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デッドマスターはあんまり動じない  作者: 八神 黒一
2章 異世界情緒金稼ぎ
30/332

030 第一回新規カード開封会

 二人は閉館時間である夕方六時の鐘まで図書館に居座った後、帰りに屋台広場で土ウサギの串焼きを出す店に寄ったり他の店を回ったりしていくらかおかずを買って、それらに合わせてマリーが手を振るっての夕食となったのであった。

 

 夕食後、味が大幅に改善した評価五点茶もとい格段においしくなったお茶を飲みつつ、二人は駄弁っていた。

 話題は、新しいカードについてであった。

 

「ところで、まとまったお金が入ったわけですし、そろそろ新しいカードを手に入れてはどうですか」

「金が入ったのはマリーさんだと思うけど、いいのか?」

「もちろんかまいませんよ。私もある程度好きには使いますが、基本的に主さまがお使いください」

「俺冒険者からヒモにジョブチェンジしちゃったな」

「ヒモらしくぱーっとパック買っちゃってください」

「……なんかヘコんできた」

「とりあえず大金貨五枚くらい行っちゃいましょうか」

「太っ腹だなぁ。そうなると、ランダムを大金貨三枚で残りをリンカーコールに使ってみるかな」

「誰が来るか予想しましょう」

「二枚分? んー。なんか今は必要な状況みたいなのはなさそうだから単純に使用率だよなぁ?」

「使用率が高い方が出やすいというだけで確定ではないみたいですよ。私は確定でしたが」

「初期キャラクターが万能キャラで金策チートなんですが」

「なにか問題ありますか?」

「ありがたい限りだけど、なんか申し訳なくなる」

「そういうの気にするんですね」

「そりゃまぁするよ」

「気にせずたくさん感謝していただければ結構ですよ」

「めっちゃ感謝」

「感謝薄いですね」


 ウェイトリーはそんな軽口を交わしながら、来るなら誰だろうかと思い浮かべてみた。

 どうにも探索系のキャラが上がるばかりで戦闘系のキャラが来るようなイメージがわかないのはプレイングのせいだろうか、そうだろうな、と納得をしながらテーブルに置かれた大金貨を端末で回収した。


「ケイちゃんとか来ませんかね」

「ケイシーか。まぁ強いキャラだな。そこそこ使ってた方だし。

 でもインドアだから呼んだら怒りそう」

「それはそうかもしれませんね。であればやはりリグレットさんあたりでしょうか」

「リグさんなぁ。来てくれるとものすごい心強いけど、多分八等級冒険者やってるうちは出番無いだろうな。

 赤子の手をひねるような依頼に騎士団長殿を呼ぶのもな」

「そんなこと言い出したら多分三等級くらいまで出番ありませんよ」

「違いないな」

「主さまは誰か思い当たるフシはないんですか?」

「キャラクターならこれかなあって思うのは一人いるかな。ジョージとか来そう」

「あーあのおしゃべりレイスですか。やっぱり探索キャラなんですね」

「まぁアイツうるさいけどめちゃくちゃ便利だしなぁ。

 でもスペルとかも含むならめっちゃあるぞ、葬焔に三者に目印に増幅召喚、あと回復関係もろもろにコンバ系ってところか」

「コンバージョン系のスペルって大体アンコモンですよね? 百万払って出たら結構がっかりですね」

「その辺普通に怖いな……」

「まー気にせず一回目行ってみましょう!」

「試してみるか」


 ウェイトリーは端末を操作して、リンカーコールパックを選択して、CPを支払った。

 すると、マリーを引いた時と同じく、真っ白に漂白されたカードが一枚端末の上に浮かび上がり、ウェイトリーはそれを手に取った。

 

 するとたちまちにカードが色を帯び、内容が顕わになった。

 はたしてその内容とは。

 

 

――――――――――――――――――――――――――

[As]大怨霊の天墜滅焔雨 LR


 必須ステータス:INT 500 以上

 発動コスト:MP3000 CC1000

 リチャージ:168時間


 [レイドスペル][INT依存大ダメージ][超絶広範囲][深度9:炎上]


