少女の旅路と優男の思惑16
更新です。
船が九州の日向の国につき、豊臣秀頼が住まう長崎に向けて、歩きはじめて二日がたとうとしていた。
「なぁ鯉太郎、温泉ってどこにあるんだ?」
少女は温泉に入りたくて仕方ない…と言った顔をしていた。
「心配するな…長崎に行く前に今、別府に向かってるから…」
鯉太郎、以外の不慣れな船旅と歩きを繰り返していた家光一行は、疲れを先に癒やすために別府温泉に向かっていた。
「うん」
だがこの一行に立ちはだかった愚か者もいたりする。
「ここは通さねえぜ?」
「悪いことは言わねえ…金と女はおいて行きな」
「…」
忠治が二刀を構えて走っていく。
「俺にまかせてくだせえ!」
龍太も刀を構えて突っ込んでいった。
「抜け駆けは許さねえぜ…忠治!」
二人はまるで舞いのように相手を倒していった、忠治にいたってんは鯉太郎に襲いかかったころにくらべれば強くなったものであった。
「あっけないもんでさぁ…」
「肝…取らねえとな、巽!剥ぎ取るぞ」
結果兄妹の糧となったのであった。
その頃、遠野では。
「龍の里があるらしいではないか…」
秀忠が龍の里に目をつけていた。
「まぁよいわ、今はよい、今…はな、次は四国を目指す!」
無茶を言い出すか?と身構えていたが何もなく、安心した四天王であった。
そしてまた家光と千姫に一歩近づく秀忠なのだが。
何かを感じとってしまったのだろう…一人馬の上で。
「ふ、ふはははははははははは…」
笑っていた。
「余は」
そしてまた。
「徳川秀忠…ぞ?」
一つだけ。
「冥府魔道に墜ちようとも…必ずや」
壊れてしまった
「いつか必ず、父の悲願たる龍を」
その目の色は。
「滅してくれよう…今はまだ力がたりぬゆえ…な」
狂気と怒りの目の色だった。
動き始めた将軍の狂気…だが物語はここより加速する、まだ少女と優男は知らない、この出来事ののち明治と呼ばれる世になるまで…龍と人がどう歩んでいくのかを。
お待たせしました
今回で第一部第二章完です。
次回第一部第三章、がんばります<(_ _)>