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殺戮機械 La Machine Slaughter  作者: 瀬良 啓 Sera Quei
3/26

いかにも、ここから撃ちましたよ、といっているようだ

3


「いかにも、ここから撃ちましたよ、といっているようだ」静内はいった。

「ああ。隠す気がないどころか、喧伝している」新倉は応えた。

 マル害が頭を吹き飛ばされた現場から車で駒沢通りを西にしばらく進むと、新倉は停めるよういった。メーター読みで五〇〇メートル。

 車から降りた新倉は、運転席に回り道路の向かいにあるビルを「あそこだ」と指し示した。古ぼけた雑居ビル。廃墟と見紛うばかりだ。静内がビルを見あげている隙に、新倉は通りを渡っていた。

 静内は車から降り新倉を追った。裏手に回り外に設置されている非常階段にいるところで追いつく。静内は懐に入っている鉄の塊を意識した。

 二人は屋上まで上った。静内はほっとした。誰もいなかったからだ。拳銃を使わずに済んだ。静内の心配をよそに、新倉はさっさとビニール袋を履き、マグライトでコンクリートの床を照らしながら、東側の縁へ歩いていく。自信満々の新倉に静内はついていくだけだった。

 半信半疑だったが、屋上へ着くと新倉の見立てが間違いないことがわかった。遺留品・遺留物だらけだったからだ。最初に目に入ったのが、ませてきた小学六年の娘が持っているのと同じ、スワロフスキーで覆われた〝デコ電〟。マグライトの光に反射してぎらついていた。加えて、古臭い毛布があった。砂が散乱していた。単三電池ほどの大きさの段が付いた薬莢──新倉が地面に伏せて、七・六二ミリ×51NATO弾のものだと確認した──が転がっていた。さらに、水たまり。いや、ゲロだ。すえた匂いがしている。

「実に、おあつらえ向きの場所だ」遺留品・遺留物を避けフェンスの前に立った新倉は、両手で筒をつくりのぞいた。「よく見える」

 新倉の横にいき、遠くに目をやる。現場にいるパトカーの回転灯がいくつも見えた。だが、かなりの距離だ。「こんなところから、ピンポイントのヘッドショットか」

「大したことではない。的に当てるだけなら俺だってできる」新倉はあっさりいった。

 自信満々だな。「しかし、よくこの場所が分かったな」

「なぜか、訊きたいか? ニュートン力学から説明しなければならないが……」

「やめておくよ」たまったもんじゃない。

「ところで、俺は犯人の見当がついた」

「本当か? 誰だ?」

 間違いならいいが、と前置きすると新倉はいった。「俺と同じ思考する奴さ。お前もよく知っている」


 北野が運転する紺色の日産ティアナは、霞が関の料金所から首都高速都心環状線に乗り高樹町で降りた後、六本木通りを進んだ。しかし、南青山七丁目の交差点を左折した途端、詰まってしまう。回転灯を屋根に乗せ、サイレンを鳴らし、緊急自動車であることをアピールしたが、そのうちまったく進まなくなる。緊急配備の検問のせいだった。

 恵比寿における人体発火現象は、事件性が高いということで一三係の臨場が決まった。本部から出るころには、殺人ではないかとの報告が入る。その後、射殺ではないか、使われた弾は焼夷弾だそうだ、と未確認な情報だけが増えていった。緊急配備がされたが、犯人が特定されないままだったので現場は混乱を起こす。闇雲に検問を設け、すべての車を停め、銃を積んでいないかどうか、車の中をすっかり調べている。おかげで恵比寿周辺の道という道は大渋滞だ、車で逃亡したとは限らないのに。そのうえ、ほぼ同時に、この先の広尾で起こった立てこもり事件も、渋滞に拍車をかけていた。

