少女の旅路と優男の思惑3
お待たせしました
巽が将軍のお膝元で四苦八苦しているころ一人の優男が友のもとにたどり着いていた。
「しかし半年ぶりか…感慨深いな鯉太郎」
「あぁ、元気だったか龍の字、今回の話、あいつから聞いたが…ほんまなんか?」
えらくゆるい会話に見えるが本人たちはいたって真面目だった。
「あぁあいつ、平義盛の言うとおりだよ、それで義盛のとこから君のところに使いが、でたはずなんだが…」
「あいつが来たよ、ったくあれで平家の頭領ってんだから笑えるよな、頭領自ら出てくんなっての」
カッカッカと鯉太郎は笑っていた。
「まったくあいつというやつは…まぁいい、で家光のとこには顔は出さないのかい?」
呆れ顔になった龍之介は話を進めようと、していた。
「いんや、お福母さん…いや今は春日の局って言うんだっけか?」
「あぁ」
「…見合いしろってオイラたちにしつこく言ってくるからやだ」
「前に城に行ったときは私のことも含めて心配してたぞ?いくら他人の子とはいえ早く孫の顔くらい見せろ!って」
「…江戸には行かん…絶対だ」
何気ない会話にさらっと凄い人物の名が出てしまい色々と聞きたくなってしまい
「なぁ鯉太郎さんと龍之介?さんよ」
忠治は声をかけた。
「ん…そいつは誰だい?鯉太郎」
そこにいたんだと、今気がついた龍之介はいつも一人旅の親友に質問していた。
「あぁ紹介がおくれたな…オイラの旅の仲間の忠治ってんだ」
今更ながらに頭を下げる忠治。
「いやいいよ…私も家光も義盛も嫌がるだろうから、さ」
と軽く声をかけてた。
「へ、へぇそれでお二人はどういったお知り合いで?」
「話せば長くなるから、また今度…な」
とそう言ったところで
「夕餉の支度が整いました、若はこちらで召し上がりますか?」
小姓が声をかけにきた
「うん、久方ぶりの来客だからな、ここに三人分お願いするよ」
こうして男三人の夜は更けていくのであった。
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