少女の旅路と優男の思惑9
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龍之介が馬で走り出す少し前、龍之介の許嫁、武田康虎は慌てていた。
「どうしよう…このままだと僕、龍ちゃんに合わす顔がないや…」
なぜかと言うと。
「料理が…作れない、龍ちゃんにお弁当 持たせてあげられない」
とのことである。
そこに並べられていたのは、料理と言う名の炭だった。
「康虎、そろそろ私は行くが…お?」
見られてしまった。
「おいしそうじゃないか…ングゴクン」
しかも食べている。
「あわわ、何をやってんだよ龍ちゃん!?」
慌てて止める康虎、だが。
「ふぅごちそうさま、弁当変わりの愛情…いただいたよ、康虎」
食べきった、食べきってしまった。
「…ありがとう」
こうして新婚でもない二人は旅の支度に追われていた。
「道中気をつけてね龍ちゃん」
こうして旅立ちとなるわけだが。
「あぁ康虎、この件が無事終わったら…いよいよだな」
「…うん」
愛しあう二人には人と龍の壁は無い、交わり子を残す…人も龍もそうして歴史を繋いできた、そこに壁はないのだから。
「ん…」
「うん」
チュっと小さな音がした。
「行ってらっしゃい龍ちゃん!僕…待ってるからね?」
「あぁ行ってくるよ康虎、帰ってきたら祝言をあげよう…お前との子供は三人は欲しいしな、がんばってくる…さ」
「それじゃ、僕あの日だから月水が止まらないから、戻るね頭痛いし…」
「あぁなるべく早く帰るよ」
一人の青年は未来に進むた走り出した。
こうして道に迷いながらも…一日一日が過ぎていく、船を追って走り続ける、そこに広がる海を横にして。
「康虎には早く戻るって言ったんだけどなぁ」
まだ二日しかたっていないのに。
「顔向けできない…」
この調子であった。
失礼いたしました(°□°;)