それだけを続ける
いつも誰かを許している自分だけが
損をしていて優しいと思っていた
自分だけがいつも抱えて背負って
息すらできないと思っていた
おかしな話だ
生きているのだから呼吸しているのだ
生きているのだから許されているのだ
呼吸する場所は
誰かが与えてくれていたのに
傘を差してくれる人がいないと泣いていた
晴れた世界でひとりよがりに
自分に必要のないものを探していた
ひとりで生きてきたみたいな顔をして
その実いつも誰かがいてくれたのだ
誰かの優しさを受け取ってきたのに
私だけが痛いと思っていた
みんなそれぞれ痛みを抱えて呼吸しているのに
自分の傷だけを数えていた
これからは
誰かに差し出すための傘を持とう
受け取った花束を大事に抱えよう
闇に呑み込まれても
傷が痛んでも
息が苦しくなっても
自分じゃない誰かの傷に鈍感にならないように
誰かの背負いすぎた荷物に気付いて
駆けつけてあげられるように
歩け、歩くのだ