第十八話 錆び付いた心
忠告。
ちょっとキツい表現があります。
いや、割とキツい表現があります。
かつて、産業が栄えていた東区の工場。
二前、会社が倒産し、そのまま放置させられている。
道に沿うように巡られたパイプは錆果て、所々におかれているドラム缶もなにが入っていたのか分からなくなっている。
そこに1人、場違いなまでに綺麗な、キャバリアの少女が立っている。
「来たわよ……………」
「来たな」
少女と向かい合うように、少女と同じ位の年の、1人のシベリアンの青年が立っている。
「お前の父親の命は…………俺が握ってる事を忘れるなよ?」
「…………………」
勿論、本当の命を握られている訳ではない。
しかし、青年が握っている物は、少女に取っては、命よりも大事な物だった。
「ほれほれ。奴隷の売買目録。コピーだけどな。おもしろいもんみっけただろ」
青年が握っているのはクゼイが関連した奴隷の売買目録だ。
青年はページを開き、ある一行を指差した。
そこには、テレビなどでで見覚えがある名前に挟まれ、キャバリアの少女を買ったボッティ・カルザの名が書かれている。
青年は売買目録のコピーをポケットにしまうと、ゆっくりと少女に近づいた。
「ここで起きたことは他言無用で頼むぜ…………例えば……………」
青年は左手で少女の肩を掴む。
少女の肩が震える。
青年は本当に嬉しそうに、にっこりと笑った。
そして、右手の拳で、少女の腹を殴った。
「くあ……………」
くぐもった音と共に、少女の肺の空気が押し出される音がした。
少女は激痛に嗚咽しながら、腹を押さえてうずくまった。
「こんな事をしてもなあ。ひひひっひ、えへへ、柔らけえなあ。ふっふふふ」
青年は興奮したように殴った手を震わせた。
「あ……………ぐう…………………」
「次ぃ行くぜえ?」
青年はしゃがみこみ、痛みに悶える少女と目線の高さを合わせた。
そして、もう一度、下からえぐるように、少女の腹を殴る。
「ぐ…………………おぼ……………げええっ………げほっ」
殴られた衝撃で、廃工場の床に少女の内容物がぶちまけられる。
咳き込むと、内容物が飛び散った。
「えへへっ、たまんねえなあ。あの生徒会長がよお。ひひひっ」
青年は前屈みに倒れ込んだ少女の耳を掴み、強引に膝立ちさせた。
「見えるところに傷つける訳にはいかねえからなあ。だから、ちょっと苦しいけど我慢しろよお」
1発、2発、3発、と、立て続けに少女の腹が殴られた。
一回ごとに、少女の胃が押しつぶされる。
「あがっ……………うぐっ…………………うぼえっ……………」
胃の中に残っていた物が全て吐き出され、床に模様を描いた。
「はあっ、ひひひっ、あっはっは!」
青年は痛みで意識が朦朧としている少女を押し倒した。
青年は少女に馬乗りになり、笑いながら少女のシャツのボタンをゆっくりと外していった。
「やめ…………………えぐっ……………おねが……………ぐすっ」
掠れるような声で少女は訴えた。
青年は手を止めない
「止めろだあ? 誰が止めるかよぉ! お前自分の立場が分かってんのかぁ? 負けたんだよお前は、俺に! あっはっはっはあ! 拒否権なんてないんだよ!」
青年が最後のボタンを外した。
白く、何の飾りもないブラジャーだけが少女の胸を守っていた。
「おらっ!」
「ぐうっ…………………」
だめ押しというように、少女の腹がもう一度叩かれた。
もう、吐ける物は残っていない。
少量の胃液と胆汁が少女じょ口の端から漏れただけだった。
少女の目から、涙が溢れた。
少女の記憶が、走馬灯のように一気に溢れる。
ああ、私、犯されるんだ。
ああ、ごめんなさい、お父さん。
私、もうダメみたい。
ごめんなさい。
ごめんなさい。
青年の手が少女のスカートに掛かった。
「暴れんじゃねえぞ」
青年がスカートを下ろす。
隠れていた太ももが露わになり、内股の白く輝く毛が晒される。
「うひひひっ、きれえな毛並みだなあ」
青年が、更にその下も脱がそうと、爪を引っ掛けた。
「ご開帳……………」
その瞬間、青年がかけた南京錠をはじき、吹き飛ばされた扉が何かしらのタンクに突っ込み、轟音を響かせた。
「何だ!?」
青年が音がした方を振り向いた。
そこには、砂埃の中に立つ巨大な人影があった。
その人影は両の目をぎらつかせ、地をも揺るがさん程の怒声を響かせた。
「貴様あああああっ! 俺の娘に何してくれてんだあああああっ!」
*ヒーローがあらわれた
…………言いたかっただけです。
すいません。
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