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後世の史料

【アガレス家】


〇アナリーゼ・アガレス

 悪役令嬢、氷の女帝、百年女帝など数々の異名で呼ばれるバエル王国五十代国王にして、アガレス朝バエル王国初代国王。後に太祖女帝という諡号で呼ばれるようになった。

 概ね公正からの評価は名君で一致しているが、ガキッド監獄島の件だけは、アナリーゼに好意的な歴史家すら言葉を濁し、アナリーゼに批判的な歴史家はボロクソに罵っている。

 後にソロモン大陸を統一しバエル王国からソロモン帝国に国号を変更させた、太祖女帝の信奉者としても知られる三代皇帝は「太祖女帝は英明にして不世出の名君であらせられたが、ガキッド監獄のことは太祖女帝唯一の瑕疵である」と残している。


〇石田三成

 アガレス朝バエル王国初代宰相にして初代王配。王配となったことで爵位も大公となるが本人は「大公殿下」と呼ばれることを頑として拒否し、常に宰相閣下と呼ばせていたというのが、本人の謙虚さを示すエピソードとして残る。

 アナリーゼが崩御した一か月後、後を追うように老衰で死亡する。


〇アナリーゼ・アガレス(転生前)

 超絶美少女なのに、原作ゲームにおける死亡シーンで誰一人として同情する者がなく、拍手喝采オンリーだったというある意味偉人。


〇ヘンリー・バトラー

 アナリーゼに仕える執事長から、アガレス朝バエル王国の初代宮内卿になる。

 大器晩成型の人物だったらしく、老いて益々盛んの代名詞的存在となる。


〇アスール・ジャン

 アガレス朝バエル王国初代親衛隊長。嘗てアガレス家に仕えたとされる張飛という豪傑の末裔。後に天狼という綽名を得る。


〇ハインリヒ・クロムウェル

 アガレス朝バエル王国初代元帥にして戦後は初代軍務卿となる。


〇レオンハルト・ホフマン

 クロムウェルに交代するまでの繋ぎとして抜擢された以前のアガレス軍総司令官。

 死亡済み。連載版ではナレ死したが書籍版だと見せ場があるらしいですよ!


〇ロート・ハレー

 金髪にサングラスをかけた文官。アガレス朝の初代内務卿となり、私生活ではハルファス家のご令嬢と結婚して、前国王ヴィクトリスの義兄となる。


〇ラウラ・フォルティス

 アガレス公爵家一門の女子爵。バルドゥス・グランドールと結婚して伯爵夫人となり、フォルティス家は弟に継承された。


〇ノア

 謎多き男ノア。本人の姓は史書には残っていない。

 秘密警察初代長官として主に共和主義者、旧王党派などの弾圧に多大な成果をあげる。


〇オルバート・アガレス

 アナリーゼの父親。実際にはただの盆暗だが太祖の父親ということもあって、本人の才覚はいまいちであったが、一目で石田三成の才覚とアナリーゼの覚悟を認め、二人にアガレス家を委ねた大人物という脚色で描かれる。


〇トレヴァー・アイアンモア

 トモダチコレクションの所長。


〇ユメリア

 ヘンリーと結婚してバトラー夫人となる。


〇カーナ・ドーリッシュ

 石田男爵家の家臣でアナリーゼにとっては陪臣にあたる。ずっとアガレス家の国門を死守していたお陰で内乱中、アガレス領内に戦火が及ぶことを防いだという功績をあげる。

 だが実際に武勲を遺したわけではないので、後世に高評価ばかりが伝わり実際の具体的功績が残らなかった悲運の人。そのため後世のこの時代を扱う物語では、なんのエピソードがない故にどんなキャラにしても問題ない便利キャラとして扱われることに。


〇ルクレツィア・ヴァンダール

 公爵家に対する謀反の首謀者。連載版と書籍版で運命が変わる。



【ウァレフォル家】


〇ヴェロニカ・ウァレフォル

 天下分け目の戦いで敗れるも、かなり余裕があった段階でアガレスへの臣従を決めたため爵位を侯爵に落とされるだけで全領土の安堵を認めさせた、アガレス朝最大の外様貴族。

 アガレス王家の監視者であると自らを定義して、常にアガレス王家の油断ならない味方であり続けた。

 もしもの時は自分たちこそが王家にとって代わるべしという意味を込めて「王家が道を誤ったらぶっ殺してでも止める」という遺訓を遺す。なおこの遺訓は時代が下るにつれて、王家が誤った時はぶっ殺す覚悟で諫言するという意味合いに変化していくことになる。


