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プロローグ

一応ストックはありますが、当分亀更新ですorz

 ひらり、ひらり。

 銀色の花弁が舞い落ちる。

 このドーム状の広場の天井はガラス張りで、月の光がその花びらをキラキラと輝かしていた。

 その幻想的な場所にふさわしい様な形で、ガラスケースがドームの中心にポツンと設置されていた。そのガラスケースは上品に作られており、光沢が高級感を表している。

 そのガラスケースの中には青銅の矛があり、その外見は錆ついて、数千年前から存在していたように見えた。触れてしまえば、壊れてしまいそうな……崩れてしまいそうな……。

 それを大切にしまうガラスケースの上に、ひとりの女性が座っていた。女性は扇子をバッと広げると、口元を隠すように持ってくる。桜色の着物と、その着物にさらりと流れるような黒い髪も相まって、より一層その女性を美しく魅せた。


「そなたは誰ぞ?」


 か細く、しかし耳に届く凛とした声が、この広場に広がる。彼女の問いの先には、一人の少年がたっていた。全身黒色の服を纏い、髪と目は漆黒な少年。その少年の双眼は女性にしっかりと向けられていた。


「何十、何百、何千年も生きているはずなのに、随分と若いな。もう二十一世紀だぞ?」


 少年の声はドームに響く。見た目通りの若い声はしかし力強くあった。女性は少しまゆを動かし、少々不機嫌そうに続ける。


「妾の問いに答えよ。そなたは誰ぞ」


 それに少年は口角を吊り上げてこう言った。


「……俺は―――」


 その声は突如舞い上がった銀の花弁によって消される。

 だが、女性には聞こえていたようで、その表情が歪んだ。


「貴様、まさか――!」

「もう、遅い」


 女性が叫ぶ瞬間、少年はガラスケースの前に立ち、その青銅の矛を手にしようとしていた。


「止めろ!妾を持つでない(・・・・・・・)!!」

「……神なんて――――――」





 女性が叫び、少年が呟きつつ青銅の矛を持ったとき、それは発生した。

 女性が変形しだしたのだ。まるで炎のように、蒸気のように、獣のように、液体のように……。幾何学的な形から、その範囲を超えた、理解し難い形に女性は形を変え、やがて蒼い化物となった。


『【(「おオ御緒織尾麻御居折小オォォォ! ニん間メぇェぇ!

ユるさ()ゾぉぉォ!」)】』


 先程の凛とした声とは違い、いくつもの重低音とありとあらゆる高音が、まるで音の不協和音とでも言うかのような不安定な叫びと化していた。


「化物……そうだ。お前はこの青銅の矛から化けた、神様(ばけもの)だ。俺は、お前らを使う前に壊さなきゃなんねぇ……すまねぇなっ!」


 彼は両手でその矛を握り締め、膝で折ろうとする。だがその時、既に女性は化物に変化し終え、少年に攻撃を放った。その攻撃はまるで、すべての恨み憎しみを宿しているかのようだった。

 そして―――








 パキリ










誤字脱字誤文乱文御免!

発見次第、連絡をください。

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