第2話探索者試験
『おい武器はどうすんだ?ないなら試験用の武器を貸し出してもらえ』
「武器は持ってないんで貸し出してもらってきます!」
ということでダンジョンに行く前にギルドに併設してある武器やアイテムなどが買える場所に来ていた周さんは先にダンジョンの入り口に行くと言って一旦別れた。このギルドはダンジョンも併設しているから迷うことはないな。武器屋の店主に初心者貸し出し用を聞いて無難なロングソードにした。
ダンジョンの入り口に行くと周さんが待っていた。
「おまたせしてすいません」
『そんな待ってないから気にしなくて良い、それより武器は手に入ったか?』
「はい!無難にロングソードにしてみました」
『ロングソードか、まぁ初心者には使いやすいか。ステータスが手に入ったらちゃんと自分の合った武器使えよ』
「はい!やっぱり自分の合ったスキル合わせないと危険ですよね」
スキルって色んなのあるからなー自分は何のスキルなんだろ。
『あぁ、例えば近接なら剣とか盾だな、遠距離なら杖だったり弓だな。もっとも遠距離のスキルをもっている人口は100人に1人の割合だかな』
今の探索者の人口は500万人を超えたばかりだった気がする、5万人居るってことか、探索者は未成年でも試験さえ受かれば出来るので若者に絶大な人気がある。
『周さんはやっぱり近接なんですか?』
なにせこの人背中に大剣背負ってるしこれで遠距離スキルだったら詐欺だよ!
『あぁ俺のスキルは近距離特化だな。あとで見せてやるよ、そろそろ入るぞ』
あーワクワクするな、今回入るダンジョンは日本で一番安全なダンジョンで知られてる。なにせ1階層はスライムしか出ないし2階層も丸腰のゴブリンしか出ないよっぽどのことがない限りこのダンジョンでは怪我しないらしい。
「思ったより明るいですね?洞窟なのでもっと暗いし狭いと思ってました」
『ダンジョンにだって色んな形があるだよ、例えば有名なのだと草原型か迷宮型あとフィールド型も在るぞ。草原型はダンジョンなのに太陽みたいなのがある広いし一番多いのもこのダンジョンだ、迷宮型はとにかくめんどくせぇ、道が変わるし狭いからモンスターに挟み撃ちにされる可能性も高い初心者が一番命を落とすのは迷宮型だな、フィールド型は特殊で連戦でボスが出てくる』
「色んな迷宮があるですね楽しみです!」
「聞いてる限り迷宮型に旨味ってあるんですか?危険なだけな気がしますけど」
『迷宮型は宝箱が多いんだ、宝箱に入ってるのはポーションや武器など入ってるな。宝箱に入ってるアイテムは作れたりしないから貴重で高値で取引されてる、実際トップの探索者は殆どのヤツがダンジョン産だぞ』
「あーだから初心者が一番亡くなるんですね」
『そうだ迷宮型はパーティーを組んだりしながら行けよ。さっさとステータスを獲得しろステータスは考えれば表示されるはずだ』
そう言われて頭の中でステータスと思い浮かべたら突然目の前に出てきた。
「おわっ!これがステータスなんですね」
(ステータス)
名前:結城真白
年齢:16歳
性別:男性
職種:魔術士
Lv .1
HP:10/10
MP:30/30
筋力:6
耐久:6
魔力:15
魔耐:7
敏捷:6
器用:9
スキル
無し
EXスキル
支配
これがステータスかスキル支配ってなんだ?レベル1にしてはMPと魔力がやけに高いし他のステータス値も平均以上だし。例を挙げるなら近接の剣士のステータスはこれだ。
Lv .1
HP:8/8
MP:5/5
筋力:7
耐久:6
魔力:3
魔耐:6
敏捷:6
器用:5
スキル
剣術
これが一般的なステータスで遠距離の魔術系も大体が10を超えることがない。そんなことを考えてると周さんが話しかけてきた。
『ステータスは獲得できたみたいだな。そんじゃ今から試験始めるな、まぁースライム一匹倒すだけだしあんまり緊張せずやってみな』
周さんはスライムの方へ歩いていった。周さんについて行きながら支配でなにが出来るのか考えていた。どうやら周さんがスライムを見つけたらしい。スライムを見るとぷよぷよしていて可愛らしい見た目だった動きも鈍く少し透けてるから核も見やすい試しにスライムにスキルを使ったら何故かスライムのステータスが出てきた、これ凄い便利なのでは?
Lv.2
HP:4/4
MP:2/2
筋力:3
耐久:5
魔力:2
魔耐:5
敏捷:1
器用:1
スキル
無し
これがスライムのステータスだ、うーん悲しいぐらい弱いレベルはスライムの方が高いがステータスが全部弱い。これはよっぽどのことがない限り怪我しないな。たまにダンジョンはイレギュラーを作ることがあるイレギュラーはそのダンジョンの適正レベルの二倍のステータスを持ってると言われてる。まずはスライムに支配を使ったらプルプル震えていたのが止まっていた。
「うん?スライムが止まった、もしかして動けなくしてるのか」
まだよく分かんないけど取り敢えず核に剣を突き立てる。あっさりと核が砕けスライムは消えていった。
「おー思ったより簡単に砕けたな、おっ!これが、魔石か」
一番小さいサイズだから換金しても100円にしかならない。まぁー今はいいかもっと支配を使ってなにが出来るのか確かめたいな。
『やるじゃねぇか、モンスターでも命を奪うからトドメを刺すのを躊躇してそのままこっちが死ぬなんてことよくあるからな、トドメをさせないなら探索者なんて辞めたほうがいい。その点お前はしっかりトドメを刺してたし問題ねぇな、試験は取り敢えず終わりだ』
「はい!ありがとうございました。」
そのままダンジョンから出て周さんと別れてギルドの受付の人のところ行って探索者カードを貰う。そのカードにはFと書いてある。
『お疲れ様でした!最初なのでFからですね。』
「探索者のランクについて教えてもらえないですか?」
『大丈夫ですよ。ランクはF〜Sまであって一番上がSなんですけど、例外がありましてSより上が世界には6人居ますね。日本には2人居ます、その方たちはSランクの方と比べても強さが違いすぎて超越者を作ることにしたんですよ』
凄いなSランクの人は日本でも10人しか居ないのにそれより上が居るんだ。
「あれ?Sランクの人はよくネットとかでも観る機会が多いんですけど超越者の方たちが居るなんて初めて知りました」
『あー超越者の方たちはほとんどダンジョンに潜ってるのでネットでもそんな認知されてないんですよね。それに超越者の方たちは強すぎて国と相手取れる程なのでテレビなどの取材が出来ないんですよ』
国を個人で相手取れる人が居るなんてビックリした、いつかその人にも会ってみたいな。
面白いと感じてくれたら、★評価していただけると嬉しいです!