〇バジル・フェニックス

 ヴェロニカと結婚し双子が生まれたので、これ幸いと長男をウァレフォル家の次期当主に、弟をフェニックス家の次期当主に据える。


〇ウルリッヒ・シェパード

 ウァレフォル家に仕える参謀。アガレス王家から出仕の誘いがあるが断固拒否する。


〇アウグステ・リヒテンシュタイン

 ウァレフォル家に仕える女将軍。権力闘争に負けてウァレフォルへ亡命した。

 有能な騎将。ヴェロニカの勧めもあり、アガレス王家に出仕して対アスモデウス王国との戦いで多大な武勲をあげる。


〇ハインツ・ロンメル

 ウァレフォル家の総司令官。アガレス王家から出仕の誘いがあるが断固拒否する。



【バエル王政府】


〇オリヴァント四世

 バエル王国の事実上最後の国王。

 歴史書にはバエル王国史上最低最悪の暴君として記される。あまりにも酷い記録の数々に誇張されて書かれている疑惑もあったが、同時代の人間の手記を調べたらどうも全て事実らしいと判明し震撼させた。


〇ガルヴァリス・バエル

 バエル王国の前国王。武王と渾名された君主。

 富国強兵に努めて、これまでアスモデウス王国相手に侵略され放題だったバエル王国軍を改革。

 逆に大攻勢に出て、アスモデウスを大いに破って一時は首都まで迫るも、陣中で没する。


〇ピエール・リッシュモン

 バエル王国前宰相。前国王時代の和平派の一人。本人なりに国のためを思って戦争継続派の追い落としとイスマイル・エリゴスの自爆強要を行ったのだが、権力を手中にする前に事故死してドラコリスに全て乗っ取られたことで、後世に佞臣として名が残ってしまった悲劇の男。


〇ドラコリス・ザ・ドゥル

 宮廷傀儡師の渾名をもつ宰相。だが実際にはオリヴァント四世の滅茶苦茶な悪政を国家が破綻しないギリギリでどうにか留めている苦労人。しかしこういうことになったのは全て前宰相リッシュモンが事故死したのを好機と見て、権力を奪取しにいったからなので自業自得である。


〇ヴィクトリス・バエル

 バエル朝バエル王国の最後の国王である第49代国王……ということに大本営発表ではなっている。アガレス朝の公式見解でもそうなっているのだが、アガレス朝の歴史家からも「まー、彼が国王に即位した事実はないよね」というのが共通見解となっている。


〇ルパート・バエル

 バエル王国第二王子にして王太子。卒業式にて成長の兆しを見せたが、そんなことが史書に残るはずもなくただの盆暗扱い。


〇ユージーン・バエル

 アガレス朝が第49代国王として祭り上げたヴィクトリスの死因になったことから、史書にはボロクソに書かれているが、こちらは悪行の半分は後世において捏造されたものであることが判明している。


〇エミリー・バエル

 バエル王家唯一の生き残りだったが、後にある貴族家に嫁入りさせられたことでバエル王家は断絶となった。


〇テレーゼ

 年齢不詳のヴィクトリスの専属メイド。

 ヴィクトリスに散々苦労をさせられているが、忠誠心は極めて高い。


〇マルグリット・ハルファス

 ヴィクトリスの婚約者で王妃として伝わる。アナリーゼは彼女の生み出した漫画をたいそう好み、漫画文化を世界中に広めた。

 ヴィクトリスとの悲劇的エピソードは多くの劇作家に好まれた一方、彼女自身も漫画の母として名声を集めている。


〇ハルファス夫人

 マルグリットの母である女伯爵。

 アガレスの大本営発表で娘が王妃ということになったことから後に爵位が公爵となる。だが子孫がやらかして一度はお家取り潰しとなるが、子孫のそのまた子孫が功績をあげて伯爵家として復帰することに成功する。


