表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
トンネルの向こうは異世界!?  作者: 神代零
3章 腐敗した王国
29/33

第二十八話 ギルド

はい、どうぞ!

 


 ステータスが変わっていたことに疑問を持ち、受付にいた女性に聞いた。




「……なぁ、何故ステータスが変わったのか教えてもらえないか?」

「え、知らないのですか?……あ、村は聞いたことがない名前でしたね。辺境みたいな場所にでも住んでいたのですか?」

「まぁ、そんなところかな」


 曖昧な返事に受付嬢は呆れながらも、詳しく教えてくれた。アリアに聞いても良かったが、説明するなら目の前にいる受付嬢の方が詳しいだろうと判断だ。


 説明を聞くには、このステータスの更新方法は約20年前から見つかっており、先ほどの手を乗せた魔道具が本人の能力値を判別して、カードを持っている間はステータスに数字が見えるようになると。自分の力を理解して、適切な魔物と戦えるようにと配慮だと言う。




「成る程な、魔物の実力がわからないと話にならないんじゃないか?」

「それなら、ここにある本に魔物の強さが出ております。当たり前のことですが、未確認の魔物もいますので、挑む時は気をつけて下さい」

「了解だ。あ、これを清算してくれるか?」


 そう言って、魔法袋から出したのはこの前に討伐したコカトリスの核だ。




「え!この大きさは…………二級魔物クラス!?」


 この受付嬢の声が大きかったため、周りにいた人に知れ渡ってしまった。後ろで待っていたテレサからも驚きの気配を感じ取っていた。震える手で受け取った核を魔道具の上に乗せて、魔物を判別する。




「で、出ました。二級魔物のコカトリスでした…………どうやって?もしかして、他に仲間が沢山いるのですか?」


 一人でやったとは思えず、目の前にいるジュンがコカトリス討伐のリーダーであり、その代表として持ってきたと思っていた。




「あ?一人でやった。あんな食料の鳥は誰にも殺せるだろ」

「っーーーー」


 ジュンはなんでもないように、一人でやったと言って、受付嬢は絶句して固まっていた。固まっていないで、早く清算しろと言おうとした所に、ジュンと受付嬢の言葉を聞いていた男が現れた。




「おうおう、コカトリスを食料の鳥だと馬鹿な男は……ぶげぉあ!?」

「五月蝿い、そんな定番はいらねーよ!」


 まだ話の途中であったが、ジュンは面倒事を先に潰すべく、割と強めなデコピンで噛み付いてきた男を縦トリプルアクセルという妙技を見せて、入り口からギルドの外まで吹き飛ばしたのだった。

 他の面はデコピンだけで、あそこまで吹き飛んだことに呆気に取られる中、アリアだけは咄嗟に額を両手で抑えて、泣きそうな顔になっていた。今までされていたデコピンでも充分痛かったのに、まだ上にあったことに恐怖を覚えていたのだ。

 吹き飛ばされて、地面にキスをしている体勢になっているが、死んではいない。ジュンは頭蓋骨に陥没が出来ないように、力を調整していたので、気絶だけで済んでいるのだ。




「……え、は!?ここで私闘は禁止ですよ!!」

「私闘?デコピンをしただけで、私闘と言うのか?」

「あ、いえ…………」


 呆気に取られていた者の中で受付嬢が一番先に気付いて、注意をしようとしたが、ジュンの一言に狼狽えてしまう。

 確かにデコピン程度では私闘と言い難い。そんな威力を出して、何を言っているんだと周りは思っていたが、口には出せなかった。その一撃だけでも、ジュンは普通の人ではないと感じ取ったからだ。

 そんな空気の中、ジュンはカードの更新とお金を貰ってから、ギルドを出たのだったーーーー






 ーーーーーーーーーーーーーーーー







「貴方はね……、さっきは衝撃過ぎて聞けなかったけど、何者なのよ?アリアは大人三人相手に圧倒するし、ジュンは二級魔物を狩るとか…………そういえば、銃の攻撃を余裕で避けていたわよね……」


 ようやく心の整理が出来て、今に思えば、ジュン達は謎すぎる。アリアが持っている刀はなんなのか?二人の強さが普通の人からかけ離れているし、コカトリスを一人で狩ったのもすぐに信じられない。

 強いと思えば、ジュンはステータス更新のことを知らなかったり、聞いたこともない村の出身だと言う。ジュンが書いた村の名前は、ニホン村だったがテレサはそんな村に記憶はない。

 なら、他の大陸から来た可能性を考えたが、一緒にいるアリアは帝国出身で、何故一緒にいるのもわからない。


 疑問が口から次々と出るが、教えてくれたのは最低限の情報だけで、他は秘密だったり曖昧に答えられて、殆どは何もわからない状態である。




「質問に答えてやったんだから、お前のステータスの数字を答えてもらうぞ。どれくらいの差があるか気になるからな。アリアのも教えてくれ」


 テレサは最低限しか聞かされてないから、断ろうと考えたが、断った後のことが怖いので答えることにした。まず、アリアから教えてもらった。ステータスは自分のしか見れないようで、口から教えて貰うことしか出来ないのだ。アリアのステータスはーーーー




 ーーーーーーーーーー


 アリア・トレンニア


 筋力:900

 物耐:600

 魔力:1200

 俊敏:1350

 魔耐:1200


 ーーーーーーーーーー




 次に、戦いを知らないテレサ王女様のステータスになる。




 ーーーーーーーーーー


 テレサ・エージェリア


 筋力:150

 物耐:200

 魔力:500

 俊敏:300

 魔耐:500


 ーーーーーーーーーー



 戦いを知らない人のステータスは平均200~300ぐらいになり、兵士で熟練された者なら、平均1000を超えることもある。そう考えると…………




 ーーーーーーーーーー


 ジュン・ヤガミ


 筋力:1800

 物耐:800

 魔力:1500

 俊敏:2100

 魔耐:1500


 ーーーーーーーーーー




 このジュンのステータスは常人よりも高いのがわかるだろう。

 だが、その数字は『夜咫烏』の強化前であり、強化すれば、さらに上がることになって化け物に近い数字になるだろう。神器を扱えれば、その化け物みたいな数値になる可能性を秘められている。だから、この世界は神器使いが一番上に立つ存在として見られている。




(ステータスに数字が付いたのは驚いたが、敵より早く殺せばいいのだから、問題はないな)


 ジュンは数値に拘らず、自分自身の力を信じているのである…………






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