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だーれだ  作者: 化化怖幽魔
5/5

友達 菜摘の場合

 駆け足で、一気に書き上げました。

 私には、友達がいない。人付き合いは、自分でもいい方だと思うのに、何故か友達と云える人がいない。先日1年の時クラスメートだった鷺岡君が自殺して亡くなり、昨日、彼のお葬式に行った。そこでも、私はぼっちだった。野球部の試合でエラーして、そのエラーが敗因でチームに迷惑をかけたことで悩んでいたらしい。何も死ぬことないのに。きっと、同じクラスになれてたら、彼を死なせたりしなかった気がする。そんなことを思いながら、今日も友達のいない教室に入る。私の席のすぐ前には、不自然に空いた空席が2つある。その空席を見て、とある都市伝説の噂を思い出した。朝のホームルームまでは、まだ時間があったので、スマホで検索してみた。

❝『だーれだ?』と後ろから目隠しされて、身近に知ってる人の名前を云えば刺殺され、答えられなかったり、いい加減な名前を云えば絞殺される。しかも、それで殺された人間は、初めから居なかった人の様に、生きてる人の記憶から消える。❞という。この2つの空席は、実はこの都市伝説で殺され、記憶から消えた人で、友達だったかもしれない。そんな空想に耽りながら、制服のポケットに入っていたメモ書きを取り出した。普段こんなところにものを入れないのに、登校中ふと気になってみたら入っていたメモ書きだ。それは、何故か暗号文みたいになっていたので、学校に着いてから解こうと思っていたんだ。

 ちょっとだけ、難しかったけど、ホームルームが始まるまでに何とか解けた。


 ❝はるいろにしきのうらら❞ アナグラム?


 確かお米の銘柄にあった様な? それが私の幻の友達の名前?


 そして、運命の昼休み。

クラスメートが20人はいる教室の中で、後ろから目隠しされた。

 「だーれだ?」 心当たりのない女子の声に、答えられずにいると、首を絞められたのだ。恐怖の中で必死で叫んだ。

 「きらら!」 その瞬間、首に感じていた圧迫がなくなった。

 「ありがとう。憶えていてくれて。」 その声に振り向いた。でも、そこは何事も無かった様な、いつもの昼休みの教室の風景だった。


 ---あれから2年の時が過ぎ、私は大学生になり、

 「ねえ、菜摘!」

 「あ、菜摘、こんなところにいた。探したんだよ。」

 「よ、みんなの人気者、なっちゃん。」 あの頃とは打って変わって、たくさんの友達に囲まれて、とても幸せなキャンパスライフを送っている。葵も、珠江も、沙也加も、千鶴も、久実も、輝も、佳織も、真子も、理沙も、みんな私の大切な友達だ。

                                    おしまい



 最後までお付き合い頂きまして、ありがとうございました。<m(__)m>

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