〇マーガレット・ハルファス

 マルグリットの姉、つまりヴィクトリスの義姉。

 ロート・ハレーと結婚する。



【ベリアル王国】


〇ディアーヌ・ベリアル

 ベリアル王国女王。魔法の才能による等級制度が敷かれていたベリアル王国の魔法至上主義を破壊して、学術都市国家として生まれ変わらせた中興の祖。


〇サイモン・ベリアル

 ベリアル王国前国王。名君であると伝えられる。


〇エレノア

 ディアーヌに仕える近衛騎士。

 優秀な魔法使いでもある。


〇レイヴェン・ベリアル

 妾腹だが魔法の才能に溢れたベリアル王国の天才王子。モデルは織田信勝。

 かなりの美男子。


〇クラリッサ・モンテール

 ベリアル王国の女将軍。レイヴェン側の内通者だったが、あっさり寝返る。

 義理は低いが能力は高い。


〇バルザード

 フォーマルハウト魔法学園の教授。

 政治には無関心で距離を置いて、魔法の研究が第一の人物。

 ディアーヌが魔法至上主義を破壊する改革を始めても、まったく気にせず魔法の研究だけをしていた。なおその無頓着さのせいで子孫に魔法主義思想が継承されてしまうことになる。


〇アンジェリーナ・ベリアル

 ディアーヌの生母。優秀な魔法使いである自分から生まれた、魔力ゼロのディアーヌを憎んでいた。

 ディアーヌを虐げようとするが夫であるサイモン王から厳しく窘められ、次の子を作ることも魔法の才能を持つ子供が欲しくないサイモン王に拒絶されたことで精神を著しく衰弱させ死亡する。


〇イザドラ ・ベリアル

 レイヴェンの生母。元は魔力の才能に乏しいメイドだったがサイモンの後妻に収まる。

 産んだレイヴェンが魔法の才能に溢れていたことで、生かしておいたら邪魔になるとサイモン王に判断され暗殺される。



【アスモデウス王国】


〇アイザック・アスモデウス

 ジゼルの父親である現アスモデウス王国国王。

 治世の名君なのだがジゼルに嫌がらせのように捏造暴君エピソードを追加されまくったことで後世の評価が酷いことになる。


〇ジゼル・アスモデウス

 アスモデウス王国女王。強力な指導力を発揮してアスモデウス王国を中央集権国家に改造した中興の祖。とんでもなく好き嫌いが激しい人物であったと知られている。


〇オルランド・マルコシアス

 金剛総身の超魔法を継承する現マルコシアス家当主。

 アスモデウス王国とバエル王国との戦いで何度も矛を交えることになったオリヴィア・バルバトスとの敵味方を超えた友情エピソードで知られる。


〇エマ・ベリアル

 アスモデウス王国第一王女、故人。モデルは曹昂。


〇フェアファクス

 ジゼルに仕える将軍。クロムウェルとは友人関係。


〇ベルナデッタ

 ジゼルに仕えるメイド。主に従順な性格。


〇ボルテック

 ジゼルの家臣。人当たりの良い性格から主に使者として派遣されることが多い。


〇ブルース・ウィンターボーン

 ジゼルに仕える騎士。



【シリウス王立学園】


〇ミラベル・ラフム

 アナリーゼの学生時代の友人とだけ伝わる。


〇ナディア・エリゴス

 カシムの死んだ妹で、アナリーゼにも後輩として愛されていたと歴史に残る。アナリーゼの革命軍の異様な憎悪の一つに、彼女の死があるというものも多い。


〇メリル

 授業当日に逮捕された淫行教師。


〇ロウィーナ

 シリウス王立学園の最年少教師。年齢はアナリーゼたちと同い年。

 動乱が始まってすぐアナリーゼのところに面会に訪れたという記述を最後に歴史に登場しなくなる。


〇ケイ・バレンタイン

 シリウス王立学園の歴史教師。

 実は革命軍のメンバーだったと言われている。


〇ギデオン・ストーム

 メリルの代わりに赴任してきた魔法薬の教師。

 物凄い厳つい顔をしているが心優しい。内乱後は副校長になる。


〇セシル・アルカディア

 男の娘。

 ウァレフォル家に家臣として仕える。


〇マリア・ロノウェ

 バレンタインと一緒に疑われたモブ生徒。



【イジドール自由連邦】


〇ヴォーティガン・リドル

 革命軍というテロリストを率いた稀代の大悪党としてボロクソに評価される。

 他の革命軍幹部と違い、生かしておくリスクが高すぎたことから監獄島送りにならず処刑され、死体は海に撒かれたという。


〇アルガ・マリーナ・ナベリウス

 監獄島送りとなる。

 


