人狩り少女と優男3
連続三話投稿
こうして家族の夜は更けて朝になる、いよいよ巽の初陣となる運命の朝だ…
「おっ早いな巽!」
「なんかあまり眠れなくて…さ」
実際この娘、眠たそうである
「とりあえず…顔洗ってこい」
「うん…」
「あ~そうだ…巽!得物は何にするかは決まったか?、これからお前が死ぬまで使う大事な武具なんだからな!さっさと決めとけよ!?」
「…うんわかったよ兄ちゃん…外の川原で顔洗ってきます」
外に流れる小川まで歩いてきた巽…その川は水が澄んでいて綺麗なものだだが物憂げな少女は一人顔を洗っていた
やはり巽は迷っていたのだ…今から同じ人間を殺せるのだろうか…とか、殺したら金とかを奪い取ってなんか買ってやる、などなどの事を脈絡なく考え…迷っていた
「ふぅ…今日は、大事な大事な、俺の初陣…か、でもやっぱり人は、殺したくないな…でも…」
やはり煮え切らないでいた
場面は変わってここはとある国のとある関所である
「なぁお役人様…いい加減通しちゃあくれねぇかい?」
「しばし待っておれ…」
一人の優男が関所で待たされていた
「あのよう…オイラ急いでんだぜ?頼まれた手紙だって渡さなならんし…干物だってあんだよ?、ったく」
男は一人愚痴を漏らしていた
「仕方がないのだこの前…と言っても三日前に大名行列を狙った事件があって…な皆、焦っておるのだよ」
役人は申し訳ないと一言、男に謝っていた
「へぇ行列狙った事件…ねぇ」
そしてその後、夕刻に差し掛かる頃まで男は待たされていた 一人の小姓が現れるまでは
「ん…そうかご苦労であった」
「お?いよいよかい?」
「あ…忘れておったお主…手形と名前、言ってくれるか?」
やっとか…と男は立ち上がり手形を渡して名前を述べた
「阿波の国は徳島藩…生まれで名は、鯉太郎ってんだ、よろしくな」
周りにはこの役人しか居なかったのがこの男の救われたところであろう…
「通ってよし!鯉太郎…と言ったか?まぁ龍には気をつけることだ」
「ん…おぅありがとな」
男は一人関所をあとにした
とりあえず一旦落ち着きます!