少女の悩みと優男の解決策1
大変お待たせいたしました
別府につき、一旦の湯治を始めた一行に、一人の忍びが現れていた。
「秀忠様が、今より四国にむかう、そうでございます龍之介様…いかがなさいますか?」
ちなみに、上杉配下の忍びは徳川配下の忍びの次に優秀と言われていたのは、今には伝わってはいない。
「ご苦労様、こっちは明後日か明明後日には、長崎についてると思う…だから、屋敷に戻って康虎の警護にあたってくれ」
大事な人を守るために、上杉龍之介も必死だった。
こうして湯治を始めた一行であった。
その頃長崎にも一行が来たことが伝わっていた。
「ふむ…義父がとうとう動き始めた、か」
「千は帰りませぬゆえ」
「爺ちゃんくるん?」
あと少しでこの生活も終わりを告げる、だがその前に…と秀頼は考えていた、嫁と息子…自身の未来と今を支えてくれている大事な家族、この二人は隠さなければ…と。
「千、私は決めたぞ!幸村殿と孫市と秀康の兄様を呼んできてくれ」
秀頼は先の戦で共に戦った歴戦の猛者を頼ることにして、家光たちの到着を待つことになるのであった。
そのころ、とある野原では。
「せい!、っ逃げんな!孫市!てか撃つな!危ねえじゃねえか!」
「うっせ無茶言うな!秀康!お前鉄砲くらったくらいじゃ死なねえだろうが!」
乾いた音が響きさらに風を切る音もしていた。
「腰が甘いぞ!二人とも…まったく、ほらきちんと狙いをさだめんから種子島が当たらんのだ!そっちは前に踏み込め!刀がぶれているぞ!」
「「はいお師匠様」」
説明せねばならないだろう、この三名の名を
真田幸村、結城秀康、雑賀孫市と言うのだが…この雑賀孫市は少々珍しい屋号を持っていた。
分家筆頭三代目雑賀孫市…と言う。
そしてこの結城秀康はあの結城秀康ではなく…家康が九州に警護をつけた結城家の者の孫である、なぜ警護がいるのか、と言われても見苦しいのでこれも説明せねばならないだろう、先の戦は仕組まれた戦であり最初から秀忠を貶めるために始まった戦なのだ。
「ふむ…風が変わりおったな、いよいよか」
そしてこの初老の青年…こと真田幸村は何かを感じていた。
そのころ別府では。
「なぁ福様」
「なんだい?巽ちゃん」
「俺、肝喰ってるのに我慢できなくなってきたみたいなんだどうしよう…」
龍としての衝動には個人差がある、巽の兄の龍太、のように衝動があまり無い龍もいれば、衝動が強い龍もいる。
「種、飲みなさい…でないと」
「…うん」
少女の悩みは始まってしまった。
よろしくお願いいたします<(_ _)>