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プロローグ1 三宅 雪深=キキ・ミャミュエイ
『生きていた』頃の話ですか?好きな人?いましたよ。私でも人並みに他人を愛していました。いえ、今でも。ええ、好きですね。本当に大好きなのですよ。
この世界で一番愛しているのですよ。父よりも母よりも兄妹たちよりも。幼いころからずっとそばにいたんですよ。それこそ家族よりも。私は―。
彼に好いてもらうためなら私は何でもしました。嫌われないためならどんな罰でも受ける覚悟でした。―愛してる。愛している。愛しているのですよ。彼のことをたまらなく愛しているのですよ。愛しているのです。狂おしいほどにね。大好きなのです。大好き。愛してるのです。彼のことを。
―でも、もう側にいることも叶わないのですよ。
わかっているでしょう。貴方も私と同じモノなら。
声を聞くことも、姿を見ることも、言葉を交わすことも……。
叶わない、だって私たちは『人間』では無いのだから。
私はキキ・ミャミュエイであって、三宅 雪深じゃないのだから。
貴方も、そうでしょう?シュウ。
……さあ、昔話はお終いにしましょう。
ここからは仕事です。心を凍らせなさい。私は何も感じない。
だって疲れるじゃないですか。いちいち、感傷に暮れていたら。
『死神』は冷酷で無いと……ね。




