プロローグ 第1話「助けてくれたのは・・・」
初めまして、翡翠といいます。
すごく書きたくなって書きました。どこまで書けるかわかりませんが頑張ります!
連載ですのでどうか、お付き合いください。
プロローグ
僕はずっと探しているんだ。あの子のこと。
あの子・・・。
誰かって?
それは決まっているじゃないか。
僕のお嫁さんになる人だよ。
そう、きっといつか出会えると信じてる。
だから、早く生まれてきて?
僕のお嫁さん。・・○○○。
僕はずっと待っているよ。
助けてくれたのは・・・
「やば!遅刻だ!」
僕の名前はゆうき。
優しい希望と書いて優希。両親がつけてくれた素敵な名前だろ?
って、そんな事話してる場合じゃないんだ。
中学3年生で受験生なんだけどちょっとやばい事態だ。
え?何がやばいかというと。
今日は高校の入試なんだけど
うっかり寝坊しちゃったんだ。
このままだと、入試の開始時間に間に合わない・・。
だから、こうして走っているんだけどね。
「危ない!」
「え?」
突然女の子の声がして身体が宙に舞った気がした。
気がつくとさっきまでいた場所とは全然違う
どこかの屋上にいるようだった。
「もー。ちゃんと左右確かめてよね?危うく死んじゃうとこじゃない。」
「ごめん。急いでたんだ。今日、高校の入試で遅刻しそうだったんだよ。ああ大変だもうすぐ始まってしまう。」
どうやら僕はトラックに轢かれそうだったところをこの女の子に助けられたようだ。
でも、どうやって?だって、さっき空を・・・飛んだ・・よな?
「だからって、命を粗末に扱っちゃダメだよ?あ、そうそう君の入試会場はここでしょ?ここ、学校の屋上だから、この下に降りれば大丈夫だよ。じゃ、入試頑張ってね。」
「え、ちょっとまって!君は・・・」
何者なの・・?
と言う前に女の子は消えてしまった。
なんだったんだろう。それに名前も聞けなかった。
また・・会えるだろうか?
入試のできはまずまずだったと思う。
多分、受かると思うけどあんなに勉強したのに
今朝のことが気になってしょうがない。
あの子はなんだったんだ?
急に消えちゃうし、僕をトラックから守ってくれた。
できることなら、会ってちゃんとお礼を言いたいのに。それにさっきから胸の奥がざわざわするんだ。この気持ちはなんだろう?あの子のことが頭から離れない。
そんなことを考えながら家に帰っていると
交差点の向こう側の路地裏へ今朝の女の子が入っていくのが見えた。
「あ!あの子・・・!」
僕は駆け出していた。
今度は信号を確認して青信号の横断歩道を渡り、
女の子が入っていった路地裏へ走る。
「待って!君にちゃんとお礼がしたいんだ!」
そう叫ぶが女の子はどんどん先へ進んでしまう。
「足が早いな・・。」
僕は女の子を追いかけていて気がつくと知らない場所に来ていた。
「ここはどこだろう?」
周りを見渡すとそこはどこかの丘のような場所で1本の大きな桜の木が植わっていた。まだ桜が咲くには早いはずなのにその桜の木には満開の桜の花が咲き誇っている。
「きれいだな・・・」
しかし、さっきまで街中の路地裏を走っていたのにそこを抜けるとこんな場所にでるなんて・・・
15年生きてるけどこの場所に来るのは初めてだ。本当に僕の住んでる街なのだろうか?
「あーあ。ついて来ちゃったんだねー。上手く巻いたと思ったんだけど・・・」
不思議そうにあたりを見渡していた僕に可愛らしい声が話しかけてきた。
「あ!君は誰なんだ?どうやって僕を助けてくれたの?それに、ここはどこだい?あ、その前にお礼を言わなくちゃ!助けてくれてありがとう!それに、君のおかげで入試もちゃんと受けることができたよ。」
「もー。いろいろせっかちさんなんだね。いいよぉ。まぁ、今度からは気をつけてね。命は1つしかないんだから。あと、いろんな質問を一気にするんだから。1ずつ説明するね。」
「あ、ごめん。色々あったからちょっと混乱してて。うん。今度からは気をつけるよ。」
そう言い終わると女の子は可愛い顔が笑顔でより一層可愛くなった。
「そういえば、名前言ってなかったよね?私の名前ははるか。春の華って書いて春華っていうの。で、うーんなていうのかな、私のことを皆ユーレイって言うよ。ちなにここはあの世とこの世の堺みたいなとこかな。」
なんとなく・・・そんな感じはしてたけどまさかホントにユーレイだったなんて・・。
僕は今どんな顔をしていたんだろう?ふいに春華と名乗った女の子が言う。
「そんな顔しないでよー。せっかく助けてあげたのに、まぁ、ユーレイに助けられるなんて嫌だよね・・・。」
「そんなことないよ!助けてくれて本当に感謝してる!まさか、あんなとこで死んじゃったらいろんな人が悲しむし僕だって入試前だったから心残りありまくりだよ。だから、えっと春華さん。ありがとう。」
「春華でいいよ!なんならあだ名でも(笑)」
「じゃあ、ハルって呼ぶよ。」
