第1話 トラブルは突然に?!
登場人物紹介
フレア 魔法使い
ミント 魔法道具屋、フレアの友達
マール 騎士、フレアの友達
スー フレアの師匠
ネル 魔法使い
*登場する名称等は全てフィクションです。
とある地方のとある村。
ここでは今も魔法を使う人々が生活している。
村人は魔法を生活に生かし、平和に暮らしていた。
「フレア、今日も森に行くの?」
「何かあそこにいると落ち着くんだよね。」
「アンタ、この間なんか1日いたしね。」
村に住むフレアとミント、マールの3人はいつもつるんで森へ行っていた。
「ミントちゃん、また新しい道具あるの?」
「まあ、今朝入手したモノあるけど...。」
「おいおい、フレアに渡すとどうなるか知らんぞ。」
「マールちゃん酷いよ…、そりゃ新米魔法使いとか言われてるけどさ。」
「これならフレアでも扱えるよ。新作の探知魔法グッズだからさ。」
「それ使ったらお宝とか見つかるかな?」
「案外ヤバいモノだったりしてな…。」
こうして何気ない日常は過ぎていくのだった。
「師匠、スー師匠!」
「なんだい、朝っぱらから騒がしいねぇ。」
魔法使いスーはフレアの魔法の先生である。魔法の腕は凄いが、何故かこの村でのんびり暮らしている。
「師匠、今日も魔法の指導お願いします。」
「アンタ、筋はいいけどのんびりし過ぎるのがちょっとねぇ…。」
「じゃあ、どうすればいいですかね。」
「いいかい、魔法ってのは時には俊敏に行うことも必要なのさ。そのうち分かる時が来るさ。」
「よく分かりませんが、何か分かりました。」
「じゃあ、トレーニングでもするかい。」
こうしてフレアの魔法は上達して行くのであった。
そんな平和が続くと思われたある日。
「あっ、森が燃えてる!」
「山火事何て今まで無かったのに…。」
「とにかく火を消さないと。」
3人が森に着いた時だった。
森に向かい炎を放つ人がいる。
「何してんの!」
「ほう、近所の魔法使いかい。」
「アナタ何者なの。」
「私はネル。お前と同じ魔法使いさ。だがな、お前のような甘ちゃんとは違うのだよ。」
「アンタ、ネルとか言ったね。何で森に火を放ったんだい。」
「お前達はこの森のことを知らないのかい。」
「いつも遊んでのんびりする所でしょ!」
「まあ、知らないのなら用は無い。さっさと帰るんだな。」
「そう言う訳にはいかないんだよね。」
「ならどうするつもりだい。」
「火を消してアンタを止めるまで!」
マールが剣を構える。ミントは道具袋から何か取り出した。
マールがネルに切りかかるが、魔法の盾で当たらない。一方ミントは消火剤を森にまいてる。
「私だって何かしなきゃね。」
フレアは魔法詠唱で森に向かって水を巻く。
フレアとミントの協力で火は鎮火して来た。
マールはネルに攻撃してるが、効いてない。
「多少は出来るようだね。だが、お前のような魔法使いを放置する訳にはいかないね。」
ネルがフレアに向かって魔法を放つ。
ネルの攻撃魔法は強力だ。フレアがやられると思った時!
「師匠!」
フレアの前にスーが立ちはだかる。
「フレア、いつも言ってるだろ…、素早くだ…と...。」
「ちっ、邪魔が入ったか。まあいい。いずれ会う時もあるだろう。それまでせいぜい修行するんだな。」
そう言い残しネルは去って行った。
「師匠、スー師匠!」
「フレア、この先に洞穴がある。ヤツの狙いはその中の物。お前ならいずれ使うことが出来る…。アタシはもう…教えられそうにない…。3賢者を探すんだ…、後は…頼んだよ…。」
魔法使いスーは息を引き取った。
「師匠…、私どうすれば…。」
「スー師範の言う洞穴を探しましょう。」
「フレア、行くよ。」
森の奥に進むと洞穴がある。普段は木が生い茂っている為分からなかった。
「ここの木をネルは燃やそうとしたんだね。」
「この中に何があるんだろ。」
「入りましょう。」
洞穴を進むと箱が置いてある。
「この箱かな?」
ミントが箱を調べる。
「この中には魔道具があるようですが、封印魔法で開けることが出来ないみたいですね。」
「スー師範が言ってた3賢者とやらが開けられるんじゃないか。」
「この箱がネルの狙いなら、持っていれば向こうから来るかな。」
「ヤツの魔法力は強力だよ。今のアタシらじゃ太刀打ち出来ないね。」
「まずは3賢者を探しましょう。その間修業をして強くならなきゃですね。」
村では魔法使いスーの弔いがされた。
長老が話があると呼び出された。
「フレアよ、スーは残念じゃった。」
「私が弱いばっかりに、師匠が…。」
「スーがこの村に来た時、あの洞穴に強力な魔道具を封印したのじゃ。そして、いずれそれを狙う魔法使いが来ることを予期し、弟子を育てようとした。」
「スー師範の魔道具とは何ですか?」
「ミントよ、お前が持っていればいずれ分かるじゃろ。封印が解けたらフレアに渡すのじゃ。」
「あのネルってヤツは何者だい。」
「さあ、ワシには分からんが3賢者なら知っておるかもしれんな。マールよ、フレアとミントを守り3賢者に会うのじゃ。」
フレア・ミント・マールの3人はスーの墓前で手を合わせる。
「師匠、私必ずネルの野望を阻止します。」
「スー師範の守ろうとした魔道具、私が解明します。」
「スー師範、アタしゃもっと強くなって皆を守れるように頑張るよ。」
3人の旅が今始まる。3賢者はどこに、ネルは何を企むのか。
第2話 予告
都にいる3賢者。魔道具の秘密は分かるのか?ネルの狙いは何か!
次回 「3人の賢者」
いよいよフレアの旅の始まりです。
スー師匠が残した謎とは?
次回またお会いしましょう。