日常の変化 7
ゴルディ先生は2本のうち1本を私に渡した。
意外に重いね。
持てないことも無いけど⋯これ長時間持つのはキツイかも⋯。
アイリスは邪魔にならない様に隅に移動していて私とゴルディ先生の2人だけになる。
「さっきも言ったが剣の腕の確認をする。
俺の一撃を防いでくれ。」
「え、ま、待って下さい!
私剣とか初めてですよ!?」
「ガハハハッ大丈夫だ!
剣は刃先を潰してある、お前は剣をしっかり持って動かなければいい!
安心しろ勇者ギフトの確認もあるからな!」
えぇ!?いやいやいや!
む、無理無理!
安心しろ!?
吹っ飛ばされちゃうよ!?
ゴルディ先生!?
腕とか回してるけど!私初めてよ!?
聞いてます!?
ゴルディ先生は、よーし構えろ。とか言って先生は構える。
や、やるしかねぇ。
私はゴクリと唾を飲み込み深い深呼吸をする。ギュッと剣を握りしめゴルディ先生を見る。
先生は意外そうな表情をしてニヤリと悪人面になる。いや、怖いって。
「⋯心の準備は出来たな。行くぞ。」
先生も構え少しの間の後にブンッと音がした。
私は目を閉じまい、剣を離してはならない!と言い聞かせた。
キィーンと剣と剣がぶつかり合う音が響いた。
音の後にすぐ手の痺れが来て震えてしまった。
「っ⋯」
「ほぉ?
結構力を入れたんだかな⋯防げたか。」
ゴルディ先生⋯怖かった⋯。
てか私防いだ⋯?
え?これ、すごいの?
うる目になりながらゴルディ先生を見るが予想とは全然違う答えが返ってきた。
「よし、もう1発行くぞ。しっかり構えてろ。」
「え!?まだやるの!?
ちょ、待っ⋯!!」
私の静止も聞かずまた剣が振り上げられ急いで握り直したがブンッと音と共に私の持っていた剣は吹き飛ばされた。
「あっ!」
剣が地面に叩きつける音と一瞬の静けさ。
静寂を破ったのはガハハハッとまた豪快に笑ったゴルディだ。
「女の身でよくやった!騎士団以上魔王軍以下だ!」
「⋯へ?」
こちらに近付きガシガシと頭を撫でられた。
あわわ、髪がボサボサになる!
「あ、ありがとうございます?」
「うむ、剣術の腕は全然ないがこれから学べばいい。」
「は、はい。
あの勇者ギフトの確認は?」
ふむ。と少し考える仕草をしてから話し始める。
「そうさなぁ、歴代の勇者に比べると微々たるものなのかもしれぬな。」
「え⋯」
「だかな、努力次第で化けるかもな。」
落ち込んでいる暇もなくまずは基本の体力作りからだ!と休憩も無しに走らされるとこになった。
こうして午後はひたすら体力作りとして走らされ剣の持ち方、打ち込み方などを日が暮れるまでやらされた。
部屋に戻ってきた時はもうクタクタですよ。
重い体を引きずりお風呂を先に済ませ夕ご飯を食べたけども、もう無理。
軽く食べてアイリスにもう横にならせてぇーと言いながらベットに潜り込んだ。
アイリスが何か言ってたけどごめん。
聞こえない。疲れた、おやすみ。