人狩り少女と優男8
用事のため早めに更新です
正月が過ぎ、新たな一年が始まる、優男こと鯉太郎は縁日で買った面を持て余していた
「なんで買っちまったかねぇ…」
「知らないよ、そんなんうちに聞いたかて…」
「いや、独り言だ」
そろそろ自分が運ぶ荷物が届くと聞いて旅支度を終えようとしたころ
「また、あのお城いくん?」
「あぁ、仕事だからな」
「…」
きいつけてな…と楓は一言、言わんとしたが、鯉太郎の顔を見てやめたのであった…
「なぁに次こそは土産の一つや二つくらい買ってきてやんよ」
「それ言うてから三回目やん」
「…いい加減方便かえたらどうなんだ?阿波の方便によ」
「うちはうちやも~ん鯉太郎も人のこと言えんやん?」
「…」
黙るしかない鯉太郎であった
鯉太郎の家に一人の
「おい、鯉太郎はいるか?」
侍が訪ねたところから
「っお?来た来た、はいよ!」
「今年の酢橘の種だ、あの馬鹿若に言っとけ…覚悟しとけってな、正直横流しも そろそろきつい」
「あいよ」
彼の旅はまた始まる
一方その頃龍の里では…
「正月が空けたらまた行列がくる…女子供をつれた列だ、わかるな?巽」
「うん、わかってる」
これからまた一年人を喰らう日々が始まる、全てはイザナミの子たる使命のために…
「さぁ野郎共!仕事だ!激をあげろ!」
長老の一声により士気が高まる龍の里であった
「今年は種も手に入れるぞ!」
「おぉ!」
「肝いっぱい喰うぞ!」
「おぉ!」
「エイエイオー」
騒がしい新年であった
騒がしい正月が過ぎ…行列を襲う龍たちがいた
「痛い…痛いよ母様」
「おらぁ!女は犯せ!犯して殺せ!龍の強さをみせつけろ!」
刀を振るう者、槍で突く者、種子島や弓で射る者
各々が各々の武具でトドメをさしていく
「や、やめなされ…妾を誰か知らぬのか!あ…あぁあぁ…」
「知るか!」
ほとばしる血、舞う首や腕や足
そこはまさに先の内乱を思い出させるには少々酷なものであった
「子供は殺せ!我らが母の裏切りの証しだ!」
次期当主となるべきまたは次期当主の嫁となるべき子供たちは体中に穴を開けられ肝を取り尽くしたのち殺される、そこに…残るのは顔くらいであった
「あぁ神様…」
「神は我らが母上のみ!死にさらせ!」
地獄絵図は肝を取り尽くすまで終わらない…そこに救いなど有りはしないのだから
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