正月番外編、家光の思い出と、龍と人の子
お待たせしました
これは、徳川家光の父、徳川秀忠が将軍になる、少し前の物語である。
「竹千代、どこいった?」
一人の少年が幼い家光を探していた。
「兄様、僕はここですよ」
幼い家光こと竹千代が答えた。
「ここにいたか、千が心配している…父様と爺様のところに戻るぞ?」
この少年の名は豊太閤こと豊臣秀吉が嫡子、豊臣秀頼…後の関ヶ原の戦いで、西軍の総大将をすることになる、少年である。
「嫌です、僕は…友達と遊んでいたい」
秀頼が迎えにきたのだが遊び足りないと ダダをこねていた。
「竹千代?」
「竹の字、どうした」
「竹千代~」
竹千代の友達がきた右からから順番に、龍之介、鯉太郎、義盛である。
「久しいな、元気だったかい?」
「秀兄…お久しぶりです」
三人が同時に頭をさげていた。
いつも四人は一緒だった…どこに行くのも、さすがに夕方までには帰ってはいたが、今日はここまでであった。
「帰らなければ、叔母上様にまたぶつぶつ言われてしまうぞ?」
この一言で城に戻ることにした、竹千代であった。
一方、竹千代が遊んでいるころ、一人の男の娘が自身の衝動と戦っていた。
「母上、つらいよ…はぁはぁはぁ…ん」
「がんばるのです…竹千代にはでなかったのに…なぜ国松が」
ここで説明せねばならないだろう。
龍と人は、言うならば、猟師と獲物、みたいな関係が普通なのだが、交わり子を残すこともできる。
ただし半分の確率で龍か人がきまる…だいたいは人なのだが、ごくまれに。
「あ…あぁあぁ」
龍として産まれる場合もある…そして人と龍の混血で龍として産まれた場合。
「なんだか…体が熱い、兄様…兄様…私を犯…し、て、つらいよ…苦しいよ兄様兄様…あぁ」
ふたなりとして産まれる。
「国松や…がんばるのですよ」
「はい、はぁはぁはぁ母様…」
こうして竹千代の新年は過ぎていくのであった
よろしくお願いします<(_ _)>