョコを入れる箱やリボンを買ってきてバレンタイン前日を待った。前日もこっそりと2人でチョコを作り可愛くラッピングも済ませ、あとは当日に渡すだけとなった。チョコは練習の成果もあり結構綺麗な出来栄えとなったので楓と大和くんの分も用意した。











つ、ついにバレンタイン当日がやってきてしまった!今日は日曜日で学校も会社もお休みだから2人とも予定がなければ家にいるはず!いつ渡そうかな?ママンは私に渡すタイミングを一任してくれてるから好きなタイミングで渡せるんだよね〜。朝は流石に早すぎるからお昼くらいでいいかな?あ、3時のおやつのタイミングに渡したらちょうどいいかも?…うん!そうしよう!!これで計画は完璧だ!とりあえずお腹が空いたから朝ご飯食べよーっと。







リビングに向かうためにドアを勢いよく開けると『ガンッ!!』っと大きい音が鳴ったので不思議に思いつつドアの隙間から顔を出して様子を伺ってみると、お兄ちゃんの太陽くんがちょうど私を起こしに来てくれていたようで思いっきりドアに顔面を打ち付けて悶絶していた。



いや〜、悪いことをしてしまった。まさか太陽くんがいるとは思ってなかったからすごい勢いで開けちゃったよ。しかも顔面ぶつけたとか相当痛かったよね…。ごめんよ、太陽くん!!でも、相当痛かったはずなのに声を出さないとは…男だね!太陽くん!!えらいよ、よく堪えた!!よし、ここは私が太陽くんを慰めてあげようではないか!…って私が原因で悶絶してるんだから当たり前なんだけどね〜。











太陽くんはドアの前でしゃがみ込み両手で顔面を覆いじっと堪えている。頭がちょうど私の目の前にあるので慰めの意味を込めて頭を撫でながら話しかけた。






「おにいちゃん、だいじょうぶ?いたい?」


「流石にちょっと痛かったけど、大丈夫。オレ、お兄ちゃんだし。」







痛かったのに妹の前で大騒ぎするの我慢してるなんて…太陽くん、健気やないか!!悪かったよ、わざとじゃなかったんだよぉ。そういえば結構な勢いだったから鼻血とか大丈夫なのか!?ちょっと手をどけて見せてごらん!?



顔を覆っている手に自分の手を重ね合わせて無理矢理はずさせて見るとおでこと鼻が赤くなってはいたが鼻血は出ていないようでちょっと安心した。でも涙目になっている。やっぱり相当痛かったようだ。太陽くんの鼻を自分の小さい手で優しく擦りながら謝罪をした。








「おにいちゃん、ごめんね?」


「いや、大丈夫。心配してくれてありがとな!」






ニコッと笑い私のことを許してくれたうえ、感謝の言葉まで…!ええ子や!この子はなんてええ子なんや!!私はこんないい子になんてことをしてしまったんだ!!本当に痛くなくなるわけではないけど、せめて気休めにおまじないをしておこう。






「いたいのいたいのとんでけー!!」


「雫…!」


「いたいのなくなった?」


「うん!!雫みたいな可愛い子におまじないかけてもらったらすっかり痛くなくなった!!ありがとうな!!雫はちゃんと謝ってくれたし、オレの心配もしてくれて本当にえらいな!!よし、じゃあ元気になったし、一緒にご飯食べに行こうか?」


「うん!!」







すっかり元気になった太陽くんと仲良く手をつないでリビングに行くと朝ご飯の美味しそうな匂いが漂っていた。わーい!今朝はご飯とアジの開きとみそ汁と卵焼きとほうれん草のおひたしか!!う〜ん、いいですね〜。お腹空いてよだれ出てきちゃったよ。よだれを垂らしながら朝ご飯に釘付けになっていると、父が私を抱き上げよだれを拭いつつ挨拶をしてくれた。








「おはよう、雫。今日もパパの天使は可愛いね。」


「パパ、おはよう!はやくごはんたべよう?」


「…っ、そうだね!温かいうちに食べようか。」







『いただきます!』と家族みんなで挨拶をして早速朝ご飯を食べ始める。相変わらずママンのご飯は美味しいです。朝からちょっとしたトラブルはあったけどこうやって落ち着いてご飯が食べれて良かった。あとは今日のメーンイベントをこなすだけだな!まあ渡すのはおやつの時間だし今はゆっくりご飯を味わおう!あ〜、うまうま。







