最終章 終息(試作)
初めて書くので拙いところがあるかもしれませんが大目に見てくれると助かります。
これはあくまで試作として最終章のラストを書いたものです。好評でしたら最終章に行き着くまでも書きますので感想や評価をお願いしたいです。
彼は、あの子と行ってしまう。
気づいてる。もう、振り向いてくれないことくらい。
だけど「どうして」ばっかで、変われないよ。
したいよ、したいよ、したいよ、したいよ。
離れたくないよ。
…ダサい感情は忘れよう。
私は、彼のために男と寝た。
醜い、一方的な愛。
何も感じなかった。ただ終わるのを、待ち
——もらった。
彼を取り戻すためなら、罪悪感も後悔も、ない。
「最後にもう一度だけ、会ってほしい」と言った。
少しだけ、ためらった。
でも「股を開く」と言えば、あっさりとうなずいた。
あとは、いつも通りの成り行きだった。
彼の中に、自分を流し込むように抱かれる。
もう、これを愛とは思わない。
わかってる。今この瞬間でさえ、彼の目にはあの子が映ってる。
もう、構わなかった。
私は彼に触れられることで、彼の中に呪いを植え付けることだけが目的だった。
舌を絡めながら、「好き」と囁く彼の口先だけの甘い言葉、これでもっと聞ける。
終わったあと、息も整わぬまま、私はそっと告げた。
「……これであなたも、」
「え?」と返す彼の目は、確かにさっきとは違っていた。
すこしだけ、私に似ていた。
勝利と空虚を、割れたグラスに流し込んだ。
これが私からの祝いだよ。
これでもう、あの子とは、繋がれない。
静かで涼しい二人だけの夜。
頬と太ももを伝う液は、冷たかった。
これであなたも、
──最終章 完。
パラサイト
初めて書いた作品を読んでくれてありがとうございます。評価、感想を書いていただけると嬉しいてす。