走れ
走っている。
走って、走って、走っている。
となりにいたはずの子たちはいない。
みんなが僕を見ている。
ただ先頭を目で追う者。嫉妬や憧れの感情を向ける者。
誰が僕をどう見ようが関係ない。
走って、走って、走りまくる。
僕は走るのが大好きだ。これまでも、これからもきっとそれは変わらない。
これからもきっと僕は先頭を走り続ける。
もう一度後ろを振り向く。さっきまでと変わらないみんなの感情。
しかし感情はさっきより大きくなってて……
僕はこれからも走っていく。それは変わらない。
僕はこれからも走ることを愛し続ける。それは変わらない。
僕はこれからも先頭を走り続ける。
きっと……これは変わってしまうだろう。
だってあれはあんなにも輝いてるのだから。
星が死を迎える時遠く離れた銀河からでも見えるくらい輝くらしい。
だけどあれは違う。あれは生きる目的を見つけたような、眩しいほどの輝きだった。
綺麗だ。
僕は今どんなふうに見えているだろうか。
いや、きっと今の俺は輝いてるはずだ。とてつもなく眩く、未来を知らせる祝福のメッセージかのように。
ああ、分かった。今の俺は星なんだな。
地球には神がいる。
それは空想上の存在ではないし、スピリチュアルな話の類でもない。
実際に四柱の神が生き、存在している。
神は圧倒的な力を持ち、瞬く間に人間達を支配し、国を治めた。
ある時ある神が提案した。
神の座が四つもいるか?と。
そして200年前に生き残る神を選ぶための選定の儀のルールが決まった。
人類は怯え、絶望した。
神の遊びにつき合わされ、朽ちていくのだと覚悟した。
しかし人間の期待に応えるかのように選定の儀は始まらなかった。
人類は疑問に思った。神に試されている?すでに始まっている?選定の儀は嘘?
神は怒った。自分こそが最強と示すための選定の儀が始まらなかったからだ。
始まらなかった理由は明白だった。選定の儀の開始条件である四柱の生存を満たして無かったためだ。
死んだのは翠の国を治めていた神だった。
誰が殺したのか?自分で死んだのか?なぜ死んだのか?どんな思惑があって殺したのか?選定の儀はやらないのか?人類はどうなるのか?別の方法で決めるのか?
残された神たちは別の方法で王を決めようとしたが、選定の儀のルールによって選定の儀が終わるまでの間は実行できなくなっていた。
誰もが状況を理解できないまま200年のときが経ち、舞台は墨の神が治める朱の国。
それぞれの国には大規模の学園都市がある。
朱の国には、国のなかでも上澄みの特殊能力者を集める学園を紅魔堂学園と呼んでいる。
そして俺はこの学園の新入生として校門の前に立っていた。




