少女の旅路と優男の思惑11
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阿波徳島藩の南部には、土佐高知藩の影響と良質の砂鉄が採れるため、刀剣類の製造が主な仕事の鍛冶屋が軒を連ねている。
鯉太郎たちが徳島に戻り、忠治の刀を注文してから、はや一ヶ月が たとうとしていた。
「まだか…早く義兄上のもとに行きたいのだが…」
青年は少し焦っていた。
「ええやんゆっくりしときいだ竹千代ちゃん、でも久しぶりやなぁ元気しよったん?」
「あぁ…父上がああなってから会えなくなったから、六年ぶりだね」
そこに一人の少女が入ってきた。
「若様、あいつなんなんですか?俺のこと男女とか言って説教しやがったんですが!?」
少女は怒っていた、会って少し話をしたあといきなり説教してきた青年に。
「鯉太郎はしかたないよ、あいつ楓ちゃん以外の口が悪い女の子説教したがるみたいだから」
諦めなさい、と言いたげな顔で諭していた。
その頃、龍之介はというと。
「船は徳島に行った…そして一ヶ月動いていない、ということは秀頼兄さんのとこには行かず、義盛のところに行ったかやはり酢橘の木はあるみたいだね」
情報をこの1ヶ月色々な所を馬で走り回り集めてた結果ここまでたどりつていた。
「家には帰らず、徳島に行こうか!」
と、喜び勇んで徳島行きを決めた龍之介であったがのちに彼は語る、巻き込まれてしまうのを知らずに自分から台風に突っ込んで行く馬鹿みたいな行為を、してしまった…と。
お待たせしました<(_ _)>