第8話 門前
ちょっと急ぎで書いたのでミスがあるかもです。誤字があれば報告お願いします。
「ありゃ、城の座標に飛んだはずなんだけどな。」
転移後の場所は城門から1キロほど離れた場所だった。
「王都には直接転移できないよ?転移系の魔法をはじく結界が貼ってあるから。固定魔法陣がある都市からなら転移は行えるけどね。」
普通に考えたらそうだよな。もし直接転移出来たら敵入り放題だもんな。
「しょうがないですし、歩きますか。フェンはどうする?実体化しておく余裕ありそう?」
「拓から結構魔力もらったからね。戦闘しなかったら3日くらい持つよ。」
「あー魔力譲渡してくれたんだ。ありがと。拓君のほうは?魔力残ってるの?あの炎の龍とか空間転移とかで消耗した後に譲渡したんでしょ?」
実のところ消耗はゼロに等しい。戦闘で使った魔法は【獄炎龍】以外魔導書から展開したものだし、そもそもかなりの量の魔力を持っているから問題にならないのだ。
「全然大丈夫ですよ。僕は。」
「へー拓君ちょっとステータス見せてよ。」
「いやです。断固拒否します。」
今見られるとなぁ…いろいろばれるとやばいことがあるから。
「なら…マナー違反だけど許してね。【鑑定】」
ちょっそれはまずい!すかさず僕はグリザルに教えてもらったステータスの隠蔽をする。
「レベル58?それに称号超越者って…どーやったらそんなことになるのよ。」
「それしか見えてないんですね?」
「見る前に隠蔽されたからね。」
「ボクは見たけどねー」
フェンめ。黙ってると思ったら…ステータス見られてたのか。
「言うなよ。」
「わかってるって。姫も。詮索しないの。後から必ず説明してくれるはずだから。」
「ほんと?」
「わかりました。必ず教えますから。」
「絶対よ。」
「わかりましたから。ほら進みますよ。」
そう言って歩き出した。歩き出してからも先輩は質問を続けてくる。
「ねぇ、拓君の持ってる神器って空間系?」
「え?なぜですか?」
「転移系の魔法を使いこなしてるし。なんとなく。」
「残念ながら違います。」
「そっかぁ。」
城門が近くなってくると人も多くなってくるのでローブのフードを被る。フェンは目立つからと小さな子狼の姿になって先輩の肩に乗っている。星咬もあんな感じになれるのかな。なんて考えてると先輩が不思議そうにこっちを見ながら問いかけてくる。
「なんでフード?」
「先輩、騎士団の団長なんでしょ?目立ちますよね?今いろいろ問題を起こすと中に入るのが遅れるので一応。」
「確かにそうね。わかった、なるべく話しかけないようにしておく。」
「はい、すいません。」
「気にしなくていーよ。じゃ、ついてきてね。」
「はい。」
しばらく進むと門番の人であろう甲冑姿の人が先輩のほうに駆け寄ってくる。
「雫様。王城より検閲なしで直接王城に来るようにということですので、こちらからお入りください。」
「わかった。ありがと。」
「雫様、後ろの方もご一緒に?」
「ええ。彼もよ。」
「あ、いえ。フードの方ではなくですね…」
そう言って後ろを指さすので僕たちは二人そろって振り向くと、手を振り、何かを叫びながらこっちへ走ってくる人影が見えた。
「…ん」
かすかに声が聞こえ始めた。
「…ちゃーん」
「この声…あーわかったわ。」
「誰ですか?」
「拓君も知ってる奴よ。」
僕も知ってる?誰だろう。
「姉ちゃん!」
「瑠衣、またアランの頼み?」
あ!瑠衣か!
「今回は指名依頼って形。王都近郊の村に大魔熊が出たみたいだからその討伐に。あ、お礼に肉くれたけど姉ちゃん食べる?」
「熊肉?料理長に渡しときなさい。」
「ほーい。でそっちの人は?」
「さっきのグリザルからの念話聞いてなかったの?」
「てことは…」
ここまで来たらいいか。
「僕だよ。」
そう言いながらフードを取った。
「拓にぃじゃん!久しぶり!」
「おう。久しぶり。」
そんな会話をしていると門番が申し訳なさそうに言葉を発した。
「あのー入るなら早く入ってもらってもよろしいでしょうか。私もうそろそろ持ち場に戻らないと...」
「「「すいません」」」
門番の人に見送られながら僕たちは門をくぐった。
次は俺カノのほうかな?少し忙しくなるので投稿遅くなるかもです。