 『ベルボア墳墓の大怨霊』の最終奥義


 天を堕とすかの如く無限とも思える焔の雨を降らせるスペル

 かの大怨霊の怨嗟のように 当たればその焔は

 命を燃やし尽くすまで消えることはない


 ※レイドスペル

  発動には以下の条件を満たす必要がある

  戦闘時間が一時間を超える

  CC1000以上所持

  CC500以上消費済

――――――――――――――――――――――――――



「いや俺、コレ、使ったことねぇし」

「何がですか?」


 カードをそのままマリーに見せれば無数に降り注ぐ焔の絵柄に、あー、と納得したように声を上げた。

 

「ものすごくつながりが深いカードなのは間違いないですね」

「そりゃそうだけど」

「全部避けるようなことをするからこういうことになるんですよ」

「なんか腑に落ちないなぁ……」


 普通は炎上対策をキッチリ積み、魔法防御力の高いプレイヤータンクの防御・ガード系バトルスキルで凌いでもらっている間に攻撃して攻め落とす攻撃を、単独で全て避けて倒したのは神野Pも舌を巻くプレイングであったのは間違いなく、パターン練習用と自分の攻略実績用に録画していた映像データを妹に動画配信サイトに勝手に公開されたのもこの動画だった。

 間違いなくウェイトリーを代表するいくつかのやらかしの一つである。

 この上なく関わりの深いカードの一枚であった。

 

「せめて普通に使えるようなカードが欲しかった」

「言っても仕方のないことかと」

「感じたね俺は。ガチャの闇をさ」

「この場合、闇があるのは主さまの方だと思いますよ」

「次いこう次」


 同じ手順でカードを引いて、漂白されたカードを手に取れば、そのカードを引いた理由に得心がいった。

 

――――――――――――――――――――――――――

[etc]銀の葬灰 SR


 必須条件:『デッドマスター』CLv6 以上

 発動コスト:なし

 リチャージ:なし


 [死者への手向け][アンデッド葬送][広範囲]


 冥河城の主が作った弔いの灰


 冥府への道を見失った魂の道しるべとなる銀の灰

 この灰を撒けばたちまちに魂は至るべき道を思い出し

 その場所には死者の安寧と生者の清浄が長くもたらされる

――――――――――――――――――――――――――



「こいつは……」

「これですか」


 カードを覗き込んだマリーもなるほどといった様子で頷いた。

 

「これはつまり幽霊屋敷と、街の外のあの場所を何とかしろってことだな」

「そうでしょうね。街の外のはずれにある、小規模修正点ですよねあそこ」

「そうだな。直ちに戦闘になるって感じじゃなさそうだったから鍵だけぶっ刺してこようかとも思ってたが、まぁ、このカードはぶっちゃけ欲しかったといえば欲しかった。

 ただイベント専用カードでプレイヤーが好きに使えるタイプのカードじゃなかったはずだから考えもしなかったけど」

「幽霊屋敷イベントといえば間違いじゃないんじゃないですか?」

「まぁね。現実になったら特定の場所でしか使えないとかないわな」

「これは忍び込むことになりそうですね。ワクワクしてきました」

「まぁー、なくてもそのうち行こうとは思ってたんだけどね」

「だと思いました」

「明日の夜にでも行くか」


 やれやれといったしぐさをするマリーに、いつもの表情をしたウェイトリーは明日の夜が決行日であると告げ、そのカードをデッキケースにしまった。


「それじゃぁランダムパック、えー百八十枚分か。サクサクとやっていくか」

「大岩何枚出るかで賭けましょう!」

「やだよ縁起でもない。一枚あれば十分でもう一枚持ってるんだよ」

 

 膨大な枚数ではあるがカードゲームでは一番楽しい部分でもある。

 ドキドキワクワクといった風情で購入し開封を行っていく。

 端末に表示されるカードの裏面が表になる演出を二人で一喜一憂しながら眺めていれば、十三パック目の内の一枚のカードに稲妻が走るような演出が入った。

 

「おぉきたよ」

「七十四枚目ですか。確かレジェンド確率って三パーセントでしたよね? もう少し出ててもいいような気が」

「言うな」

 

 マリーの煽りのような呆れのような言葉を交わしつつ、そのカードをタップしてめくれば、その内容が明かされる。

 

 

