↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
snow white  作者: 小山 優
後章
PR
33/37

第三十一章 ルーシー

「これから、」

「どうしようか」

 笑顔で悩んだ。

 自分が反乱を起こしたことでルーシーの計画が潰れ、ルーシーがここに来たことで自分の計画が潰れた。

 二人が生きて一緒にいるということは、責任を取ることを最小限で済ませられなくなったということ。つまり、

「二人一緒に死ぬしかないよねー」

 革命を起こした反逆者である自分が死ぬのは勿論で、ただ一人生きるのを許さないルーシーが後追いで死ぬのも目に見えている。

 そうでもしなければ、国民が納得しない。よしんば一般市民は誤魔化せたとしても、復国同盟以外の反政府組織はやり込められないだろう。

「――二人が幸せになる道にしようよ」

 昔のように少し高い音で、嬉しそうに呟いたルーシーの声に首をかしげた。

「皆が死を望んでも、そんなこと知らない。私達は、私達がやりたいようにやれば良い」

 ルーシーは国を正しく治めたい。自分はその横で支え、守ってあげたい。

「僕達の邪魔をする者は全部蹴散らして、二人で一緒に歩んでいこう」

 寝転がったルーシーの頬を撫でる。相手も同じようにこちらの頬に手を当てた。

「だから」

「一緒に」

 その顔に、自分の顔を近づけて、

「「幸せになろう」」

 唇を合わせた。

 優しく、その形を確かめるだけの柔らかいキス。

 先程のように、奪い、蹂躙するのではなく、お互いを認識し合う。

 這わせた唇についていた傷を舐め、それを癒すようにキスをする。 

 ん、と離して、相手の顔に治癒の魔法を掛ける。

「……ありがと」

「女の子の顔に傷を残したらダメだからね」

 作った張本人は誰、と悪戯っぽい笑顔で問われて苦笑した。

 少しの余韻を感じた後、二人で一緒に立ち上がった。

 一瞬よろけたルーシーを支え、しっかりと立たせてあげる。

 夜明けを告げる太陽が登り、崩れた政治の場を照らした。

 一度頭を振った彼女は、ゆっくりと、玉座の瓦礫の上へと登り、こちらを向いた。

「あなたは――」

 彼女の右側には月が沈み、左側には太陽が上る。

 月と陽の間の少女は、何かを思い出したように振り向く。

「――元気なときも、疲れたときも、嬉しいときも、悲しいときも、喜んだときも、落ち込んだときも、私、ルクレツィア・ボルジアを――ううん、ルーシーっていう女の子を、想い、認め、励まし、助け、そして、生きている間ずっと、一緒にいてくれますか?」

 双つの灯に照らされたお姫様が手を差し伸べた。

「僕は、クライス・イルスタントは――クリスという一人の人間は、約束します」

 それは僕の守りたいお姫様。

「元気なときも、疲れたときも、嬉しいときも、悲しいときも、喜んだときも、落ち込んだときも、あなたを想い、認め、励まし、助け、そして、生きている間ずっと、一緒に居続けることを――」

 その手を掴み、軽く口付けをする。

「――愛してるよ、ルーシー」

 それが、僕が愛を誓ったお姫様。


あとはエピローグオンリー!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。