徒然と書いてポエムと読む、その心
退屈と書いて、徒然と読む。
以前の私は、そう読んでいた。
しかし、今の私は違う。
いや、違わなかもしれない。
結局、人間は変わってないのだから。
当然か、まぁ私の思う所存でもあるが、
ポエムはワシの性に合わないのじゃ
ワシの性とは何だろうか?
ポエムとは何だろうか?
メランコリックに精神的なやっかみを引き起こす
元凶か?怪物か?
僕を悩ます精神汚染の元となるカルマ。
ディスティニーは線路の上にある。
飛び降りるなら今の内さ、君、
書く手を止める。
これ以上書けば、僕の心は、
線路を越えた先に待っている。
楽園は地獄、
地獄の園は見た目は楽園のように見える。
気を抜けば、そっちに足が向かってしまう。
僕の意思とは別に、そう。
「君は今、どっちの道を歩いているんだい?」
僕に問いかける謎の質問者、
姿として勝負師の格好、
はたまた、人によっては道化師、
別々の人格の仮面を被っている限り、
人の心の中を映す目から醸し出る心象風景は
技巧派、自然派、印象派何のその、
あらゆる血色の犠牲を働いて生み出したるは、
画伯と世ぼれる大物の大家の絵ではなく、
面白さは失ってから気づく喪失の元に変革がなされていった。
「何が?言いたいのだ、君は」
僕は、彼に訪ねる。
どうやら、仮面を剥がそうと試みるものの、
剥がれない、接着剤の類いなるものが着いているのか?
とも思ったが、もし仮に着いていると、したら、
接着剤独特の匂いがしているっていうもんだ。
すると、仮面の男は聞く?
「僕は、誰なのか?わかるかい」
突然だったから、僕は、とぼけたような、呆気にとられたような印象を持つ感じを相手に与えてしまっただろう。
「誰?うーん」
正直に言えば、逃げ出したかった。
しかし、逃げ出すようにこの部屋は出来てはいなかった。
逃げ出せるのなら、きっと、草原と深い藍色と水色と少しばかしの白いパウダーが風景画のように彩っているから。
そう言えないのは、絵にして白、何も彩られておらず、何物にも染められていない白が辺りを覆う。
とある研究者が行った。
何もない部屋に、例えば、無音の部屋に真っ暗にして閉じ込めたら、人は短時間で出ていこうとするらしい。
あいにく、そこまではなくて、
仮面の人と話している時点で、
音が存在しているし、仮に人だとして人はいるから、
問題はない。
問題と言うなら、そう、疑問を知りうるには質問するしか、情報を手にいれる手段しかなかったというものだ。
仮面の人は口を開く。
「僕は、何者でもない、それが僕だ」
仮面は依然として剥がれなかった。
「この仮面は、死ぬまで剥がれることはないよ、」
仮面の人は剥がすような素振りを見せるが取れない。
「君にも仮面はあるだろ、その仮面が取れる時ってもんは、向こう側に言った時だろうよ、死んでも取れないこの仮面ってもんは、重たくて荷物みたいなもんだからね」
「じゃあ、僕が?いる意味はないじゃあないか!?」
僕は激しく言った。
獅子が崖に突き落とされてなお、生きるために母獅子に訴えかけるように、
「そうかなぁ、別に、君が真っ白に見えてるのは君自身の風景が作り出しているのかもしれないよ」
そして、仮面の男は付け足した
「僕は、この部屋というものを自由として見る。だから、怖いんだ。そして、外せない、束縛に変わる恐怖だからね、自由とは」
そう、僕の話している彼も、僕にとっては、仮面をつけていて、
おまけに見ている世界が違うというのだ。
つまり、この問題には……正解なんてなかったのだ。
「生きてる限り、世界の何処かに漂っているままなのか」
僕の目は、呆然自失に陥る、希望の反対は絶望、それを通り越しての虚無が僕を波に包み込む。
包み込んでしまえば、僕の生きる意味が解読不可能になる。
生きる意味?生きる意味ってなんだ?
僕の目が真っ白になって、加えて僕の体が、
全身が真っ白に石膏像のようになっていくのを感じた。
これが、ロダンの運命か?と言わざる終えなくて、
終末になれば、人は石膏になるのではないかと思うほどに、
「まぁ、焦る必要はないよ」
人でなくなる前に仮面の人が言った。
そして、続けていった。
「答えは近くにあるかもしれないし、遠くにあるかもしれない、見てごらん、この光を」
仮面の人はその光を抱きしめる。
「どうやら、ほら、ここにあったから、なんてあたたかいんだろう」
仮面の人は消えた。
僕は、凝り固まってしまった石膏像になる。
僕にはわからない気持ちが、わからない、わからない……。
白い部屋が無くなるのはいつなのだろう。
誰か助けてくれ!と口を開こうとするが、
像のせいか、開けないままだった。
部屋から、誰かが入ってきた。
悩みある人だということは確かだった。
「あの、人生の詩についての悩みが」
こうして、歴史は繰り返すと心に思いつつ、
「どうしたのだい?詩とはなにか?それを問おう」
今度は僕が勝負師として、はたまた、道化師として、
継承して続いていくのだった。
この部屋が無くなった時が、僕の新しい旅立ちの真の自由というのを信じて。