――――――――――――――――――――――――――

[Cu]始まりの黒 暗夜道 (オリジナルブラック クライヨミチ) LR


 必須条件:ボス『始まりの黒 暗夜道』の撃破 『デッドマスター』CLv10 以上

 発動コスト:MP1500

 リキャスト:非戦闘時 30分


 [空間浸蝕:始まりの黒][通常物理・通常魔法ダメージ完全無効][深度Ex:発狂]


 『人は暗闇の中でこそ本当の自分を見つけれられる』


 『黄昏の国』に語り継がれる三体の最上位種“クラヤミ”

 『始まりの黒(オリジナルブラック)』の内の一体

 “クラヤミ”がもたらす直接的な死者の数では他の二体には遠く及ばないが

 『暗夜道』に出会った者の多くは正気を失い 闇を恐れ 死に怯え

 そして自死を選んだ

 死なずとも多くの者がいまだ心を病み

 微かな光に狂気的に縋るような生活を続けている

 日中の明るさが薄い『黄昏の国』では あまりにも致命的な最凶最悪の一体である


 ひとたびその空間浸蝕に取り込まれれば 精神に闇に対する恐怖が刻まれる

 闇の恐怖から逃れるには

 暗闇のなかで『本当の自分』を見つけなければならない 

――――――――――――――――――――――――――



「はい封印」

「いっそ清々しいほどに同意ですね」


 EWOのサービス開始から二年目のハロウィンに開催されたホラーイベント、『黄昏の国の暗闇狩り』というデッドマスターメインの全体イベントに登場した三体の大ボスのうちの一体。

 ぼうっとしたシルエットに真っ黒な襤褸切れを纏った成人男性と同じほどの背丈の丸い影のような姿をしていて、一見すれば弱そうに見える。

 他の二体の『始まりの黒』はそれぞれイベントストーリーの中盤に出てくるパーティボスと、イベントの最後に出てくるレイドボスを務めていた。

 その二体は物理的・魔法的にもハチャメチャな攻撃を繰り出す真っ当にボスらしいボスであった。

 EWOでは「デッドマスターメインのイベントはなんか難易度がおかしい」というものの例に漏れず、なかなかにイカれたイベントではあったのだが、『黄昏の国』の雰囲気のよさや設定の面白さ、そしてやりごたえと怖さ。

 これらが合わさってなかなかに評判のいいイベントであった。


 あった。

 隠しボスであり、単独挑戦ボスである最後の『始まりの黒(オリジナルブラック)』である『暗夜道(クライヨミチ)』が発見されるまでは。


 あらゆる物理・魔法攻撃が通じず、必ず相手から最初に攻撃される。

 魔法防御力や状態異常耐性といったゲームシステムでは防げない『深度Ex:発狂』。

 その正体は、空間浸蝕にて異空間に取り込まれ、点滅を繰り返し今にも消えそうな街灯が長く続く、“暗い夜道”だけがある空間に放り込まれるのである。

 キャラクターフレーバーにそぐわない空間浸蝕によってもたらされる異空間に取り込まれたプレイヤーが、体調不良でゲームから強制切断されるということが頻発し、急遽メンテナンスにて設定に「『深度Ex:発狂』の演出をオフにする」という項目が追加される始末。

 しかしオフ設定にすると『暗夜道』との戦闘中、SPとMPがゼロで固定され、まともに攻撃できなくなる。予めキャラクター呼んでおいても空間浸蝕に取り込まれて戦闘が終わるまで帰ってこない。

 アイテム類もダメージを与えることはできず、何をどうしても倒せない。

 しかし『暗夜道』は基本的に空間浸蝕以外の攻撃はしてこないので、お互い見つめあうしかできないという謎の状況が生まれるのである。

 もちろん安易に近づけば影の剣のようなもので切られて凄まじく手痛いダメージを受けるのだが、離れていれば本当に何もしてこないのである。

 そう。

 『暗夜道』はまごうことなきクソボスであった。


 イベント評価は急転直下に下落し、設定とか雰囲気いいのにクソイベじゃなないかという空気。

 誰もが討伐を諦め、『暗夜道』は放置するか、頑張ってにらめっこするか、空間浸蝕に取り込まれて頭おかしくなるかを選択する中、ゲーム内のイベントアナウンスに一つのメッセージが流れる。