「反対車線はすいていますが、どうします?」

 そのとき、助手席にいた北野の上司、捜査一課一三係係長の山村昇司の携帯電話が鳴った。ただの電子音だった。「ちょっと待て。電話が終わってからにしろ」懐から携帯を取り出すと山村はいった。「本部からだ──おい、サイレンがうるさい!」

 北野は、サイレンのスイッチを切った。

「北さん、狙撃した場所が見つかったそうだ」山村は通話を終えるといった。「俺たちはそっちに向かう。現場は他の連中に任せよう」

「どこです?」

「恵比寿南交差点付近の現場から、駒沢通りに沿って約五〇〇メートル西、雑居ビルの屋上」

 五〇〇メートル! ざっと一駅分か。相当の腕利きだ。北野は、日本で一番有名な目つきの悪いスナイパーを思い浮かべた。「一体──」

「北さんよ」山村が遮った。「犯人が誰かなんて訊くな。そんなもん、いまの時点で分かる訳がない。俺たちは捜一だ。どこぞの部署みたいに見込みで捜査はしない」

 どこぞの部署、公安のことだ。このおっさんの公安嫌いは半端ではない。「それはそうですけど──」

「だったらやめろ」山村が不機嫌そうにいった。「ところで、報告書は?」

 しまった!「もうすぐ書きあがりますけど」

「見え透いたウソをいうな。日暮がどんぶり持ってやってきたとき、嘆いていたぜ。報告書が書けないものだから、しょっちゅう遊びにくるってさ」

 ちぇっ、日暮の奴、なにも俺が出発前の用足している間に来ることはないじゃないか。

「しっかりしてくれよ、主席主任さん」山村は俺を肩書きで呼び、一気にまくしたてた。「お前は、フィールドワークは抜群だ。認めてやるよ。だがな、ディスクワークはやる気すらないってのは、問題だぜ。出張の精算もまだしてないだろ。特に、金については少額でも、慎重に対処しておくもんだ。本物の悪徳より、不注意なお前みたいな奴が監察に目をつけられやすく、狩られやすいんだからな。しかも、俺たちは、ただでさえ目立ちやすい本部勤めなんだぜ。分かっているのか?」

「すみません」耳が痛い。

「だいたいなあ──」

 そのとき、またも山村の携帯電話が鳴った。北野はほっとした。

 山村が通話を終えたのを見計らい北野はすかさず訊いた。「今度は、何です?」

「管理官殿からだ。電話ではいえないとさ」山村は続けた。「ユーターンさせろ。本部に戻るぞ」

 北野はサイレンのスイッチを入れた。緊急自動車であることをがなりたて、ティアナを反対車線に入れた。アクセルを踏み込む。タイヤが悲鳴をあげた。エンジン音も室内に響いた。

「見え透いているぞ、北さん」山村はいった。

「何がです?」北野はとぼけた。

「俺に話しをさせない気だろ」

「そんなことはありません。管理官殿が待っているなら、急がないと」

 山村が苦笑いを浮かべたのを北野は横目でみた。「まあ、いい。説教はこの次までとっておいてやる。主席主任さんの、やる気をそいだら、いまはまずいからな」

 そういって、やる気をそぐんだから、たまったもんじゃないぜ。北野は腹の中で毒づいた。


 六階の大部屋に、管理官の佐々木陽介が待っていた。

「早かったですね」佐々木がいった。

「反対車線は、さほど混んではいなかったからな」山村がいった。「それに、国際A級レーサー並の優秀なドライバーさんの運転だったものでね」

「なるほど」佐々木は北野にちらっと視線を送っただけで、それ以上、触れることはしなかった。「さて、会議室を用意しています」

「ここじゃ駄目ということは、面倒なことになっている、という理解でいいのか」山村が訊いた。

「ええ。ちょっと込み入ってましてね」

「うちの人間はどうする?」

「いまのところ、現場にはりついてもらっていて構いません。山村さんと北野さん以外には、あまり大っぴらにしたい話ではないですし。それでも、伝えた方がいいというのであれば、山村さんの判断でお決めになってください。お任せします」

