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44 増えた

「いいですよ」

「いいの!? そんな簡単に!?」


 翔の家に全員集合した後、アーミアはいとも簡単にその首を縦に振った。あまりにも簡単に良いと言うものであったためか、そこにいる全員が驚くとも安堵するとも取れない微妙な表情を浮かべていた。


「というか、本当に人手が足りないんですよ! 農園に危害を加えることはできないようにムトさんが何とかしてくれるんですよね?」

「ん、まあそうだな。結界の維持と同時にやっておくくらいはできる」

「なら大歓迎です! ほんッッッとうに、二人でどうにかなる作業量じゃなかったんですから!」


 目の前には自分が眠っている間に家を燃やして、あわよくば殺そうとしていた者たちがいる。それなのにも関わらずアーミアは呑気に喜びの舞を披露していた。


「はは、何というか……アンタんとこの農園の主人さんは能天気だねぇ。私らの心配を返して欲しいくらいだよ。殺されるかと思っていたんだからねぇ」

「本当に、びっくりするほど能天気だよなぁ」


 先ほどまで喉元に爪を突きつけられて、殺す殺されるの立場だった翔とカルラの二人が会話する。そんな光景はまさしく和平そのものだった。


「が、だ。お前らはまだ私の手のひらの上で生かされることを忘れるなよ。次、農園に危害を加えようとしたら容赦なく私が殺す。いいな」

「あいあい、わかってるよ。私らもそのつもりでここまで来たんだからね」


 ムトの恫喝を躱しながら、カルラは手を軽く振る。


「じゃあ三人分の部屋を準備しないとですね! 来てください。どこが良いか決めちゃいましょ」


 アーミアは軽く手を叩くと、思いついたようにそう言って三人の腕を引っ張って異世界への扉の向こうに連れて行ってしまった。


「にしてもさ、マジでうちの社長がそんなことをするとは思えないんだよな」

「ああ、私も同感だ」


 一気に四人もいなくなり、少しだけ静かになった翔の部屋の中でムトが唸る。


「が、そこに関しては私もわからないことが多い。確認しなければならないこともいくつかあるからな」

「よろしく頼む。何ならまたモフってやってもいいよ」

「お前もあの三人と一緒に殺されたいか?」

「冗談だって。それよりも、俺は別のことでちょっと話があるんだけども」


 翔はベッドから降りると、ムトの正面に座った。


「アーミアが気に入ってる以上、多分これからも食事のために色々とこっちで何かを買うかもしれないわけだろ?」

「ん、まあそうだな」

「そのお金がさ、俺とアーミアと、あと時々のお前だけだったらまだ良いんだけど、あの三人も追加ってなると貯金に余裕がなくなると思うんだよ」


 もちろん翔の貯蓄は十分にある。だが、それはあくまでも一人暮らしの男性が、という前提だ。ある程度安く抑えたとしても、五、六人を想定してはいない。


「そんなことか。なら私も少しは出すぞ」

「マジかよさすが弁護士先生。頼りになる!」

「ただ、カメラとライト分の借金がチャラになった訳ではないからな。さっさと返せ。今すぐ、ほら、通帳を持て」

「う……バレてたか。まあでもそれは俺の買い物だしね。銀行行ってくる」


 翔は財布を手に取ると家を飛び出した。久しぶりの晴れた空とコンクリートでできた景色は無機質で、しかし翔はこちらもこちらで良いと感じながら走り出していた。

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