 

 『最後の『始まりの黒』が討伐され、黄昏の国を覆う暗闇は払われました。

 三体すべての『始まりの黒』が討伐されたため、イベントに参加した全てのプレイヤーに特別イベント報酬が配布されます。

 また、まだ報酬取得条件を満たしていないプレイヤーはイベント期間内に条件を満たすことで報酬を得ることができます。

 残りのイベント期間もお楽しみください。』


 このメッセージと共に、ほとんどのプレイヤーが参加したレイドボスのカードか専用装備、パーティボスを倒したプレイヤーには追加してそのパーティボスのカードか専用武器が配布された。

 この条件は、その対象を倒した戦闘に参加したか否かであった。

 カードはデッドマスタークラス限定なので、デッドマスターの者はカードで、それ以外のプレイヤーが専用武器・装備交換券であった。


 これにより、クソイベムードはやや好転し、まぁ悪くなかったか、終わりよければまぁよしくらいの評価に落ち着くのであった。

 

 しかし、疑問がある。

 もちろん、誰があの『クソボス』をやったのか、である。


 一部の攻略勢や上位プレイヤーはもしかして? と考えたが、件のその人は隙あらば不気味な風貌の魔女を連れて『黄昏の国』の図書館で本をめくっては街でウロウロ、図書館に戻っては資料を読みふけっているのがほとんどというのを目撃されているので、違うんじゃないかという評価であった。

 イベント期間中、その核心を持てたものは終ぞ誰もいなかった。

 

 まぁ。

 誰がやったかなど、使用条件が語っているので答えるまでもないことだろう。

 

 二人はスンッと表情をなくして封印を決定し、カードの開封を再開する。


 開封されたカードの中にはウェイトリーが欲していて名前を挙げたカードも多く含まれていた。

 

 

――――――――――――――――――――――――――

[As]葬焔 SR


 必須条件:INT200 以上

 発動コスト:MP300

 リキャスト:3分


 [INT依存大ダメージ][撃破ユニットを葬送][炎属性][深度6:炎上]


 死者も生者も等しく葬る焔


 元は墓守が死者を火葬するのに使われていた火の術式

 それが墓荒らしに対して放たれたのが始まりであった

 死体を焼く炎は生半可には消えはしない

――――――――――――――――――――――――――



――――――――――――――――――――――――――

[Is]三者の意志 SR


 必須条件:INT150 以上

 発動コスト:自キャラクターを3 葬送する

 リキャスト:1分30秒


 [INT依存中ダメージ×3][追尾]


 三人の怨霊が絶えず付きまとう魔法攻撃


 合意によってなされて三者の死は定めた相手を追い続ける

 我らは逃がしはしないのだから

――――――――――――――――――――――――――



――――――――――――――――――――――――――

[Is]亡者の目印 R


 必須条件:『デッドマスター』CLv3 以上

 発動コスト:MP50

 リキャスト:30秒


 [ターゲット指定][マーキング][トラッキング][ハイライト]


 執念深い亡者の印の魔術


 指定したターゲットをマーキングし任意の時間の間マップなどに表示する

 また足跡や痕跡などを強調表示し

 一定範囲内であればオブジェクトを貫通して輪郭を強調表示する

――――――――――――――――――――――――――



――――――――――――――――――――――――――

[Is]コンバージョンウォール UC


 必須条件:なし

 発動コスト:MP20

 リキャスト:30秒


 [自キャラクターを葬送][自キャラクターの防御力をアップ]

 [効果時間45秒][連鎖]


 死は絶えず連鎖する


 葬送した自キャラクターの防御力の5%を別のキャラクターに加算する

 また他の「コンバージョン」と名の付くカードにて

 上昇効果持続中に葬送された場合

 効果時間はそのカードの効果時間に上書きされ上昇効果は持ち越される

――――――――――――――――――――――――――



「妥当に欲しいところがそろってる感じいい。やっぱレジェンドなんていらんかったんや」

「負け惜しみですね」

「悲しくなるからハッキリ言わないで」


 目を反らしつつ、パックの開封を続ければ、二十二パック目にお待ちかねの稲妻演出が走る。

 ウェイトリーは一度目を瞑り、祈るようにカードをタップし内容を確認する。

 

