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4話 研究所


「付喪神、アイテム化30%クリア」

「よし、従来のアイテム化より早く、かつ付喪神に負担をかけない形でてきているな!」


 いろんな国の訛りのある英語が飛び交う。ここはレーテル研究所。アイテム化の研究が行われていて、各国共同で遂にアイテム化の進化を見せる時が来た。と気合を入れる者が多く居る。

 そんな中、実験の成果に喜んでいる彼はこの研究所の局長、アダルバート・モーガンである。彼はアメリカ代表の研究者で、今回の付喪神アイテム化プロジェクトの最高責任者でもあった。


「局長。順調に計画が進んでいますね」

「おぉ、タナカ!チェン!二人とも良く来てくれた!」


 局長の元に来たのは日本代表の研究者、田中(たなか) 博昭(ひろあき)と、中華人民共和国代表、陳権孔(ちぇんごんこう)だ。因みに、二人が共同で考え、提出した付喪神『進化』案が今の研究を大きく進めているらしく、この二人と局長、更にもう一人ロシア代表の研究者が主体となっていたとのこと。


「やぁネ、タナカくんはとても面白い研究のことを話してくれるから、少し遅れてしまったヨ」

「すまないね。後で日本の料理を振る舞うから許して」


 タナカは片手を顔の前にあわせる。それにチェンはおぉ、美味しいものが食べられる!と喜んだ。


「あー、君たち、私を忘れていないかい?」

「あ、いたんですか局長」

「酷いよタナカ!?」


 この二人の掛け合いは日課のようなもので、仲良くなる為の基本らしい。だが、上下関係まで消えてしまったようてあった。

 とそこで、あっと呟き、急に思い出したのかタナカはモーガン局長にこう話を続ける。


「そういえば、午後から会見の時間です。質問攻めになると思いますが、くれぐれも細心の注意を払ってください」

「分かっているよ。では行ってくる」


 真面目なときとオヤジなときと、しっかりスイッチの切り替え、モーガンは局長としての顔をして、マスコミの多く居るホールへと向かった。


「モーガン局長がお見えになられました!」


 誰かが言ったその言葉と共に、モーガン局長は姿を現した。と同時にけたたましいフラッシュ音と激しい閃光が焚かれる。モーガンはかなり眩しい光に慣れていない為か、目をやられ、足元が覚束なくなる。コケそうになったところも撮られたため、内心呪った。


「さて、今回私達が進めている研究について、発表しようと思います」


 手を広げ、大きく身振りする。素晴らしい成果をこれから披露するかのように。


「まず、皆さんはツクモガミという、モノに宿る神を知っていますよね?」


 質問を問いかけるが、返ってくるのがフラッシュだった。その事に少し泣きそうになりながら、モーガン局長は話を続ける。


「ツクモガミには幾つかの姿があります。

 まず、人型。これは言うまでもなく人間の姿をしている状態を指します。

 次に神型。これはいろんな姿を取り、幾何学的でもあったり無かったり、実に様々な姿をする状態を指します。中でも、獣の姿で発見される報告が多いです。

 そして、アイテム型の3種類です。厳密に言えば、人型と神型の二種類ですけど……」


 記者たちは少しつまらなさそうに聞いている。まるで、早く本題に入れと言わんばかりの態度だ。


「さて、今回のアイテム化計画、『進化案』ですが」


 そして本題に入った瞬間、記者が喰い付かんばかりに起き上がる。ペンを取る。モーガン局長は、その気迫に負けそうになりつつ、続ける。


「んんっえー、私達は神の力による新たなエネルギーを得ました。我々はこれを神エネルギーと仮に呼んでいます。これはアイテム化することにより、そのモノに半永久的なエネルギーを持たせることができるのです。

 しかし、ツクモガミの怒りに触れる可能性が高かったり、失敗してモノが壊れたりすることもあります。今回の研究では、そのデメリットを軽減することと、神エネルギーの一般化を目指しています」


 ここから膨大な説明に入らなければならない。一呼吸をおいて、気合を入れる。モーガン局長は、さてどこから説明しようかと考え、言葉にし始めた。


「一般化にあたり、まずモノについて話さなければなりません。

 モノには持つことのできる状態、触れることしかできない状態の二種類に分かれます。

 まず、持つことのできる状態とは、一般的な物体、道具のことを指し、えー、問題なく日常的に使用できる状態のことを指します。

 次に、触れることしかできない状態とは、一見モノを持っているように見える状態であっても、それは指先で触れているだけである状態のことを指します。

 2つの状態の違いはモノを壊せるか壊せないか、と言えば分かりやすいでしょうか」


 ここで一回水を飲む。口の中がとても乾いていた。 さて、続いての説明に入らねばと、用意されていた調査報告書を一枚めくる。


「報告によりますと、もう既にデメリットの軽減に関しましては幾つか成果は出ています。このまま実験が成功すれば、一般化も実現可能と言えるでしょう。

 では、一般化について話します。

 一般化とは、モノのアイテム化を行うことで、ツクモガミをモノに定着させて持てる状態にし、神エネルギーを使用できるモノに変え、そしてそれが誰でも使用できるようにすることを指します。

 普及され、神エネルギーと共に新たな人類の進歩がそこには約束されている事でしょう」


 モーガン局長はそこで話を締める。ここからは質問タイムだとマスコミは気合を入れた。モーガン局長は身構える。

 だが、一人の介入によって、質問できる時間は無くなってしまったのだった。

誤字脱字誤文乱文御免!

発見次第、連絡をください。

感想も受け付けてます!

それと、この話以降は亀更新になるかもです。

あと、ここの設定がいまいちな感じがするので後程に修正するかもです。

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