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夏休み最終日

作者: 小森愛詩

微エロって書いてるけど、本当に「微」エロです。何か注意されそうだからr15にしときました。


私の夏(休みの宿題)はまだ(一つもできていないから)終わらないぜ!


 七月二十六日、夏休み最終日の夕方。

 京都の夏休みはなぜか他府県よりも早く終わる。


「っ!?冷た!」


 いきなり左頬に冷たい物があたった。僕が彼女、キエに頼んでいたアイスキャンデーだった。


「いーつきー。買ってきたよ〜」


 さっさと受け取れ、と突き出してきた。ただ、キエが持ちての部分を持っているため、僕はアイスキャンデーを口で咥えて受け取った。歯茎にあたって変な感じがする。


「絵面がやばいね」

「フェ、から始まるものみたいって?」

「うん。あんたの見た目的にさ、ほら……ね?」

「何が『ほら、ね?』だよ」


 僕の隣にキエが座った。

 駄菓子屋の向かいにある公園。車通りが多い公園。

 僕は彼女を見た。暑さと湿気で汗ばんだTシャツ。うなじに張り付いたおくれ毛。溶けていくアイスキャンデー。それを咥えている小さな口。

 これ以上見たら自分が変態みたいに思えるからやめよう。


「宿題終わった?」

「うん」

「……」


 何も話さない。この反応はもしや、宿題が終わっていないのだろうか。


「僕はね、宿題が終わったからここにいるんだ」


 キエの口がアイスキャンデーから離れる。キエは僕の顔色をうかがう。


「……」

「終わってないんだね」


 小さくうなずいた。その拍子にアイスキャンデーがボロっとキエの持ちてから落ちた。太陽で熱せられた地面によって急速に溶けて液体と化していく。


「あぁ……。あァアアああぁァ」

「途中から楽しんでるでしょ」

「うん。そうだ、私伊月にパシらされたからその報酬として伊月のアイス頂戴」


 僕はすぐさま食べ終えた。これで僕のアイスキャンデーは奪われない。口の中がすごく冷たい。


「……まぁいいけどね。冷たいでしょ」

「うん」


 ――あ、宿題の話しから離れてる。


 楽しいから良いか、と放っておいた。

 今日は彼女と一日中出かけた。電車に乗ってバスに乗った。


「ねぇねぇー、次何する?」


 もうそろそろで五時半だ。二十七日まであと六時間半だ。


「そうだなー。今の手持ちで行けるところまで行くってのは?」

「足も?」

「うん」

「いいね」


 僕達はアイスキャンデーの棒を公園のゴミ箱に捨て、アスファルトの歩道に出た。

 トンボが目の前をすぅーっと飛んでいった。


名前の由来について。

名前決める時いつも意味のある名前にしようとするが今回はすぐ書きたかったので名前辞典開いて指差しでしました。

キエちゃん、名前的に昭和っぽいって思ってごめんなさい。

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