木の精霊
☆ 主要キャラ紹介 ☆
リンネ……本編主人公。猪突猛進型のお嬢様。
ニルケ……魔法使い。リンネの家庭教師を任されている。
カード……黒い狼の魔獣。リンネのボディガードを自負。
ダルウィン……旅人。リンネが関わる件に自ら巻き込まれる。
タファーロ……海の精霊セスィールと魔法使いとのハーフ。
北に位置するラースでは、秋の訪れが早い。
ついこの間までは残暑という言葉が合っていたのに、夜が次第に冷え込むようになり、今では昼間でも屋内にいると寒さを感じるようになってきた。
こうなると、本格的な冬が来るのはそう遠くない。
そんな初秋のある日。
コンコンと控え目に、ドアがノックされる音が響いた。
「どうぞ」
部屋の主であるニルケが、読んでいた魔法書から顔を上げて返事をする。ゆっくりと扉が開き、黒髪の少女が入って来た。
「ニルケ、ちょっとお邪魔していい?」
いつも元気いっぱいのリンネが、珍しくおとなしい。いつもこうなら、お嬢様っぽいのだが……。
「いいですよ」
まるで娘が父親に何かをねだる時のような様子だ。でも、リンネがニルケに何かをねだったところで何も出ない。ねだる相手を間違っている。
となれば……魔法使いにお願いごと、だろう。
「どうかしましたか? リンネがぼくの部屋へ来るなんて珍しいですね」
「うん、あのね……ちょっと頼みたいことがあるの」
案の定、であった。
「頼み、ですか」
さて、何を言い出してくるのやら。
リンネが頼みごとをしてくる時、いつもこちらが思いもしないようなことを言い出す。
それがわかっているから、ニルケはリンネがどういうお願いを持って来たのかと警戒しつつ、どこか楽しみにもしていた。怖いもの見たさ、みたいなものだ。
「まぁ、どうぞ」
立ったままのリンネに、ニルケはソファを勧めた。リンネは勧められるままに座る。
「それで、どういう頼みなんですか?」
「あたしをオーゼルの街まで連れてってほしいの。お願い」
リンネは単刀直入に言う。回りくどいことは一切なし。
「見事に自分の希望を一言で言いますねぇ。リンネ、それだけで終わらないで、ちゃんと理由も付けてください」
「あ、そうよね。ごめんなさい」
リンネは座り直し、少し姿勢を正した。
「今回はね、旅行に行きたいとかじゃないの。まず、最初にそれを言っておくわね」
「わかってますよ。旅行なら、ぼくにではなく両親に話すことですから。時々、誰にも話さずに行ってしまう時もありますけれどね」
そして、追い掛けるのはいつもこの魔法使いの役目になる。
「滅多にしないじゃない」
「頻繁にあっては困りますよ。それで?」
「えーっと、この前のことからずっと考えていたんだけど」
「この前のこと?」
「ムルヴェードルにさらわれてから」
夏の終わり近く、リンネの両親の結婚記念パーティがあった。
その時、リンネは魔獣と人間のハーフであるというムルヴェードルにさらわれたのだ。色々あって大変だったのだが、そのことは両親には話していない。弟のラグアードと狼の魔獣のカード以外、知らないはずだ。
「それでね、この先あんなことがまた起こらない、とは言えないでしょ」
リンネがムルヴェードルにさらわれたのは、彼女が銀の実がなる木を持っていたからだ。
銀の実は、悪しき力を溶かす力があるのだが、その実がなる前に力を加えると別の作用を起こす実ができるのだという。
ムルヴェードルはそれを利用しようとしたのだ。
結局、リンネの強い想いで再び銀の実がなり、その力でムルヴェードルは野心を断たれた。まさか銀の実ができるとは思っていなかったのだが、そのおかげでリンネは助けられたのだ。
「確かに、邪な考えを持つ者程、こういうことについての情報は首尾よく手に入れますからね。……もしかして、リンネ」
「うん、あの木を元の場所へ戻そうと思ってるの」
それが、さっきリンネが言ったオーゼルの街だ。
「何かあった時、またあんなに都合よく銀の実ができてくれるとは限らないわ。どうしてあの時に実ができたのか、よくわからないけど」
「リンネの気持ちが通じたんですよ、あの木に。実を悪用されたくない、というリンネの気持ちと共鳴したんでしょう」
「そっか。あの木だって、いやなことはされたくないでしょうしね。だけど、あたしだって、どこまであの木を守ってあげられるかわからない。あの枝がここにあるから、あんな奴に狙われたりするのよ。だったら、元の場所へ戻してあげればいいんだわ。あそこなら、簡単に取れるような場所じゃないんだし、ここよりずっと安全だもの」
この木はリンネが苦労して手に入れた。しかし、人によっては、その目的によっては、単なる枝だけで銀の実が手に入らないこともあるらしい。つまり、よくないことを考えている者が手に入れることはない。