「分かった」とだけ山村は応えた。

 北野はひとりごちた。管理官だというのに、いつもの、この佐々木の腰の低さ、絶対に、侮ってはいけない。山村に対してもだが、俺やその他の人間、年下に対しても同じ態度をとる。それはそれで美徳ではあるのだが、何か裏があるに違いないのだ。だまされるものか。

「では、いきますか」佐々木がいった。

 佐々木が先頭となって、三人は大部屋を出た。

 佐々木はやせてはいるが、案外、ごつい背中をしている。俺より一〇センチは高い。一八〇は超えているだろう。細い身体にぴったりあった背広、磨きこまれた靴。書類を右手に抱え歩くさま。いかにもお勉強ができそうなキャリアという雰囲気だ。背の高さは山村と同じ位。骨太の山村はいかにも威圧感の塊だが、この佐々木も別な意味で威圧的な雰囲気がある。

 佐々木の最終学歴は、あくまでも地方の国立大学の医学部。ただし、卒業したその年、東大文Ⅰに入り直している。

 理由は「ずばり、キャリア官僚になるため。医者よりキャリアの方が楽できると思ったから」だそうだ。

 医師国家試験に合格しただけで研修を受けていないものだから、医師の資格はない。なろうと思えば、いつでもなれるんだろうけどな。

 いつぞや、ある殺人事件の解決を祝って催された、ちっぽけな飲み会の席で佐々木はいっていた。どうせなら〝東大〟と履歴書に書きたかった。だから、二年後、国家公務員採用一種試験に合格すると、東大はとっとと中退。そして、警察庁に入ったという。本当は、一年でやめるつもりだったが、自分の能力を過信していたため、その年は試験に通らなかったとか。「甘かったですね」と佐々木は自嘲気味にいった。

 厭味ったらしい。次の年には、合格したからいいじゃないか。頭のいい奴に限って、自分を莫迦だと吹聴したがる。だから、頭のいい奴は嫌いなのだ。

 佐々木は、キャリアなのに、一課にまわされた。まるで異例のことだった。一課は、たたきあげの巣窟。キャリアの管理官でございといっても、素人では莫迦にされるだけだ。実績だけがものをいう。

「医学部を出ているから死体を見慣れているだろう、という判断が働いたんじゃないでしょうか」と佐々木はいってのけた。「カルタゴの将軍の名を称したシリアルキラーのような輩が実際に出てくるとも限らない。そんなときは、キャリアの頭脳が必要だ。そんな噂もあったように思いますよ」

 そこはかとなく自分の頭のよさをひけらかすんだよなあ。

 小会議室の前にくると、先頭にいた佐々木はドアに貼り付けてある札をスライドさせ、〝使用中〟にした。ノブを回しドアを開ける。山村と北野をうながして先に入れ、最後に佐々木が入った。

 会議室は、うなぎの寝床だ。左右が狭く奥行きが深い。細長い〝ロ〟の字にテーブルが配置されている。山村が右の席についたので、北野はその反対の席に腰をおろすことにした。

 佐々木が入ってきてドアを閉める。書類を手前のテーブルに置くと、立ったまま、前置きなしにいった。「広尾で起きた、妊婦と乳児を人質にした立てこもり事案ですが、ご存知ですね?」