 

――――――――――――――――――――――――――

[As]魂命修復 (ソウルリコレクション) LR


 必須条件:INT400 『デッドマスター』CLv10 以上

 発動コスト:CC150 または MP1500

 リキャスト:30分


 [HP極回復][欠損回復][状態異常完全回復][種族不問]


 死を統べる者こそ 生の全てを知るものなり


 教会のそれとは異なる『生・死属性』極致魔術の一つ

 体力は健常なる命に満たされ

 肉体は立ちどころに在りし魂の姿を思い出し

 身体を蝕む異常は全ては取り除かれる

 魂は等しく世界に満ちるものなれば そこに違いなどありはしない

――――――――――――――――――――――――――



「おわー、最強回復きたー」

「これは大当たりなんじゃないですか?」

「だと思う。でも現実だとこれを使うシーンはなんかろくでもないシーンな気がする」

「わかりませんよ? 病に伏せる深窓の令嬢とかを癒して、きゃーすてきーってなるかもしれませんよ」

「深窓の令嬢に接点がないじゃん」

「作ろうと思えば作れそうじゃないですか?」

「どうやって?」

「そりゃお金の力ですよ」

「確かに割とすぐ作れそうな力だなそれは……。でもわざわざそんなことやって回るのはどうなんだ。

 まぁ……別に令嬢だろうがなかろうが見かけたら使うのもやぶさかではないけどもさ」

「面倒なことになりそうですよねぇ。宗教的勢力、なかなか幅を利かせてるみたいですよ。この国はそれほどではないみたいですが」

「っぽいよなぁ……。そんなところに超回復の大安売りなんてしたらどうなるやら」

「間違いなく宗教勢力以外からもめちゃくちゃ目はつけられますね」

「やるならこそっとだな。得意だし。こそこそするの」

「やめておこうとならないところは主さまのいいところだと思いますよ」

「ありがとう。続けるか」

「ですね」


 その後もカードを引き続けると、二十五パック目を引き終えた後に、端末にあるインフォメーションが表示された。

 

『ランダムパックにて新規取得したカードが百種類を超えました。以後、これより一年が経過するか、大規模修正点一か所が修復されるまでランダムパックでは新規カードは排出されません。

 またこれはスターターセットやリンカーコールパックでは適応されず、それらではこれ以後も新規カードが排出されます』


 その表示を二人はじっと見つめた後、ゆっくりと椅子にもたれた。


「制限とかあったんだな」

「一年か大規模という書かれ方をする以上、おそらくリソース関係か世界管理上の何かしらの問題があるんでしょうね」

「まぁ妥当っちゃ妥当だな。正直に言えば、およそ戦うのに必要なカードは引けたと思うし、これで無理でもリンカーコール一点引きはまだできるみたいだから問題ないな。

 というかこの状態で問題あるならあとどんだけ引いてもたかが知れてるだろう」

「主さまなら多分そんなことはないと思いますが、実際現状では過剰かもしれないというのは正しいかもしれませんね」

「とりあえずはちゃんとデッキは組めそうだ。デッキスカスカの落ち着かなさからはこれで解放だな」

「お茶でも入れますか」

「ほしい」


 立ち上がり台所へと向かいお茶の準備を進めるマリーを見送りつつ、端末で新規取得したカードの一覧を改めて確認する。

 同じランクの別効果、別属性のカードなんかにいくらか空きがあったりはするが、およそ欲しい部分は引けたんじゃないかな、などと思いつつ、ゲーム開始時からあるカードにかなりに寄っているような感じもする。

 この結果を見れば完全にランダムではなくある程度セットが決まっていたのかもしれない。さしずめ異世界カードパック第一弾といったところだろう。

 

 カードの内容を流し見しながらあるカードで目が留まった時、マリーから声がかかる。

 

