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1話  オレは、私は、森へ行く

呪いをかけられたオレは武器を持つとレベル1 

戦士の道は閉ざされた、しかしそれでも鍛錬に明け暮れた。

あるとき森で重傷を負ったオレを助けてくれた美しい貴族の少女は

武器を持たないオレの強さを見つけてくれた。


これは武器をうまく扱えない庶民冒険者と

冒険を夢見る美しい貴族の少女が

気付けば、究極の体術と、至高のヒーラーへの道を歩む物語


武器を持つお前はずっとレベル1・・・



子供のころ、ほろびの森の魔法使いに、この忌まわしい呪いをかけられて以来

オレは戦士の道を閉ざされた・・・


どれほど鍛錬しようとも、そしてレベルアップを感じたとしても、

結果はいつもレベル1のままだった。


そう、レベルアップの実感だけは不思議だがあるのだ!

しかし、レベル1からアップしてレベル1なのだ。

この無限の呪いから抜け出せるのはいつなのか、

レベル2になれる日を夢見て


オレは今日も森へ行く。




いつからだろう、自分の本心を口にしなくなったのは・・・

いつからだろう、こんなくすぶった日々を過ごすようになったのは・・・


私は魔法使い、

貴族の家に生れ、世の習わしに従い冒険者ギルドに登録した1人の冒険者!

そう、この世界は15歳になると全ての者がギルドに登録し冒険者となる。

貴族も庶民も、そして王子や王女でさえも、

しかし、貴族達にとってのそれは、単なるたしなみ、

女にとっては花嫁修業の一つ程度、

危険なクエストなど受けることもなく、

森へのモンスター討伐も年に2回、勇者様のパーティ同行で

いっせい討伐が行われる。

そこで弱いモンスターを見つけ勇者様の指示に従い倒す・・・

いや!、勇者様が倒したモンスターにとどめをさすだけの役割、

そこで1体でもモンスターを仕留めれば冒険者としての箔が付き、

その後の自慢話の種となるのだ。


だから決して貴族の子供達は命がけの冒険などしない、

そう、ごっこなのだ!

そして私も、そのごっこの一員となって2年が過ぎようとしていた・・・



「テルル、これからボクの家で冒険者会議をするんだ、君も来てくれよ」


ここ貴族冒険者ギルドで声をかけてきたのは私と同じ貴族冒険者の一人だ

彼の家にも、そして彼自身にも興味がないため、その顔に見覚えはあっても

名前がでてこない。


「ほら、そっちにいる彼女達も同席するし、ボクの友人の男性達も是非君と話したいって言ってるんだ、もちろんボクも君と・・・何度も誘ってるんだし、たまには付き合ってほしいな」


この貴族の息子がしきりに私を誘う冒険者会議とは、

自分達冒険者はどうあるべきか、それを話し合い意見交換をするための集まり・・・

・・・と称したただのお茶会だ。


あーー、もう、ぬるい! 別にそこで出されるお茶がぬるいと言っているわけではない、

覚悟がぬるいのだ、

そりゃ、私だって、ぬるくない覚悟があるのか?と言われると少し微妙ではある

しかし、少なくともその覚悟を手にするために、

私は森にモンスターを倒しに行くのだ!


「ごめんなさい、せっかく誘っていただいたのに、あいにくこれから行かなくてはならないところがありますから」


「えーー!?、もしかして、また矮小モンスターの討伐かい?そんなの庶民パーティにまかせなよ、オレ達貴族冒険者がわざわざすることでもないだろ?」


そばで話を聞いていた友人の男性が横から口をはさんできた、

何言ってるの、その矮小モンスターですら勇者様のサポートなしでは狩ることもできないくせに、


「そうですよ、テルル様、女性が攻撃魔法を使うなど関心いたしません、

 どうぞおやめになって下さい」


こんどは横にいた女性が口をはさんできた


攻撃魔法など関心しないか・・・ふう、

そうなのだ、花嫁修業目的の女性冒険者が使う魔法は回復と支援のみ、

どうやらそれが奥ゆかしいと男性達にも受けが良いらしく

攻撃魔法を鍛錬する女性はほとんどいないのだ

貴族冒険者は特に自分より攻撃力の強い女性を敬遠する傾向がある。


もちろん彼らの言う、庶民冒険者の女性などは、この限りではない。

パーティ内の役割を果たすため自身の攻撃力向上に余念がない、

覚悟が違うのだ!

受けるクエストも命がけなのだろう、

ああ、私もそんなヒリヒリするような冒険がしたい!

こんなぬるい彼らと、お茶会なんて、ごめんだ。


「こんなにもお綺麗なテルル様がお一人で討伐なんて、似合いませんわ」


「そうですわ、わたくしたちテルル様とお友達になりたいと思ってましたの、テルル様のお美しさは、どの冒険者会議でも評判ですのよ、殿方は皆テルル様を意識なさっていますわ」


「そうさ、オレ達の冒険者会議にテルルが来たとなれば他の男性冒険者は皆悔しがる、オレ達は鼻が高いってものさ」


ぬ、ぬるーい、何が冒険者会議だ、


「ほんとうにごめんなさい、急ぎますので失礼いたします」


私は深々と頭を下げ、しかしそれ以上の話は聞くつもりはないとの意思を込め、

くるりと背を向けて、すたすたとその場を後にした。


ちなみに彼ら貴族冒険者のレベルは男性が戦士レベル2、女性が魔法レベル2だ、

この値はどの貴族冒険者でも変わらない、

勇者様のサポートを受け年2回の合同討伐に参加し、

命の危険の無い中でモンスターを仕留めレベルを1から2へ上げる

そこで彼らの冒険者としての活動は終了なのだ。

さらなる危険を冒してまでレベル3になるものなど、いない。

そして男性は戦士、女性は魔法という棲み分けも暗黙の了解となっている


冒険者ギルドによるレベル認定も戦士と魔法の2種類のみの強さを

レベルで分けて表したものだ。


そして、わたしのレベルは・・・2だ、


しかしこれは、便宜上そうしているだけで、

現在私が使える魔法のレベルから自己分析すると、きっとレベル4から5はあるだろう!

何故、レベル認定を受けてレベルアップしないのかといえば、


それは、はっきりいって世間体だ、


貴族の娘が冒険者レベルを3以上に上げるなど、家名に傷がつく!

などと叔父、叔母、に猛反対されたのだ、

まあ父と母は、そんなこと気にする人ではないのだけれど・・・

だから、内緒で鍛錬し、一人でのモンスター討伐なのだ。

いつか出会う命を預けられる仲間と、

いつか訪れる命をかけた冒険のために!


私は今日も森に行く!

連載開始いたします、


どうぞよろしくお願い致します。

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