「特殊犯が出たやつだろ? 関連があったのか」山村がいった。

「ええ。同一人物の仕業であることが確認できました」

「焼夷なんたら弾を使って人を燃やした人間と、立てこもった人間が同じなんですか?」北野が訊いた。「なんだか、しっくりきませんね」

「だから、込み入っているんです。まずは、時系列順に説明します。具体的な話はそこからということで」佐々木は、テーブルの上においた書類の束から紙を一枚抜き出した。「一七五三時、マル被は広尾のマル害のマンションに、宅配業者を装ってやってきました。マンションの防犯カメラが記録していました。エントランス前のインターホンで、荷物を持ってきたことを女房に伝え、あっさり許可されたマル被は空の段ボール箱──部屋に転がっていました──を抱え堂々と侵入。エレベーターに乗り込み、部屋に向かいました。ドアが開くと、女房の顔をホルマリンに浸したハンカチで押さえつけ、意識がなくなったところを荷造り用のプラスチックバンドで拘束しています。娘はベビーベッドの上で寝ていました。二人に怪我はありません。部屋も荒らされた形跡はなし。ただし、女房の携帯電話──いわゆる〝デコ電〟という奴で、スワロフスキーとかいうもので飾り立てている携帯です──がなくなっていました」

「携帯電話? それが目的だったんですか?」北野が口を開くと、佐々木は顔も上げず無言のまま右手を上げ、掌を北野に向けた。質問はするな、という意志表示だった。

 佐々木は続けた。「一七五九時、マル被はマンションから出ます。その後、狙撃地点、駒沢通りに面した八階建のビルの屋上に向かいました。

 一九二〇時、マル害が現場近くのケーキ屋に現れます。予約していた娘の誕生日ケーキを受け取るためです。店から出てきたマル害に、マル被は件のマンションで手に入れた女房の携帯電話で電話をかけています。通話時間は四八秒。これは、マル害のスマートホンおよび、マル被が使った携帯電話に記録が残っていました。通話内容までは把握していません。ちなみに、女房の携帯電話は現場に残されていました。

 そして、狙撃。現場は〝人が燃えた〟と大騒ぎになりました。これは、黄燐が充填された焼夷徹甲弾を使ったからです。ビルの屋上には薬莢が落ちていました。狙撃が行われたビルの屋上から現場までの距離は、約五〇〇メートル。弾は頭に命中していました。いわゆるヘッドショットです」

 佐々木はテーブルの上においた書類の束から写真を抜き出し、ホワイトボードの左上端にマグネットではった。見事に頭のない死体。胸の辺りが黒ずんでいるのは、焦げた跡なのだろう。

「一九三五時、マル被は一一〇番通報。立てこもりの狂言を始めました。間もなく連絡が途絶え、二〇二四時、特殊犯が突入、女房と娘を保護したというわけです」佐々木が息をついた。「一方、特殊犯は旦那に連絡をとろうと、旦那の携帯電話にかけ続けていたのですが、電話をとったのは鑑識でした。射殺体から回収した携帯がずっとうるさく鳴っているものだから、仕方なく出たとのこと。お互い、驚いたそうです。まあ、そこから当事案のあらましが分かったんですけどね」

「これまた、えらく回りくどいことやっているな、マル被は」北野の向いの席で椅子に身体をうずめ、腕を組んで話を聞いていた山村は顔をあげた。「焼夷なんとら弾を使ったのは、超常現象に見せかけ逃亡を容易にしようという腹積もり。同様に、立てこもりを自ら通報したのも、警察を引き止めておくため。こんなところか。だが、わざわざマンションに侵入して電話を奪った意味が分からない」

「ひとつは、技術的な問題。いくら超一流の狙撃手といえども、五〇〇メートル先から動いている標的を撃つのは困難だ。どうしても女房の電話がほしかった。女房の電話ならマル害は確実に出る。出れば脚が止まる、との判断が働いたのではないか。という報告が現場から届いています。そして、もうひとつは、電話による死刑宣告」

