第二十五駆
「少年、そろそろ最初の休憩所予想地の休暇村だけど休憩するかい?」
走りはじめてからまだ40分くらいだが、一つ目の休憩所が近づいてきたので私は少年に連絡した。
少年のスピードとしては平均時速20㎞よりも速いペースで走れている。橋があったり多少の起伏があるがほぼ平坦な道の多い区画なので進みやすかった。
道自体もあまり曲がらずに直線になっているのでペースの取り方も速めで良さそうという話はしていたのでおおむね予定どおり進んでいるはずだ。
朝とはいえ、もうほとんど夏なので気温が高くなってきていたので熱中症に気を配りながらの走行となっている。確実に言えるのは電動自転車を使ってなかったら少年に付いていくことすらできなかったという事だ。
『今のところ大丈夫です。良い感じに勢いもついてますし、水分補給もまだ大丈夫です。住職が必要そうなら休憩しますよ?』
なるほど。若いって良いなとか老人くさい事を思ってしまう。少し考えて
「いや、少年の勢いを止めてまで私に合わせる必要はないよ。だけど確かに私に気を遣わせる状況は良くないね。私は休暇村で田中さんに拾って貰うよ。
きつくなったらすぐに言うんだよ。」
『わかりました。』
少年が少しペースを上げた。やはり私の存在が少し足枷になっていたのかなと思った。
まぁ、そこにこだわっても仕方ないので少年の背中を見送った。少年が休憩村を通りすぎた所で私は駐車場で待ってくれている田中さんと合流した。
「お疲れ様。どう体調は?」
「体調は大丈夫なんですけど、やっぱり少年についてくのは難しいですね。普段からついていけないのよくありましたけど今日はより一層気合いが入ってる感じはしますね。本番想定の走り方をするなら私に気を回すのも邪魔になりますからね。」
「次の区画もさざなみ街道を行く感じですけど、湖岸が曲がりくねってるとこもあるので体力遣いそうですね。
何より大津の方が街中で先導とか道案内が必要になるから住職も体力を残しとかないとだしね。」
「そうですね。」
自転車を積み込んで、車を出して先を走っている少年を追いかけた。気温も20℃後半に入りかけてきた。
しっかりと少年の体調にも気を付けていこうと私は思った。




