人狩り少女と優男9
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大名行列を狙った龍たちが暴れまわっているころ、とある城では…
「…鯉はまだかな?」
待ち人を待つ男が一人
「…」
そうとう暇なのであろう、足を縁側に投げ出し日向ぼっこをしていた
「…」
目をつむりまどろみに身を任せ待ち人がくるのを待っていた…
だがその半時後、爆睡していたのは御愛嬌と言える事なので、そこは割愛
「…」
させていただこう…
あれからすこしたったころ城内があわただしくなってきた、なぜなら一人の伝令が早馬を飛ばし言伝を伝えにやってきたからである…その言伝とは、これから先城と里と国には酢橘を送らない、というものであった…正確に言えば酢橘の乱獲により原木以外の木が枯れてしまい、酢橘の実の生産が向こう150年はできない、という言伝であった…そして場面は進みこの城に住まう若と父親の会話へと
うつっていた
「どうしたものか…」
「父上…いかがいたしましょうか?鯉がやってくればとりあえずの種は確保できますが?…」
「生産が阿波の地以外でできぬ以上…考えるだけ無駄じゃろうな、龍之介よ…覚悟を決めておけ、龍として、肝を喰らう覚悟を…な」
「ですが友を喰らうことなど…私にはできません、なんとかなりませぬか?」
引き下がらないのは友との約束を違えないため、肝を喰らえば自分は人との境界線を絶対超えてしまう…それがわかっているからこそ、人として生活をするために…彼、龍之介は考えていた…思考の迷路に入ろうとも、友と笑いあうために
一方その頃、鯉太郎は…というと
種を持て余していた
「どうすっかなぁ… 種は全部で二百個、一人一日一個として…もって三月十日…か」
友を救うにはどうするか…いっそ三月十日までに殺してやるのが情けなのか、と暗い考えに堕ちかけてはいたが…頭を振り考えを改める、思考の網にはまり考える鯉太郎…人の身でどこまでできるかが、問題点であった
こうして悩み抜いた鯉太郎は一つも結論がでないまま日が暮れたのであった
遅くなり申し訳ないです(;∇;)/~~シフトががが