おやつの時間になるまで2人には私の遊び相手になってもらった。遊んでもらっている最中に2人の様子を伺ってみたけど2人とも私からチョコをもらえると考えてはいないようで母の方ばかりチラチラと気にしている。ふふふ、それでいい。私からのチョコはまさにサプライズ!これは2人の反応が楽しみだ!3時になると私は母に隠してもらっていたチョコを出してもらい、体の後ろに隠して2人にこっそり近づいた。







「パパ、おにいたん!はっぴーばれんたいん!」






しまった!!ちょっと緊張して『お兄ちゃん』と言うはずが『おにいたん』になってしまった!!肝心なときに限ってこの舌は!!まあ、2人ともビックリした顔してるし結果オッケーってことにしとこう。







「し、雫これってバレンタインのチョコか?」


「も、もしかして雫がパパと太陽に用意してくれたのかい?」


「ケーキはママ!あたしはチョコつくったの!」


「よ、よ、葉子これって…」


「うん?ちょっと前にね、雫ちゃんから言い出したのよ?パパとお兄ちゃんにチョコ作ってあげたい!って。私はそのお手伝いをしたの。ガトーショコラは上の粉砂糖を。チョコの方は雫ちゃんほとんど自分で作ったのよ。私はちょっと湯煎のお手伝いをしたくらいかしら?」







母がチョコの説明を2人にすると兄はチョコをガン見しながらテンション高めに『おおおおぉぉぉぉ…』とつぶやき、父はいつものごとく感動して泣き始めた。







「おおおおぉぉぉぉぉぉぉ…すっげぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」


「…う"ぅ〜…っじずぐぅ、よ"う"ごぉ…あ"り"がどう"ぅぅぅ〜」


「ど、どどどうしよう!?オレこのチョコ食べれる気がしねえ!!もったいない!!」


「…っぐす、パパも、もったいなくて食べれないよ」






な、なんだと!?そんなに喜んでくれるのは嬉しいけど、初めての手作りチョコを食べてもらえないなんて悲しすぎるんだけど!!これはなんとかして食べてもらわないと!!






「パパもおにいちゃんも、たべてくれないの?」


「「!?」」


「たべてくれなきゃ、めっ!!」


「「…っ!!」」





どうだ!!私のあざとい怒り方は!!あざとすぎたか!?何も反応がないうえ…くっ、私の方がダメージが大きかったか?は、恥ずかしい…。もうやってしまったからなかったことにはできないけど、もうこの怒り方はなるべくやめよう…。






「くそっ!なんでこんなに可愛いんだよ!!可愛い雫に叱られちゃったら食べるしかねーじゃん…」


「…食べるよ!確かにもったいないけど、せっかく雫がパパ達のために作ってくれたんだ。食べない方がもったいない。」


「…父さん!」


「太陽。有り難く頂こう。」


「…うん。」


「葉子、雫。頂きます。」


「母さん、雫。いただきます!」






2人はまずガトーショコラを食べ始め、うまいうまいと喜んでいる。次はいよいよ私のチョコだと思いソワソワしていると2人は少しだけ口にした。







「おいしい?」


「ああ!!うまいぜ!!神の味がする!!!それになんだか急に力が湧いてきた気がする!!」


「美味しいよ!!雫はおかしを作る天才だね!お、おかしいな?…っぐす、なんだか急に…ぐすっ…塩気が…っ…うぅ〜…。」


「パパ、それはないてるからでしょ?」


「そっか…、もしかしたらっ、雫がくれる最初で最後のバレンタインチョコかと思ったら…ぐすっ、やっぱりもったいないって思っちゃったからかな…っ…?…でも、ちゃんと食べるから!毎日少しずつ大切に食べるよ…っ…。」






マジか!そんなに喜んでくれるのは嬉しいけど、そこまでとは思わなかったわ。毎日少しずつって…。こんな小さいチョコをそこまで大切にして食べてくれなくてもいいんだけどな〜?美味しく食べてくれればそれだけでいいんだけど…。あ、じゃあこうすればいいんじゃない?






「パパ、あたし、まいとしパパにチョコつくってあげるよ!」


「ほ、本当かい!?」


「え!?雫!オレにも作ってくれるよな!?」


「うん!ほんとうだよ!もちろん、おにいちゃんにもつくるよ〜」


「「ありがとう!!」」










その後、指切りげんまんをしてちゃんと毎年バレンタインチョコを用意することが決まりました。でもチョコは初めての手作りということで父も兄も毎日少しずつ食べることにしたようで、2口で食べ終わるような小さいチョコをちまちまと食べては冷蔵庫に保存している。嬉しいけど、親ばかとシスコンが日に日に増していっているようでちょっと心配になった。





最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

ちなみに、楓と大和くんにチョコは後日無事に渡されました。

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