プロローグ
「これが日本におけるダンジョンの成り立ちだ。テストに出すからなー。」
中学校の教室で響く担任の声を、ぼんやりと聞きながら、外を眺めながら倉山 大地は考える。
(小学校のころから、このての授業は耳にタコができるくらい聞いていし、今さらノートもとる必要ないんだよな。)
教科書に目を戻し斜め読みをする。
[20XX年世界中に異界迷宮が、突如至るところに現れ、同時に各国は封鎖・箝口令をだし、一般人には秘密裏に調査を進めたが、とある1人のある科学者が封印に触れてしまう。
それから世界中の異界迷宮が連鎖反応ように、封印がとけ、大氾濫が至るところで起こり、世界が混乱の渦に落ちた。
多数の死傷者を出し、日本は鎮圧を目処に防衛隊スサオノを結成、法案を樹立し秩序を取り戻した。
スサオノは国から独立した機関になり、防衛大戦で活躍した一般人【剣崎 隼人】を中心に現在も活動されている。
初めての異界人と邂逅をし、魔物への有効技【武技】を取得した人物でもある。
他国でも同様に組織展開をし、世界を異界侵食を防ぐため日夜励まれている。]とページは締め括られていた。
これらは約30年前に起こった出来事で、今でもたまに小規模な氾濫がニュースで流れている。
大地は目をつむり、かつて住んでいた地域を思い出す。
小さな田舎町で、両親と共に五歳まで暮らしていた。
田舎町特有のゆったりとのんびりした空気が堪らなく好きだった。
あの氾濫がおこるまでは・・・・・。
「・・・・ち、・・・・いち!・・・・・だーーいーーちーー!」
と揺さぶりながら耳元で大声を出すのは、仲の良い友人の小里 雄大だ。
「耳元でさけぶなよ・・・」
「いやー、もう授業もホールルームもバッチリ終わってるのに寝てる方が悪い!!」
「え?あれ?」
辺りを見渡すと掃除や下校をしだしたクラスメイトが目にはいる。
「ほらー、さっさと行く準備しようぜ!今日だろー申請!!」
不満たらたらな雄大に悪い謝りながら下校の準備をする。
「楽しみで寝れなかったのかー?」
「いや、昔をちょっとなー・・・・」
「・・・・そっか。・・まぁまぁ、気を取り直していきまっしょっい!」
雄大はベタベタと肩に寄りかかりながら、雄大なりに慰める。
(おちゃらけているけど、良いやつだよな雄大は。)
二人は靴を履き替えて、校庭を歩いていると人だまりが見える。
「あーありゃー仮候補生だよ、女子をはべらかして、うらやまけしからんですな!!」
「居たっけもう仮候補生の人?」
「大地はもう少し周りをきにしようぜ!?神崎達だよ!仮候補生の!!」
「あー、確かいたね、そんな人」
やれやれと大袈裟にジェスチャーをしながら雄大は呆れる。
「なんでももうすぐ単独パーティーでダンジョンアタック出来るんだってよー、だから女子どもはキャッキャッしてるんだよ!」
「へー、すごいね。」
「凄く棒読みです、ありがとうございました!!・・・まぁ、大地だからしょうがないか」
「ダメな容詞に名前を使うなよ」
「照れん「照れてない!」な、被せんなよー、てかおじいさん待ってるだろ?はよ、行こうぜ」
と早足に外に向かう雄大とため息をついて向かう大地は、大地の祖父である倉山 一徹が待っている市役所に向かった。
登場人物プロフィール
倉山大地
15歳 男
身長170と中三にしては少しデカめ。
現在は祖父母と三人暮らし。
祖父や祖父の友人から稽古を付けてもらい、
探索者を目標にしている。
根は真面目で寡黙。
小里雄大
15歳 男
大地の親友。ムードメーカー。
身長168センチ。黒髪短髪。
自称爽やかイケメン。
小学校からの付き合いで、暗かった大地を何かと気にかけているうちに、親友ポジに。
雄大祖父と大地祖父が友人なので、泊まったり、稽古を一緒に受けたりと一緒に過ごす時間が長い。
自称大地のお目付け役。