〇リュシエル・ウィンドラス

 監獄島送りとなる。


〇カール・ミストラル

 監獄島送りとなる。


〇ニンファ・クラレンス

 監獄島送りになることはなく、最後の決戦前に行方を晦ます。

 後年、ある秘密警察の隊員が偶然に彼女を発見して逮捕するが「偽物を捕まえるとは何事か」とアナリーゼの怒りを買い即刻処刑され”逮捕された別人”には多額の見舞金が支払われたという。


〇ヴェルモント・フルカス

 元革命軍だがヴェロニカの取り成しもあり、罪を許される。

 辺境伯への復帰は流石に叶わなかったが、北方との戦いで参謀として参加し武勲をあげる。


〇カイラス・ドレクセル

 監獄島送りにならず戦死する。


〇エカテリーナ・グラズノフ

 監獄島送りとなる。


〇ダリア

 自由に身を処した、と記述された以降の消息不明。



【バエル共和国】


〇トーマス・ディーン

 降伏後、アガレス朝バエル王国の軍属となる。


〇カリス・ダスクフェザー

 降伏後、アガレス朝バエル王国の軍属となる。


〇レオン・ジュスト

 革命軍のスパイとして処刑されたと伝わる。


〇リュミナ・ローウェン

 降伏後、アガレス朝バエル王国の軍属となる。

 更にそこで多大な武勲をあげ続け、アガレス十三名臣の一人に数えられるようになる。


〇ローワン・キャンドルウィック

 降伏後、アガレス朝バエル王国の軍属にはならず、引退して旧王都シリウスにてパン屋を再開する。


〇シーリン・ハーフィズ

 カシムの妻。え? 妹? なんのことやら?


〇アヴェリウス・ヴィジンティリオン

 降伏後、地下へ潜り革命軍残党と共に抵抗活動を続ける。

 秘密警察に追い詰められると、一人で801人を薙ぎ倒した後、ケツん中に入れていた火薬に火をつけ自爆。



【東部四大諸侯】


〇エドムンド・サブナック

 父が情けない形で降伏したことで失った名誉を取り戻すべく奮闘し活躍。

 アガレス十三名臣の一人に数えられるように。


〇ジョージ・サブナック

 サブナック家の名誉を失わせたということで低い評価。


〇オリヴィア・バルバトス

 守勢の名将として三成、クロムウェルと共に太祖三傑の一人に数えられる。

 内乱後はバエル王国最高司令官に就任する。


〇マリオ・ブエル

 マンマミーア!


〇エリザベート・アンドラス

 ユージーンに最後まで忠義を貫いた忠臣として高い評価を得ている。なお特に三成がよく彼女を称えるせいで、オリヴィアとの関係が悪くなっている。



【その他】


〇マクシミリアン・イジドール

 本名はフランソワ・ロベスピエール。

 革命論の著者で故人。元はシリウス王立学園の歴史教師。


〇徳川家康

 ラスボス。三成のことが好き。


〇ジュリアス・バエル

 魔人化を発動させ、不死の怪物1000体を一人で屠ったバエル王国の伝説的王子。


〇創世神ソロモン

 創世神話に登場する神。


〇バルドゥス・グランドール

 本来ならこのような人物は碌な末路を迎えないはずが、運よくラウラにガチ惚れしてアナリーゼに気に入られた結果、家名と領地の安堵に成功したラッキーボーイ。


〇トリスタン・ノワール

 グランドールの参謀だったが、主人のやらかしの罪を免責するためにアナリーゼの直臣になるが、それでも第一の忠誠を誓うのはグランドールであると公言し、それをアナリーゼに許されていた男。

 なお軍事においては天才的だが、文官の才覚はなかったと評される。



【アガレス朝三傑】

石田三成

ハインリヒ・クロムウェル

オリヴィア・バルバトス



【アガレス朝十三名臣】

序列一位:ヘンリー・バトラー

序列二位:ノア

序列三位:ロート・ハレー

序列四位:エドムンド・サブナック

序列五位:ラウラ・フォルティス

序列六位:???

