表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

第1話 剣聖見習いの朝

初投稿になります!よろしくお願いします

朝の光が入ってきて、俺は眼を開ける。

そのままではまた寝そうなので、体を起こし、眼をこすりながら起き上がる。


カーテンが開けられた窓から光が差し込んできた。

昨日閉じるのを忘れてたようだ。


取り敢えず、ベットから降りようとするが、

足に激痛が走る。

昨日の修行の影響がかなり体に出ているみたいで

全身にハリが刺されたように痛い。


俺に与えられている部屋の壁に掛けてある『時計』を見ると、現在の時刻は5時半であった。


いつも起きる時刻より早いので、ベットにまた潜りたいという願望に駆られるが、それに抗って、自分の部屋から出る。


部屋から出ると黒大理石の床が綺麗に磨かれている廊下に出る。いつもなら、この辺りにいるメイドさんにお礼の言葉の一つをかけるのだが、今日は用事もあるので速歩きで屋敷から出る


この家は剣聖の家系の屋敷であり、王都の建物の中で、王城を除けば、2番目に大きい建造物だ。


俺は屋敷から出るとすぐに大気中の魔力を腰にかけている鞘に集中させる。すると剣が形を見せる


剣聖の家系にのみに許されている魔法、『具現剣』

名前だけ聞くとしょぼいが、鞘に魔力を集めるだけで

剣が実体化する。それが故に鞘さえあれば、自分が所持している剣を自由に呼び出せる能力だ。


もちろん、俺もこれを真っ先に教えられた。まだ

剣聖クラスの剣に対しては使えないが、現在与えられている剣には使えるので問題ない。


鞘に剣が入り重さが増し、走りづらくなるが、できるだけ速く走る。


森の中に入ると、すぐ意識を耳に集中させる

俺の探し人は修練場をいつも変えるが「森の中が集中できる」とこの森の中でいつも修行している。


耳に意識を傾けて、数分後、風切り音がしてきた、音のほうを見ると、俺の目でもわかるぐらいの剣気が漂っていた。


俺はその方向に走っていった。近くほど、風切り音もしっかり聞こえるようになった。俺は、その音を発している原因の男に対して叫ぶ


「悪い、親父、遅れた」


そこにいた男は俺の叫び声に反応して振り向いた。


「ふむ、俺は朝の剣の修行は強制してないが?」


俺の親父、グリム・アル・グリアルトは低く、そしてよく響く声で俺の言葉に反論してくるが、だいたい食事の時に歴代剣聖のことを語ってくる。

しかも、朝の修行をしない時に限って

流石にそこまで大袈裟にやられたら、修行しろと

遠回しに言われているのは察しがつく


「まぁ、やるからにはしっかりやれよ」

「へーい」


俺は父親の言葉を適当に流して、腰から剣を抜く。

そして、剣を上段に持って行き下段一気に振り下ろす


その斬撃に空気が気づかなかったかのように、剣が振り下ろされ、数秒立ってから


ビュウン!


と、風切り音と一緒に強風が自分に向かってくる。

普通の剣士であれば、最上位の 『SSランクの剣士』でこの領域に達する。その為、これだけできれば十分だ、それが『普通の剣士』なら。


「ふむ、昔に比べたら上出来になったが、まだ、剣筋が乱れているな。」


俺の今の振りを見た親父は俺の剣を解析してきた。

勿論、今の振りは酷いものではあったと自負している、それこそ改善点を挙げればキリがないぐらいには。


「本当の振りというものは」


親父は剣を上段に構える。

その動作だけで周りに音が一切なくなった。

木の葉が擦れ合う音、鳥のさえずり、水の流れ

音が、親父の剣を怖がるように遠ざかっていく。


そして、親父の剣が振り下ろされる。

剣聖の家で鍛えられている俺ですら、振り下ろされた剣を見るのだけで精一杯だった、親父の剣は一般人にはまだ上段に構えられているように見えている。


そして、その後、音は一切ならない。

親父は文字通り、『風を斬った』。


「こういうことだ」


親父はその圧倒的に速い斬撃から『神速』の剣聖呼ばれている剣聖だ。


「お、おお、、、」

こういうこと と言われても全くわからない。

そして、親父は俺をじっと見てくる、俺は剣を上段に構えて、最大の速度で振り下ろした、が。


ブゥオン!


というさっきよりも重さが増した音だった。

親父は俺の剣を見て、「ふむ」というだけだった。

当然だが、親父の領域に行くのは元から諦めてたし、剣聖になるということも諦めていた。


「お前の剣は実戦でどうにかしなくてはならないようだな」


親父は剣を抜く。

練習に使っている剣は全て同じ性能で、親父のも俺の剣と同じの筈なんだが、圧倒的にあの剣が業物に見えてしまうのは親父が根っからの剣聖だからだろう。


そして俺も剣を構える。昔は勝ってやる!と意気込んでたのが懐かしい。

実力差は圧倒的すぎる。


そして、両者、剣を構えた。

無言だったが、両者とも同じタイミングで体を動かした。


先手は親父だった。

親父は右上段から左下段に振り下ろす、ただそれだけだった。

俺は、その攻撃を受け流そうとするが、受け流す暇すらなかった、その一撃だけで、剣を叩き落とされた



気になったところあれば感想にお願いします!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