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『或る小説的思想集』

『徘徊の思想作法で、廃人と化す思想について』

『徘徊の思想作法で、廃人と化す思想について』


⑴ 


いつかは、人生に飽きてしまうだろう。歳を負えば負うほど、人間は更なる可能性を求める。

そしてやがて、廃人と化す。しかしそれは、人生を生き抜いた人の、達観の証である。

体の機能を失って、昨日を忘れ去って、人間はどんどん退化という進化を遂げる。


⑵ 


しかしまた、それを傍らで見ている人は、自分の人生を悲劇だと感ずるだろう。

それはそれで、良いとすればなるまい。人の価値観で、人間は生きているのではないからだ。

雨の日に、バイクで走って、ずぶ濡れになったとしても、本人が良ければそれで良い。


⑶ 


人間気取りなんだ、と人は人に言う。廃人ではないじゃないかと言われても、それを無視する。

何故なら、自分が、自分は廃人だと思っていたら、それは、自分は廃人だからだ。

金にならなくとも、何かを引っ手繰るのだから、廃人も、生きる価値はあるだろう。


⑷ 


廃人とは、堕落しきった人間だろうが、不都合な事が起こっても動じないだろう。

何はともあれ、一種の思想徘徊は、生きる上で充分に満たされた金銭がある場合に成り立つ。

どうやら矛盾する現象が成立するが、要は、生きる価値があるのと、生きることに充分なこととは一致しないのだ。


⑸ 


ならば、効果をもった輪廻を崇拝するかのように、人々は、廃人の言葉を読解するだろう。

良く分からないな、といった表情で、君は自分を凝視しているのが、痛切に分かる。

何も、分かってもらおうとは思わないのだ、といえば、それはそれで、君は納得する様だった。


⑹ 


真面目に生きることは、廃人にならないようにするための、一種の作法なんだ、と君は言う。

そうかもしれないな、と自分はその言葉に納得するが、それでも、自分は廃人の状態だ。

徘徊しながら、現実の細部を現実から切り取って、物語に生きる自分は、君に言わせれば、廃人と化しているということだった。そういった一つの思想が此処に成立している。

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