少女の悩みと優男の解決策4
大変お待たせしました
少女、巽は考えていた。
兄の龍太は何ともないのになぜ自分だけ…なのかと。
「寒い…」
先ほどから体は冷えていき今では体はガタガタと震えている。
その震えはまるで真冬の川で水浴びをした後の寒さからくる震えそのものであった。
「兄ちゃん、母ちゃん…俺、俺…」
目は光を通さず、体は青白くなっていく…まるで今から死んでしまうような、そんな雰囲気を纏う巽、この体から魂が…抜け落ちてしまうようであった。
「巽!?」
優男こと鯉太郎はどうすべきか…と悩んでいた。
このままではこの少女が死んでしまう、体は冷え切り意識も朦朧としている。
「っみんなを呼んでくるからな!!」
自分一人ではどうにもできないと、結論付け、鯉太郎は仲間の元に走ったのであった。
一方そのころ、逃げた面々はというと。
「とりあえず皆、同じ茶屋で再会できてよかったよ…」
峠茶屋で茶と団子を食べていた。
「ここいらで、目立つ場所はここしかないからな」
うんうんと忠治はうなづいていた。
鯉太郎は一人で走っていた、仲間の元とはいえ、落ち合う場所など決めていなかったからである。
「はぁはぁはぁ…はぁみんな、どこだ?」
鯉太郎は走る一人の少女のために、龍の衝動は個人差がある、それは時として命を奪う…はずは無いのだが、少女こと巽の衝動はまさに命の灯火を消し去ろうとする物であった。
そして茶屋にたどり着き。
「龍之介、龍太…巽を助けてやって…くれ」
はぁはぁと息をきらせながら、鯉太郎は
なんとか言葉を紡いでいた。
その時、島津義弘と龍太が汁粉を食べながら聞いていた、そして…
「それじゃあ儂と龍太どんで迎えに行くとするか?」
「あぁすまない…鯉太郎」
龍太は深々と頭を下げていた。
よろしくお願いします<(_ _)>