そんな貴重な木が何の囲いもないまま、今までエクサール家の庭の片隅に植えられていた。よくこれで狙われなかったものだ。ここにそんな木があることを知られなかっただけかも知れないが、あることがわかれば今後誰かがまた盗みに来ることもありえる。
だが、その実はリンネがいなければできないのだ。それがわかれば、リンネを脅したりするだろう。大切な人を盾にとって。
現に、ムルヴェードルはそうした。
再びあんなことが起こらないようにするには。リンネやリンネの周りにいる人達に害が及ばないようにするには。
元の場所へ戻してしまえばいいのだ。
「なるほど。あの木を取って来た時は、ぼくもまさかあんな事態が起こるとは思っていませんでしたから、植えておけば、と言いましたが……。そうもいかないようですね」
「だから、あの木があった場所へ連れてってほしいの。オーゼルの街って言ったけど、正確にはソイル島よね」
珍しく、ちゃんとした理由のあるお願いだった。突然オーゼルの街へ行きたい、と言い出した時は少し驚いたが、リンネがそう言うのはわかる。ニルケとしても、その意見には賛成だ。
「わかりました。じゃあ、家を空けることを両親に話しておかないと」
どういう理由にしろ、家を出ることになる。エクサール夫妻には事情を話しておくべきだろう。こういった正当な理由なら、反対されることもないはず。
「あ、それはちゃんと言ってあるわ」
「……もう?」
あの銀の実はラグアードを救ってくれたもので、両親にしても大切には違いない。さらわれた件は話していないが、特別な木だから元の場所へ戻したいというリンネの希望もすんなりと通ったのだ。
要するに、ニルケが最後の関門だった訳である。
それを聞いて、ちゃっかり者のリンネにニルケは思わず苦笑いした。
「つまり……すでに準備は万端、ということですね」
「いつでも行けるぜ」
ふいに扉が開き、カードが顔を出した。
☆☆☆
リンネ達はニルケの移動魔法で、ソイル島へ飛んだ。
ルエックの国から西へ二つの国を隔てた国パース。そこにあるオーゼルの街。その街の港から沖に見える島だ。
前に来た時、この島には数え切れない程の魔物がいた。この島に棲むジーブという名の巨人が魔除けの石を失ってしまったため、魔物が棲みついてしまったのだ。
巡り巡ってその魔除けの石をリンネが持っており、それをこの島へ来る時に持って来たおかげで魔物は消えた。
最初にこの島へ来た時に比べれば、今はずっと穏やかな雰囲気だ。
「ジーブは元気にしてるかしら」
「あいつが病気になるはずないよ」
その巨人は魔除けの石を失ってから魔物に身体をついばまれていたのだが、非常に高い治癒力をもっていたため、死ぬことすらできない状態になっていた。
そんな巨人が、一年を過ぎただけで弱っているなんて考えられない。
「まぁ、あいつの挨拶は後にしようぜ」
カードに促され、一旦砂浜に来ていたリンネ達は木のある場所へと向かう。以前は木を探し回ったが、今はその位置を知っているので早い。
木のある位置は変わっていなかった。こういう不思議な力のある実をつけるような木だから、もしかして同じ場所にはないかも知れない、などと思ったりもしていたが、余計な心配だったようだ。
底なし沼が広がり、その中央付近に岩でできた小さい山……と言おうか、島がある。その頂上に木が生え、その枝に銀色の実がなっていた。一年前に見たままだ。
「去年と同じね。変わってなくてよかったわ」
「ここから見る分には同じだな。ニルケ、今日はオレ達だってあそこまで行けるだろ?」
「木に拒否されなければ、行けるでしょう」
前の時は、ニルケがケガで魔法を使えない状態だった。ジーブが手伝ってくれたので、リンネだけがあの木のそばまで近付き、銀の実がついた枝を手に入れたのだ。
今回はニルケも魔法が使えるから、全員ですぐそこに見えている小さな島へも行ける。
ニルケが呪文を唱えると、次の瞬間にはリンネ達は木のそばにいた。
細い木の白っぽい樹皮は、リンネが持つ枝と同じ色だ。銀色の実が鈴のようになって、太陽の光にきらめく。
「ふぅん、力を持つ木にしては、細いんだな」
カードが木を見上げてつぶやく。
「うん。だから、折る時はかわいそうだなって思ったの。あ、そこよ。あたしのリボンが結んである所」
リンネが差す方に、リボンが結ばれていた。リンネが枝を折った所だ。リンネが結んだ時は鮮やかな赤だったのだが、風雨にさらされてすっかり色がなくなっている。
「目印みたいだな」
「そのままにしておくのがかわいそうな気がしたのよ。包帯のつもりで」
「リンネらしいですね」
リンネは自分が折った枝を持って、木に結ばれたリボンのそばまで近付いた。