「そういえば、全部で『大岩』何枚出てましたか?」


 ウェイトリーは忌々し気に今ちょうど見ていたカードを凝視する。

 そこには燦然と輝く『四』の数字が踊っているのであった。




――――――――――――――――――――――――――

 以下、今回引いたカードリスト


引いた枚数/レアリティ/カテゴリ/カード名


1 LR Cu 始まりの黒 暗夜道 (オリジナルブラック クライヨミチ)

1 LR As 魂命修復 (ソウルリコレクション)


1 SR Cu ボーンタイラント

1 SR Cu アンデッドラッズ

2 SR Cu ゴーストキャット

2 SR Is 魂散弾 (ソウルショット)

1 SR Is 三者の意志 

2 SR As 葬焔

1 SR Fs 暗闇墓場

1 SR Fs 薄明の夜

1 SR etc歌姫の残骸

1 SR etc帆柱の残骸


2 R Cu ナイトスケルトン

2 R Cu ヘビーナイトゾンビ

1 R Cu マジシャンゴースト

1 R Cu 肉屋スケルトン

2 R Cu 農家スケルトン

1 R Cu 漁師スケルトン

1 R Cu 鍛冶屋ゾンビ

1 R Cu 木こりゾンビ

2 R Cu 大工ゾンビ

2 R Cu ウェイトレイス

1 R Cu 薬師レイス

1 R Cu 商人レイス

1 R Cu ゾンビタイガー

1 R Cu モンキーレイス

4 R Cu ボーンシャーク

2 R Cu ゾンビシャーク

3 R Cu ゴーストシャーク

1 R Is 亡者の目印 

1 R Is 修復 (レストア) 

1 R As 死者回帰 (リターンデッド)

2 R As 増幅召喚

1 R Bp ジャストパリィオン


1 UC Cu ボーンドッグ

1 UC Cu レイブンレイス

1 UC Cu パイレーツスケルトン

2 UC Cu パイレーツゾンビ

1 UC Cu パイレーツレイス

1 UC Cu 糸の切れた人形

1 UC Cu 噂好きの浮遊霊

1 UC Is 簡易修復 (インスタントリカバー)

2 UC Is コンバージョンヒール

1 UC Is コンバージョンチャージ

1 UC Is コンバージョンウォール

3 UC Is コンバージョンソニック

1 UC As ステータスブースト:STR

2 UC As ステータスブースト:VIT

1 UC As ステータスブースト:INT

2 UC As ステータスブースト:RES

1 UC As ステータスブースト:AGI

1 UC As フレアバースト

1 UC As ウォーターウォール

2 UC As アースハンマー

1 UC As トルネード

1 UC Bs ヘビースラッシュ

2 UC Bs ヘビースラスト

1 UC Bs ヘビーバッシュ

1 UC Bs スティングショット

2 UC Bs ヘビーショット

1 UC Bs キック

1 UC Bs ブロック

3 UC Bs パリィ

1 UC Bs ウェポンパリィ

1 UC Bp ステップワーク+

2 UC Bp HP+

1 UC Bp SP+

1 UC Bp MP+

3 UC Bp STR+

1 UC Bp VIT+

2 UC Bp RES+

1 UC Bp AGI+

1 UC Bp DEX+

1 UC Pe 鉄の短刀

1 UC Pe 鉄の大剣

1 UC Pe 鉄のラウンドシールド

2 UC Pe 鉄のカイトシールド

2 UC Ou 崩れた城壁

1 UC etc藻屑の残骸


1 C Is スカルピアサー

1 C Is アンデッドファイア

1 C Is アンデッドロック

1 C Is アンデッドウィンド

2 C Is ファストファイア

1 C Is ファストアイス

1 C Is ファストロック

1 C Is ファストウインド

1 C As ファイアアロー

2 C As アクアショット

1 C As ロックボルト

2 C As ウィンドカッター

1 C Bs スラッシュ

2 C Bs スラスト

2 C Bs バッシュ

1 C Bs パンチ

1 C Pe 鉄のナイフ

2 C Pe 鉄のロングソード

1 C Pe 鉄のショートソード

1 C Pe 鉄のブロードソード

1 C Pe 鉄のレイピア

2 C Pe 鉄のスピア

2 C Pe 鉄のショートスピア

1 C Pe 鉄のバックラー

4 C Ou 大岩

1 C Ou ツリーステップ

2 C Ou 頑丈な半丸太

 月初めは一日から更新したいと考えているので、次回更新は2/1になります。

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