A single knife that sticks into the heart
短すぎるくらい短いショートショート。
......痛い。
「ねぇ、今どんな気持ち?」
目の前の少女は、上目遣いにそう聞いてきた。たった今、私の胸に刃渡り15センチくらいのナイフを突き立てたとは思えないほど、あっけらかんとした物言いだ。
返り血が吹き出し、彼女の胸を紅く黒く染める。
「......痛い、かな?」
掠れるような声で、辛うじてそれだけを伝える。身体から急速に力が抜けてゆく。
まるで風船みたいだ。
そう思いながら、私の意識は暗闇の底へと沈んで、二度と浮かんでくることは無かった。
◆◇◆◇◆
......痛い。
「ねぇ、今どんな気持ち?」
目の前の少女は、上目遣いにそう聞いてきた。たった今、私の心に刃渡り15センチくらいのナイフを突き立てたとは思えないほど、あっけらかんとした物言いだ。
涙が溢れ出し、私の胸を暗く黒く染める。
「......痛い、かな?」
掠れるような声で、辛うじてそれだけを伝える。身体から急速に力が抜けてゆく。
まるで風船みたいだ。
そう思いながら、私の意識は暗闇の底へと沈んで、二度と浮かんでくることは無かった。