「新しいリボンを持ってきたんだけど……これで接ぎ木しようと思っても、さすがに無理よね」
「接ぎ木ってリボンでできるもの?」
「どうでしょうね。でも、魔法は使わない方がいいでしょう。魔力のある木ですから」
「ぼくがやろう」
横から別の声がした。驚いて振り返ると、見たことのない少年が立っている。
短い白銀の髪に、ルビィのような赤い瞳。細身で色白で、リンネと変わらないような年格好だ。
「あなたは誰?」
突然に現れた。今までそんな気配はなかったし、普通の人間が簡単にここまで来るとも思えない。それに、こんな鮮やかな赤い瞳など見たことがないから、明らかに人間ではない存在だ。
しかし、悪い印象はなかった。だいたい、すぐそばに悪しき力を溶かす銀の実があるのだから、魔物ではないだろう。
「きみはリンネ、だろう?」
リンネの質問には答えず、少年はまずリンネの名前を言い当てた。
「それから、きみが魔法使いのニルケで、きみは狼のカード。合ってるよね?」
少年は次々と名前を口にする。
「あのラグアードって子と、ダルウィンって人は来ていないんだね」
「どうしてぇ。あたし達の名前だけじゃなく、ラグアードやダルウィンの名前まで知ってるなんて」
リンネが目を丸くして少年を見た。ここへ来た自分達の名前が当てられたのも驚くが、今日は来ていないダルウィンやラグアードの名前まで出たのにはもっと驚く。ラグアードにいたっては、この島へ来たことすらもないのに。
「みんな伝わって来るからね」
言いながら、少年はリンネの手から枝を取る。それがあまりにも自然な仕種だったので、リンネは当然のように枝を渡してしまっていた。でも、取られた、というような気にはならない。
少年はその枝を、色あせたリボンの結ばれた枝の所へ持って行く。リンネはまだ枝を土に差したままだったのだが、少年はその土を払い、元あった場所へ枝を近付けた。
色あせたリボンがするするとほどけ、風に消えていく。少年の手元を見ていると、近付けた枝がみるみるうちに大本の枝へとつながった。
やがて、少年の手が離れると、リンネが持って来た枝は接いだ跡など全くわからなくなる。前からそこにあったような形だ。
枝にはすぐに銀の実ができ、もうどこまでがリンネの持って来た枝なのか、はっきりしない。
「わぁ……元に戻った。あなた、この木の精霊なの?」
「そうだよ」
少年はようやく答えてくれた。
「ぼくはシーファ。銀の木の精。きみが本当に来るとは思わなかったよ、リンネ」
「伝わったということは、リンネがあの枝を取ってから今日までのことは全て……」
「うん、知ってるよ」
ニルケの問いに、シーファと名乗った少年は頷く。
「この木をリンネが必死に守ろうとしてくれたこともね。そして、銀の実を守るために、またここへ来たことも」
折った枝は枯れてしまわない限りこの木とつながっていて、枝が感じたことは全てこの木も感じているのだという。
そして、木が感じたことはシーファにも伝わる。
「この木はね、とても喜んでいるんだ。リンネがこの枝を折る時、何て言ったか覚えてるかい?」
ふいにそう聞かれ、リンネは考えをめぐらせた。
「急に言われても……。弟のためにこの実がいるから、取らせてねってことを言ってたような気がするけど」
銀色のままでいて、ということも言っていたような覚えが何となくある。
「この実を絶対悪いことには使わないって約束したんだ」
「……そういうことも言った、わね」
そんな細かい部分まで記憶にない。あの時はこの場にいられる時間も限られていて、とにかく必死だったのだ。言ったかな、という程度。
「この木はね、自分の作る実が魔法のかけ方によっては悪い方向へ作用してしまう、ということを知っている。そして、そうなることをとっても恐れているんだ。だから、滅多なことでは渡したりしない。リンネのその言葉を信じて、持たせてくれたんだよ」
リンネが枝を折ろうとした時。持っていた枝を奪われそうになった時。
木が怖がっているように、リンネは感じていた。シーファの話を聞いていると、それは間違いではなかったのだと確信する。
「きみが枝を戻しに来てくれて、木はとても喜んでるよ。だから、ぼくも出て来たんだ。これまで人間の前に出たことはないんだけど」
「今までの人間にはロクな奴がいなかったんだろ。そいつらとリンを一緒にするなよな」
カードが口をはさむと、シーファは笑って頷いた。
「そうだね。リンネはいつも真剣だった。初めてここへ来た時も、銀の実に危険が迫った時も。もう覚えてないくらい昔にも、人間が銀の実を取りに来た。そして、その人は確かに悪用はしなかったけど、実を取った後の枝は放ったらかしにしてたんだ。だから、枝は枯れてしまって、木はしばらく泣いてた。離れてしまっても自分の一部だから。でも、リンネはそうじゃなかったよね」
