日常の変化 2
さっきの場所は地下にあったようで扉を出て直ぐに階段あった。
彼は、私が着いて来ているのを確認し声をかける。
「こちらの世界にきて困惑してるだろう?いきなりですまないな。
おっと、自己紹介がまだだったな。
私は、セルジュ・サイファ。
この国、カルヴァーネ国の第一王子だ。
君は?」
彼、セルジュは私の身を案じてる様な雰囲気を出して少し安心する。
「私は、朝比奈 雫です。雫が名前です。
あ、あの、召喚って⋯⋯?
私元の世界に帰れないのですか?」
安堵のあまり矢継ぎ早に質問をしてしまった。
セルジュは嫌がらずに、ふむ⋯と考える仕草をして階段を見る。
「少し話が長くなりそうだ。
雫、と言ったか?
すまないが時間が無いのでな、階段を登りながら話そうか。」
セルジュは雫を気遣いつつも階段に誘導した。
彼が言うにはこの世界は私がいた世界と異なり人間以外の種族もいる。
もちろん魔法もある。
近年、魔王軍が力を伸ばし人間は屈服せざる負えない状況になりつつあるらしい。
そこで勇者召喚の儀が行われ私が呼ばれたらしい。
その魔王を倒したら元の世界に帰れるのかと思ったがそれも出来ないみたい。
その話を聞き終え不安そうにしているとセルジュが振り返り話し出す。
「雫、安心したまえ。
我々は、君を国賓として扱うしこの王城に住めばいい。
そうすれば生活に困る事はないだろう。」
優しい笑みを見せ最後の1段で仰々しく手を伸ばす。
その手を受け取り私も最後の1段を登ると地上に出た。
「⋯わかりました。
まだ不安は残るけど出来る限りの事をします。」
外は庭園で沢山の花々が咲いていた。
セルジュは頷き歩き出す。
「先程も言ったが時間が無い。
私は父上に勇者召喚の儀が成功した事を話さねばならぬ。」
私は頷き答えるとセルジュは庭園の方を向き少し大きな声で誰かいないか?と言うと近くで待機してたであろう騎士達が、は!ここに!と言いつつ来た。
「君、雫を賓客の部屋へ連れて行ってくれ。
それと侍女に彼女の支度を、陛下に謁見する。
君は、リナリア嬢を呼んで欲しい。
私の部屋で待っているよう伝えてくれ。」
騎士達は、はっ!と返事をしてそれぞれ動き出す。
「雫、この騎士に着いて行きなさい。
父上に後で会ってもらうよ。
迎えに来るから待っていて欲しい。」
笑顔がキラキラと眩しくきっと誰もが頬を染めて頷くだろう。
そういう私も少し赤くなった頬で頷く。
それを見届けセルジュはひらりと足軽に行ってしまった。
残った騎士が、ではご案内致します。と声を掛けてくれて騎士の後を追った。