「死刑宣告?」山村はオウム返しにいった。

「実は、マル被は判明しています。狙撃現場に残っていた携帯には指紋がベタベタついていましたし、マンションの防犯カメラに姿が映っていました」

 佐々木は、ホワイトボードに写真を貼った。宅配便業者の制服を着た男がこちらを見ている。

「こいつ、不動 真じゃないか!」山村が声を上げた。

 北野は山村の顔を見た。「知っているんですか?」

「ああ。不動は、機捜にいたんだ。何度か一緒に仕事をしている。佐々木、頭を吹っ飛ばされたのは、当時、関係した人間か?」

「六人いた少年の一人です。指紋を調べたところ、判明しました」

「なるほど、だから、死刑宣告か」

 話が見えない。北野は訊いた。「誰なんです、不動って。六人の少年というのは?」

 しょうがねえな、と舌打ちをすると山村が応えた。「不動の名前は覚えていなくても、事件は覚えているはずだ。ざっと一〇年になるか」

 北野は首をかしげた。ざっと一〇年、だけでは分からない。

 佐々木はいった。「正確には八年前ですね。平成15う104X『卑猥誘拐・略取、監禁、強姦、暴行、殺人、死体損壊、死体遺棄および轢き逃げ事件』マル害は、不動祥子・一五歳、不動美咲・三一歳。不動 真は、不動祥子の兄であり、不動美咲の夫。そして警察官でした」

 思い出した! 上野の派出所に勤務していた頃だ! マル害が警察官の身内だったのでよく覚えている。阿佐ヶ谷だったはず。駅前で、女子中学生が、糞ガキどもによってワゴン車に押し込まれる。その光景を見ていた義姉は、助けようとして車の前に立ちはだかった。だが、奴らは構わずはねた。女房は、腹の中の子供と共に、数日後、死んだ。

 一方、妹は、一週間にわたってホテルに監禁される。最期は自殺。遺体は、雑木林に捨てられた。見るも無残な状態だったとか。尊厳を奪われ、浴びせられ続けた苦痛。逃れるためには、自ら命を絶つしかなかったのだ。

 もはや人間の所業ではない。発見された妹は、身体中、傷だらけ。膣と肛門の内部にあった著しい裂傷。人物を特定されないためにと、滅茶苦茶につぶされた顔。棺桶に納める際、顔には生前の写真を使ってつくられたデスマスクが被せられていたとか。あまりにも悲惨だ。いや、凄惨だ。

「糞ガキどもは、とっくに娑婆に戻っていたんだな」山村がいった。

「主犯格こそ半年前でしたが、それ以外は三年前には出ています。ちなみに、主犯格のもう一人は自殺しています」

「自殺した奴には、敬意を表したいところだ」山村は厭味たらしくいった。

 何人かは死刑になると思っていた。だが、捕まえてみると、どいつもこいつ一八歳未満。それでも、逆送され何人かは、最高刑の無期懲役を食らったはずだが、一〇年もたたないで、出ていたとは!

 山村は続けた。「不動は、最後の一人が出てくるのを待っていたということになる。本来なら死刑になってもおかしくない連中だ。不動なら、簡単に皆殺しにするぞ」

「おそらく。その道のプロですから」

 どういうことだ? 北野が口をはさんだ。「機捜の前、不動はどこに所属していたんですか?」

 山村が代わりに応えた。「いうまでもないだろ。お前だって大体、想像がつくはずだ。警視庁特殊部隊、通称・特殊急襲部隊SATだよ」

「ちなみに」佐々木が続けた。「狙撃支援班に所属していました。射撃レベルは、特A。班のリーダーも務めています。オーストラリアのキリングヴィレッジで行われたオーストラリアSASとの合同訓練に参加。ドイツのGSG‐9、フランスのGIGNなどにも派遣されています」

 すなわち、五〇〇メートル程度のヘッドショットなど屁でもないってのか。「とんでもない奴の相手をしなければならなくなりましたね」

「不動だけなら、いいんですけどね」佐々木がいった。

「ん? いっている意味が飲み込めないのだが」山村が訊いた。

「ここから、さらに込み入ってくるんです。さっき警察庁に呼ばれまして──」

 なんで、警察庁なんだ? 北野は思った。面倒なことになりそうだ。いまでも十分面倒だけど。



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