序列七位:アスール・ジャン

序列八位:アウグステ・リヒテンシュタイン

序列九位:トリスタン・ノワール

序列十位:???

序列十一位:リュミナ・ローウェン

序列十二位:???

序列十三位:カーナ・ドーリッシュ



【初代九大臣】

司法卿:???

宮内卿:ヘンリー・バトラー

財務卿:???

軍務卿:ハインリヒ・クロムウェル

内務卿:ロート・ハレー

外務卿:???

農務卿:ラウラ・フォルティス

商務卿:???

総務卿:???






〇カシム・エリゴス

 バエル共和国の初代にして最後の護国卿。内乱の趨勢が決まると、アナリーゼに降伏する。その際、エリゴス家のお家断絶となにがあろうとエリゴス家の再興を認めないという裁きを受けた。

 その後、家の宿痾から解放されたカシムは冒険家に転身。数々の冒険を行い、多くの冒険記を世に残す。

 中でも最大の冒険として伝わるのは、新大陸の発見である。

 ある学者が船が沖へ遠ざかる際、船体から順に隠れていき、最後に帆が沈むように消えることから、この世界は丸いという仮説を提唱すると「ならば西方向からも東方の帝国へ辿り着けるはずだ」と言って、その学者を船に乗せると、東方の帝国を目指してソロモン大陸を出発した。

 だが辿り着いたその地は東方の帝国ではなく――――



「ここが、東方の帝国、ですか?」


 クルーの一人が恐る恐る言うと、カシムは首を横に振った。

 ソロモン大陸を出発して二か月余り。巨大な大陸を発見してクルーたちは「本当に西側から東方の帝国に辿り着いたんだ!」と驚喜したのだが、いざ上陸してみると、そこに広がっていたのは手つかずの大自然だった。

 こんな上陸にうってつけの岸に、東方の帝国が港を作っていないはずがない。

 だとすればここは東方の帝国ではない、未知の巨大な新大陸ということになる。


「キャプテン、東方に辿り着けなかったのは残念ですけど、これはこれで凄い大発見ですよ! ここは正にフロンティアだ!」


「ああ、そうだ……ん?」


 気配を感じてカシムが構えると、木陰から小動物が現れる。カシムは「なんだ動物か」と警戒を解きかけて、その小動物を見て仰天した。


「きゃ、キャプテン! こいつなんなんですか? この蛇……頭が複数ありますぜ!」


 複数の頭からちろちろと舌を出す蛇に仰天しながらクルーが言う。


「見れば分かる! 教授、これは一体なんなんですか?」


「――――ヒュドラだ」


「ヒュドラ? それは確か秘密警察の名前では?」


「その名前の元ネタとなった『伝説上の魔物』の名前だ」


「伝説上!? ですが、現実にいるではありませんか!」


「……そう、私も驚いている……伝説や御伽噺で伝えられる魔物が、実在していたとは……だとすれば伝説を残した者はこの大陸を知って……それともソロモン大陸にも嘗てはこういった魔物が実在していたのか……」


 ぶつぶつと呟きながら教授が思考の海へと沈んでいく。こうなると教授は引っぱたいても現実に戻ってこない。

 どうしたものかとカシムが顎に手をやり考えると、天を割るような轟音が響き渡った。


「GYAOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO!!」


 地面を揺らすそれが、生き物の発した鳴き声であると数瞬遅れて気づく。

 現れたのは赤い鱗をした翼を持つ巨大なトカゲ――――今度はカシムにも分かった。これはドラゴンだ。


開拓地(フロンティア)じゃない……ここはファンタジアだ」


 それが後に始まりの冒険者と呼ばれ、新大陸の冒険者達から尊敬を集めるカシムの、ドラゴンを目の当たりにした第一声であったと伝えられている。

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― 新着の感想 ―
逮捕して処刑された秘密警察カワイソス
前話で完結だと思ったらこっちで完結じゃないですか騙されたので三成さんのファン止めます!これからはアナリーゼのファンを名乗りますw!あとココネタ多過ぎw 冗談はともかく完結おめでとうございます。次回作も…
完結乙でした 「たいこうでんか」って呼ばれるのを石田三成が受け入れるわけないですな そういやエリザベートって三成の「思想的好み」にピンポイントなのか
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