↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
47/99

47 誤認

「やかましい! って、何してんだお前」


 ラプタが顔を出すと、そこにはチッチョの体を取り押さえている翔の姿があった。


「成人男性が……児童を……。やっぱお前だけは殺しておくべきだったか」


 そんな様子を見たラプタは、一瞬で自分がしなければならないことを脳内で弾き出し、ゆっくりと翔の元に歩み寄ってくる。


「ま、待て待て待て! コイツが服を脱ごうとしたから止めてるんだよ! 仮にも女の子だろ! 成人男性の目の前で服を脱ぐ方がやばいって! 考えろ!」


 翔はそんなラプタから逃げるようにチッチョを放すと数メートル後ずさる。


「あっれ〜? 雑魚お兄ちゃんが僕のことを襲いたかったんじゃないのぉ?」

「完全に誤解を招く嘘を言うなって!」

「あぁ……はいはい。大体わかった」

「待て待て待て待て!」


 逃げようとする翔をラプタが追いかてくる……かと思ったのだが、ラプタはそのままチッチョの近くに行くとその後頭部を軽く叩いた。


「お前なぁ、また変な誤解を与えたまま解こうとしなかっただろ」

「いたた……だってぇ、雑魚お兄ちゃんが面白かったから……」


 何が何だかわからないまま固まっている翔に、ラプタがゆっくりと近寄ってくる。その手には首根っこを掴まれたチッチョがおり、無抵抗ではあるが自分の意思で移動することはなくずるずると引きずられていた。


「すまんな、このバカのせいで。こんな見た目でもな、コイツ男なんだよ」


 男なんだよ。

 翔の脳内は一瞬でその理解不能な言葉に埋め尽くされる。


「え、ええええぇぇぇぇぇッッッ!?!?」

「てへ、バレちゃった」

「はぁ……お前、初対面相手には説明しとけって毎回言ってんだろ? 変な趣味しやがってよ」

「ずっと僕って言ってんじゃんねえ? それに、リスの獣人ってずっと可愛いまんまなんだよ? こんな可愛い見た目なら、可愛いカッコするのが普通だもんね? ね〜雑魚お兄ちゃん?」

「その呼び方もやめろ!」


 もう一度後頭部を叩かれるチッチョ。そしてその様子を見ながらも、翔は言葉を一切発することができないまま固まっていた。


「あ、え……でも、声とか……」

「声変わりしないんだよ? 僕みたいな小さい種族って」

「……」


 ラプタとチッチョを交互に見ながら翔は回答をおもねるが、その困惑を後押しするようにラプタはこくりと頷くばかりだ。


「ま、まあそうか……」

「あ、じゃあ見る? オトコノコの証明。あ、でも雑魚お兄ちゃんの度胸じゃそんなこと無理かなぁ?」


 チッチョが今度はシャツではなく、ズボンの裾に手をかける。慌ててそれを翔が止めようとする前に、ラプタの手がチッチョの手首を掴んだ。


「いい加減にしろっつの」

「いったー! ラプタひど! 本当にするわけないじゃん!」


 三度目は無いとばかりにゴンと後頭部に拳を喰らったチッチョは、涙目になりながらラプタを叩いていた。


「ま、そんなわけだ。こんなナリだが年齢も俺と変わんねぇ。お前も変にほだされんなよ。コイツ、調子に乗るとすぐに変なこと言い出すからな」

「あっ! 年齢もバラしたなこのクソイタチ!」

「俺はアナグマだっつの!」

「マジで!?」

「お前もかよ! 俺はイタチじゃなくてアナグマ! 目の下に線が見えるだろ? ほら、ここ!」


 ラプタが指し示す場所には、確かにうっすらと毛皮の色が他よりも濃い部分がある。だが、元来の地球では存在し得ない体格の大きさから、それほどまでに動物に造詣が深くはない翔には何が違うのかわからなかった。

 翔の驚きに再度ラプタはツッコミ、これ以上漫才を続けるのも面倒だとばかりに帰っていった。


「雑魚お兄ちゃん、すっごい勘違いしてたね」

「誰が言わなかったからだよ……と、そんなこと言ってる場合じゃないか。チッチョ、これからどうするんだ?」

「えーっとねぇ」


 レンガの前に戻ってきた二人は、それから日が傾くまで黙々と作業を続けていた。

面白そうだと思ったりしたなら下のボタンから評価、感想、ブクマの一つでもしていただけるとありがたいです。

モチベーションにつながりますので、人助けと思って気軽にどうぞ。

疑問点、矛盾点、誤字脱字に関する報告だけでも構いません。

よろしくお願いいたします。


また、文章のお仕事を募集しています。

真面目な物、構成、推敲、添削、推しの二次創作など、もしよろしければ。

気になった方はTwitter(@sakasasakasama)のDMか、またはこのアカウントにメッセージを送っていただければ幸いです。


いくつか他にも作品を投稿しているので、もしよければ私のプロフィールページからそちらのチェックもよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。