「うん。とりあえず、私は死んじゃってるんですね。だからここにも来れるしお空だってふわっと飛んじゃうの。でも、君が無事でよかったなー。君が轢かれそうなとこみた瞬間助けなきゃ!!って思ったんだよ。普通ならこんなことしちゃいけないんだけどね。ユーレイ会の掟を破ることだし・・・」
「え?掟?大丈夫なの?」
「うーん。破ったのこれが初めてだし、どうなるかはわからないけど君が無事ならそれで十分だよ。」
「そんな・・・何か大変なことにならないといいけど。それに、なんだか僕も君のことが心配なんだ。できれば君が痛い目にあうなんて嫌だ。」
「ま、そんな心配しないでよ!きっと大丈夫だから。そうだ、呑気に話してる場合じゃなかった。君はここに長く居ちゃいけないよ!あんまり長くいるとユーレイになっちゃう。ここの霊力は強すぎるんだよ。だから早く人間界に戻らなきゃ。」
「そんな。まだ話したいこといっぱいあるのに。」
「また会えるよ。君が生きててくれればね。さ、早く行こう。ちょっと失礼。」
ハルがそう言った途端僕の体は空に浮かんだそして意識が遠くなっていく。
待って、ハル。君とはまだ一緒にいたいんだ。なぜだろう。離れたくないとも思うんだ。まだ会って数時間しか経ってないのに。君のことが心配だよ。僕のせいで掟を破らせてしまったんだね。君は大丈夫と言っていたけど本当に大丈夫なのか?ああ、また君に会えますように。僕は心の中で君が無事なことを祈るよ。
「なんだよ。元気ないな。入試よくなかったのか?」
僕の顔を覗き込んでいるのは幼稚園から一緒で幼なじみの亮。
「まぁ。大丈夫だって、お前結構勉強してたしな。きっと受かってるよ。」
僕の肩をぽんぽんと叩く。
「別に入試のこと心配してるわけじゃないんだ。多分受かってるし。」
「ちぇー。なんだよせっかく心配してやってのんに。やっぱお前頭いいいもんなー。ってじゃあ何に落ち込んでんだよ。」
「いや、たいしたことじゃないさ。」
そう言うと僕は教室を出て屋上へ向かった。
屋上の風は気持ちよく、僕の悩みも風にのって飛んでいってしまいそうだ。このままハルのところに飛んでいければいいのに・・・
「それは無理かなー。その変わり私が会いに来ちゃいましたよー。」
「その声は!ハルか?」
「ピンポーン!さぁ、私はどこにいるでしょうか?」
ハルの声だけがして、そう問いかけられる。
「そんな。見えないよ!姿を見せておくれよ。」
しょうがないなーと言ってハルが姿を現す。
「もー。心配しすぎ!大丈夫って言ってじゃない。次したらすごい罰を受けちゃうみたいだけど、今回は見逃してくれたよ」
そんなことを言って笑っているがハルの両足には包帯が巻かれている。ユーレイでも包帯を巻くんだな・・・
「元気そうで・・よかったよ。でもその包帯はどうしたんだ?」
「え?えっと・・・これはさ・・・。」
ちょっと考え込んだあとハルが口を開く。
「まぁ、見逃してもらえたのは本当だけどちょいとお仕置きな感じ?今、足が消えちゃってて・・・。さすがに透明なのはやだし包帯巻いて見えるようにしてるの。」
「そうか。ごめんね?でも、君が消えちゃったりしなくてよかった。この前言っただろう?もっと話したいことがあるって。でも、今からは次の授業があるからまたあとでいいかな?だからまた僕に会いに来てほしいんだ。」
僕、気がつかなかったんだけどどうやら顔を赤くしていたみたいで
「うーん。そんな赤い顔されて言われると断れないなー。でも、そう何度も生きてる人と接触することはできないんだよ。ユーレイ界の掟って結構厳しいの。だから、君が心配してたし、だから元気なところ見せてもう、会えないって伝えに来たんだよね・・」
え・・・。せっかく会えたのに!このままお別れなのか?
「そんな。じゃあ、もう絶対会えないのか?」
「そうだね・・・。私が転生できて新しく生まれ変わるか、ユーレイ界にお許しを貰えれば・・あるいは・・あ!でも、ユーレイになるなんてダメだよ?私は君の体を借りて君のことを助けたんだけど
、君には私の力っていうか生命力?あ、生きてないから、ユーレイ力かな、が残ってて君が死んでも同じ力を持っている同士は会えないんだよ。」
「せっかく会えたのに・・・。でも。お許しが貰えればいいんだよね?どうやったら・・・」
ハルは空に飛びながら
「そう簡単にはいかないんだよ。それに生きてる人とユーレイが関係を持つことはよくないことだよ!だから、私のことはもう忘れてね?じゃ!もう、飛び出しなんてしちゃダメだよ!」
じゃあね!そう言ってハルはあっという間に消えてしまった。
ハルは言っていた。ハルが転生できれば会ええるって、それかユーレイ界にお許しを貰うか・・・
それでももう1度ハルと会いたい。
きっとハルは僕の運命の人なんだ、この胸のざわざわが止まないのはハルがそばにいないから・・
ああ。ハルがユーレイじゃなくて普通の女の子なら・・・。
何か、僕にできる方法はないだろうか・・。僕はもんもんとしながら教室へもどっていった。
ここまでよんでいてだきありがとうございました。
今後も続いていきますのでよろしくお願いします。
翡翠