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チカラの限りお話ししましょう!

 気付いたら暗闇の中に大の字で寝っ転がってた。

 なんだか体がフワフワする。


 …あ、これは夢だ。

 俺は自室で眠ってたんだ。

 夢の中で起きてしまったのか…変なの…


 しかし、さっきまで見てた夢は久しぶりにイっちゃってたなあ。筋骨隆々なオッさんが群れをなして集まってたり、何故か俺の「息子さん」が家出してたり、最終的にオッさんの手からなんか…でたわ…やばいな…

 ガキの頃みた、友達全員ゾンビで逃げる先の床が溶岩トラップって言う夢より破壊力あったと思う。

 まあ夢だったからナンクルナイサー!!俺の想像力すげー!!


「すいません…、現実です…」


 ポソっと可愛い女の子の声が夢を否定した。


「はい〜〜〜?!」


 突然の女の子に素っ頓狂な声を出してしまった。

 暗闇に目を凝らすと、俺の横には小学生くらいの可愛らしい女の子が苦笑いを浮かべて正座していた。

 縄文時代の人みたいな腰で縛るタイプの白い服をきた女の子は日本人ではなかった。中東諸国人のような目がぱっちりした顔、日に焼けたような褐色の肌、肌とは正反対に雪のような真っ白な長い髪で……?


 は?褐色の肌と真っ白な髪??


「はい、巫女様…私は、巫女様の器を務めさせていただいた者です。」


 申し訳無さそうにおじきする女の子は、あのオッさんまみれな夢の中の「俺」だった…


「ハイ〜〜〜?!」


 ハイの二回目の叫びでました〜!


 いや、もうこれ普通に出るでしょう…?

 だって、夢の中で別な夢の登場人物「俺」がでるんですよ?しかも別人格女の子で!

 大混乱の俺は驚きすぎて寝っ転がったままジタバタ、ゴロゴロした。


「待って!ちょっとわかんないですねって言っていい?!いや。もう言ったけど!何これ、えっえっえっ??」


「あっあっ、どうぞ巫女様落ち着いてください!いま巫女様がどう言う事になってるか、ちゃんとお話しいたしますから…」


 女の子は訳が分からなくなっている俺をゆっくり抱き起こしながらそう言った。ちなみに女の子の胸が俺の頬に触れていたが、そこは淡い期待と裏腹に薄く平らだったのです(知ってた)

 恥ずかしながら起こしてもらったので、お互いに話ができるよう向き合って座る。


「では巫女様、まず私のお話しを少しさせていただきますね。」


 ニッコリ微笑んでから女の子は話し始めた。


「…私の名前はミンです。巫女様が初めて降りられた所よりずっとずっと北にある銅分(ドウブ)と言う村で生まれ育ちました。本当に田舎なので拳国(ケンコク)でも知らない方が多いんじゃないかと思います。そんな田舎の村に、ある日ひとりのお役人様がいらっしゃたのですーーー」


――――――――――――――――――――――――




「…ここは銅分(ドウブ)村か?」



 髪を後ろに縛った黒い役人服の男が疲れた顔で尋ねる。


「んだっす〜、ここは銅分(ドウブ)だずども。お役人様、なんかあったんだべか?」


 道端で山羊をひいた老婆が不思議そうな顔で男に答える。


「や、やっと着いた…!隣りの村で銅分(ドウブ)村はどこかと聞いたら、ちょちょっと行って谷川渡ればすぐと聞いたのだが…、ちょっとが2日程かかってな…」


 ガックリと肩落とす男に老婆は笑った。


「あ〜、お役人様は歩いで来たんだべ?あっちのちょちょっとは信じだらダメだぁ。隣の伊波(イバ)の連中はいっづも馬さ乗ってんから、馬の足でちょちょっとって話しだんべよ〜」



「…う、馬…」



 男はガックリいきすぎて膝から崩れ落ちた。


「んまぁ、これでも食って元気だせでばなぁ。」


 老婆は肩にかけてた鞄から真っ赤な林檎取り出し、可哀想な男に分けてあげた。


「…うう、すまん…」


 本当に疲れていた男は、そのまま道端に座り込んで林檎をありがたくいただいた。林檎の甘酸っぱさが疲れた体に染みる。


「んでぇ、お役人様は何すに銅分(ドウブ)さ来たのす?」


 改めて老婆が聞き返した。


「ああそうそう、私は村長(むらおさ)に用があってきたんだよ。村長(むらおさ)の家を教えてくれるかい?」


村長(むらおさ)んとごさ行くのすが。だば、ちょっと待ってけろじゃ。今、孫に案内させっがら。」


 老婆は山羊をひいて近くの家へ(老婆とは思えない結構なスピードで)歩いて行った。

 数分もせずに、まだどこか幼さが残る少年が元気よくこちらに向かって駆けてきた。


「お役人様ー、婆ちゃんに言われてきましたー!」


 老婆の孫だった。

 よっこいしょっと、気合いを入れてたちあがる。林檎のおかげか少し疲れが取れたようだ。


「では、村長(むらおさ)の家まで案内してくれ。」


「じゃあ、ちょちょっと歩くよ!」



「?!」



 例のパワーワードに青ざめた男をよそに、少年はニッコリ笑って歩き出した。


 ーーーさあ、村長(むらおさ)のお宅まであと何キロ?!


 少年の「ちょちょっと」はとっても良心的だった。10分程歩くと小さな集落が現れ、少し開けた場所の真ん中に石造りの村長(むらおさ)の家があった。


「到着!ここが村長(むらおさ)の家!」


「ありがとう、助かったよ。」


 家の前まで案内くれた少年にお礼を言った。少年はまたニッコリ笑って元きた道を駆けて行った。


(…ありがとう、孫。君のちょちょっとは理想のちょちょっとだよ!)


 短い道中、楽し気に近所の牛の事を教えてくれた少年の背中に、男は深い感謝の念を送った。




とうとうお名前出ましたよー!

ミンちゃんです!よろしくね!


って、それ俺くんのガワのひと!!



モヒカン「あれはどうしてアレなのか、あれによってああなる…そう、アレはこう言う事だった…!次回、ミンちゃんのアレが明らかに?!キミは拳国に何を見たのかっ!」〜つづく〜

俺くん「ちょっと何言ってる全然かわかんないです」

モヒカン「自分も何言わされてるのか全然意味わかんないです…」


しばらくミンちゃん話続きます。

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