「それは、ニルケがこうしたらって言ってくれたからよ。あたしは言われた通りにしただけだわ」
枝を庭に植えておいたのは、ニルケの提案だ。リンネはそれを実行したに過ぎない。
「だけど、枝をどうしようって考えてくれただろ? その人はそんなことすら考えなかったんだ。この木のリンネに対する印象はすこぶるいいよ」
「木だけじゃないだろ」
またカードが口をはさんだ。
「そうだね。ぼくもリンネにはいい印象しかないよ」
シーファは素直に認めた。そう言ってもらえると、リンネとしても嬉しい。
「ねぇ、そのリボン、もらっていい?」
「うん、いいわよ」
リンネは持って来ていた赤のリボンを、シーファに渡した。リボンの色とシーファの瞳の色がよく似ている。
シーファが色あせたリボンがあった場所に、今もらったリボンを近付ける。すると、リボンはひとりでに枝に絡まった。
「あたし、この実のおかげで三度も助けられたわ。どんなに感謝しても足りない」
最初は、ラグアードがとばっちりで受けた呪いを解いてくれた。その時の余った実は、魔性と対峙した時に相手の力を弱めてくれた。
そして、ついこの前はリンネを脅して実を手に入れようとした男から守ってくれた。
「ねぇ、シーファ。あたしにできることはない? 助けてもらったお礼をしたいわ」
「リンネは優しい子だね。ありがとう。でも、ぼくもこの木も、ここにいられるだけで十分なんだ」
そう言ってから、シーファは何か考えているような表情になる。
「何? 遠慮しないで言ってね。あたしができることなら、何でもするわ」
「あ、ううん。ぼくはいいんだよ。……リンネ達は、タファーロを知ってたよね?」
「うん。彼にも色々助けてもらったわ」
オーゼルの街で会った、精霊と魔法使いのハーフだという少年のことだ。外見はリンネより年下だが、実年齢はカードよりも年上だったりする。
「タファーロがどうかしましたか?」
「彼は元気だよ。この島から魔物が消えてから、よく遊びに来たりしてるんだ。どうかしたっていうのは、彼よりも彼の母上のことなんだけどね」
「えーっと、セスィールっていう海の精霊、だったよな?」
さらにその父親は、海の神だと聞いた。つまりタファーロは海の神の孫になる訳だが、偉ぶったところが全然ない。
「そうだよ。その彼女が、大切にしてる宝石を盗まれたっていうことを聞いたんだ。タファーロが捜しているけど、彼の手に負えない状況らしくて。リンネ、彼を手伝ってあげてくれないかな。もし、きみがぼくに何かしたいって言ってくれるのなら、タファーロを助けてあげて」
タファーロはニルケにとっても恩人だし、そうと聞けば彼も黙ってはいられない。リンネはもちろん、言わずもがな、である。
「わかったわ。まかせておいて。それで、タファーロはどこにいるの?」
「今はどこかな。ぼくにもわからない。少し待って、呼び出してみるから」
シーファは近くにある銀の実を一つ、手に取った。それを指で宙に弾きながら、呪文を唱える。銀の実はさらさらと粉になって舞い散った。
「あの実って、たくさんの使い道があるの?」
「ぼくも詳しくはわかりませんが、悪しき力を溶かすのがメインで、他にも応用ができるようですね」
短い会話の間に、粉は消えてしまった。でも、シーファはまだ呪文を唱えている。
「あ……」
カードが空を見上げて声を出した。
「呼び出された奴が来たみたいだぜ」
言われて二人も空を見た。鳥の影のようなものが見えていたが、それが近付いて来る。やがて、影は人の形になり、リンネ達の前に降り立った。
「わぁお、リンネじゃんか。いきなり呼び出されて何かと思ったら、リンネ達が来てたんだな」
前に会った時と変わらない姿で、タファーロがそこにいた。
大きな青い目の、いたずら盛りの男の子という風貌。こんな姿だが、実は推定七十超え。彼が精霊の血を引いていると聞かなければ、そんなことは絶対に信じられないだろう。
「タファーロ、忙しいのに悪かったね。きみの話をしたら、彼女が手伝うって言ってくれるから」
シーファの言葉を聞いて、タファーロはえ? という顔をする。
「そりゃ……嬉しいけどさ。どうしてまた」
「いいじゃない。人の好意は素直に受け取っておいてよ」
「迷惑に化けてしまわなければいいんですが」
「まぁ、とにかく事情を聞かせてくれよ。陽が暮れないうちにさ」
タファーロはリンネ達に再会しただけでも驚いているのに、その彼女達が自分の抱えている問題を手伝うと言いだし、目を白黒させる。
それでも、カードにせっつかれ、これまでの状況を話し始めた。





