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峠を越えた世界  作者: Making Connection


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9/20

第九駆

五月も終わりが近づき、曇り空も増えてきた。

気分的にもどんよりとするし、じめじめしてきたような気もする。蒸し暑い感じもする。

私はこの時期が一番嫌いだ。

雨が多いからとか蒸し暑いからとかそんな子供でも考えそうな理由ではない。

人の気分が落ち込む時期である事が多いからだ。

四月に新しい環境になる人が多く、最初のうちはみんながみんな探り探りで生活しているので摩擦が生じにくい。だが、1ヶ月・2ヶ月と過ぎると環境に適応した中で人となりが見えてきたりするとグループ化ができ始め、人同士の摩擦が生じていく。

つまり、人間関係の問題が起き始めるのがこの時期という事だ。人の悩みの8割が人間関係のものだと言われる現代で仕方ないでは片付かない問題は存在する。

マウントと呼ばれる自己優越感やいじめ問題、パワハラやカスハラなども人が関わらなければいけない社会において発生するのは仕方のない事だ。

こんな憂鬱な季節を雨が洗い流してくれると考えれば雨もそんなに憎らしいものではない。

ただ、屋外での活動が必要になる少年にとっては難しい時期だろう。

室内練習ができる場所はお金がかかるから、寺の中で筋トレしたりする事しかない。だが、やはり継続的な運動の持久力は少しでも休むと落ちてしまうらしい。

楽器の演奏者の人達が練習を三日サボれば自分でわかり、一週間サボるとお客さんにばれると言われている。

つまり、継続が力でありパフォーマンスを維持するためには練習し続けなければいけない。

本番が雨の可能性も考えて雨の中で自転車をこぐ練習もしておかなければいけないが、自転車が錆びたり壊れたりしたら大会に出る以前の話になる。

そのため、整備とかの勉強もしておいた方が良さそうだ。自分が出るわけでもないのに一生懸命になっている姿を馬鹿にする人もいる。

誰かが一生懸命になっている事をできないと決めつけて馬鹿にする人が最近多い。私は聞きたいと思う、

『あなたには一生懸命になれる事がないのですか?』と。

誰かを馬鹿にした言葉が自分に帰ってくる。それはどんな言葉でも同じで誰かを褒めた言葉も貶した言葉もその人の元に戻ってくる。 

おそらく人間は潜在的な部分で『この人はこういう言葉を使っているから、この人にもその言葉を使っても大丈夫』だと判断しているのではないだろうか。

若者が高齢者に最近流行り始めた若者言葉を使わないように、訛りの強い地方の方言を東京の取引先の人に使わないように人は使う言葉に気を遣う。

でも、高齢者から若者言葉がでたら『この人は理解できる人』となり若者も同じようにこの言葉を使い、取引先の人が同郷だとわかり打ち解けたら方言も使えるようになるだろう。

言葉はその人を映す鏡だと思い、普段から使い方には気を付けたいものだと、どんよりと今にも落ちてきそうなうす黒い雲を眺めながら私は思った。

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