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エピローグ アノマチ
どの位眠っていたのだろうか、彼は電車の中で目が覚めた。
ここは……
明らかにアノマチの風景ではなかった。懐かしいその風景を理解するのに、時間はいらなかった。
――夢?
しかし、列車には誰1人乗客はいなかった。
夢か、現実か理解するすべはなかった。けれども、彼があの街で作り上げた曲達は確かに彼の中に存在していた。
「もう少し、音楽続けてみようかな」
そう言うと、彼は日常に戻っていった。
いつも通りの大学生活、いつも通りのライブハウス。いつも通りのライブ。そしていつもと違うことが一つだけあったのだ。
ライブ終了後、1人の少女が彼に感想を伝えに来た。
「キミの音楽は最高でした!」
ここまで読んで頂き、ありがとうございました。初めて小説を書くにあたり、いろいろ至らない点もあったかと思いますが、楽しんで頂けたなら幸いです。
作者自身、音楽活動をしており、街をテーマにしたアルバムを作りたいと思って曲を作りました。そのうちに、その街を舞台にしたお話が浮かんできて、今回執筆するに当たった次第です。




