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2.「オセアニア」と「オノマトペ」

はい、こんにちは。

今日は、前回予告しましたとおり、「オセアニア」と「オノマトペ」についてのカタカナ比較をやります。

音位置共通値は5-1-1というのは、先週説明しましたね。

つまり、この二語については、「オ」しか共通している文字がありません。「オ」については音も出現順も同じなので、ここでなにげの関係性を生んでいます。そして、それ以外のそれぞれの四文字はすべて発想自由文字と考えることができます。

いいですか?

では、一語ずつ考えて行きましょう。

まず「オセアニア」ですが、これはある地域を示す言葉で、ウィキペディアで調べてみますと、広い解釈と狭義の解釈があるようでして、まあ、私の個人的な認識からいいますと、狭義の意味を取りたいと思います。つまり「ニュージーランドを含む、オーストラリア、メラネシア、ポリネシア、ミクロネシアの総称」ですね。

 次、残された四文字の発想自由文字を詳しく考えて行きましょう。まあ、つまり、なんでも発想したとおり自由に解釈していいよ、という意味ですが、あまり自由すぎ、音同士の関連が飛躍しすぎて、乖離してしまいますと、「めちゃくちゃ」ということになってしまいまして、学問としての意味が薄まってしまいます。ですので、関連づけて考える方法として、いくつかのヒントを挙げておきたいと思います。

 まず最初に考えられるのが、「オセアニア」の意味と各文字を関連させてみるということです。「オ」はオーストラリアの「オ」としてみます。オーストラリアはオセアニアの総面積の85パーセントを占めますので、もうこれはオーストラリアの「オ」で決まりということでいいでしょう。これに異論のある人は?

……、いないようですね。

まあ、このように関連が容易に見つかる文字は、発想自由文字の中でも特に思考するもなにもないわけでして、そういうのは、ただそこにあればいいわけですから、「在文字」と呼びます。ただしこの場合、最初に出て来る文字であり、音位置共通文字でもありますから、これはあとから問題になってきますので、覚えておいてください。

 残りの「セアニア」ですが、「ア」が二つありますね。これを2文字ずつに分けて考えた場合、「ア」はともに接尾カタカナというくくりで見ることができますね。「セア」「ニア」とね。

 まず「セア」ですが、ミクロネシア、ポリネシア、ミクロネシア、と、ぜんぶ「シア」で終わってますんで、まあ、この「シア」のなまったもの、みたいな雰囲気でいいかと…。

 いいですか?

で、「ニア」はそういうものが集まっている、つまり近くにあるってことで「ニア」ってなことで、全体に地域とか場所を表現しているし、どうにかこじつけられるかな、なんちゃって…、と思っております。

 はい、深く考えないで…。

 「オノマトペ」にいきますよ。いいですか~。

 「オノマトペ」とは擬声語。つまり、実際の音をまねした語ということは、皆さんご存じだと思いますが、ではこの中の「オ」は何か? 「音」の「オ」。これはもうこれで決まりでしょう。

 次、「オーストラリア」と比較するという意味で、残り4文字を2文字ずつに分けて考えてみます。

 「ノマ」と「トペ」となりますね。もう、これは音からの発想になんのつながりもない!

 ただし、私の個人的な経験を元にしますと、こじつけられなくもないのです。

 私に三十年来のつきあいのある友人がおりまして、この人が野間さんというんですね。比較言語学をやっている方なんですが、この方が独自のオノマトペを多用されるのですね。十年ほど前ですか、言語学仲間で北海道に旅行に行ったことがあるのですが、この時、旭川動物園に行ったんですね。そうしたら、ペンギンの行進というものがありまして、ペンギンがね、ヨチヨチと歩いて行くのですがね、これを近く見ることができるんですね。

 もう、かわいいし、近くで見ることで、私ども、だいたい四十歳から五十代半ばくらいまでの男ばかりの団体だったのですがね、皆、喜びまして、興奮しまして、

「いやあ、ペンギンの行進などというのを、見るとは思わなかったね」とか「見てみると、君、すっかり童心に返るね」などとね、喜びあったわけですが、この時、野間さんが、

「ペンギンってのは、トペトペ歩くねえ」と言いましてね、「君、なんだい、トペトペとは、そんな言い方聞いたことないよ」ってな話に展開しましてね。「普通、あれはねヨチヨチだろう」などとね、言語学に一家言あるオヤジの集まりですから、まあ、ちょっとした議論になったわけです。

そうしたら野間君がですね、「何を言っているんだ、あれは、よく見て見ろよ、トペトペ以外に、良い表現はないだろう」と顔を真っ赤にしましてね、言い張りましてね、皆で爆笑になったわけです。

 まあ、こんな私的な思い出を持ち出すのもなんなんですが、こういう独特の表現だったからこそ、妙に記憶に残ってしまっているわけなんですね。

 あら?

 なにかシラケたムードがありますが…。

 まあ、とにもかくにも、これで「ノマ」と「トペ」の説明はついたか、と思います。

 このような解釈を「牽強付会」と申しますね。自分の都合のよいように無理に理屈をこじつけること。これは先週も言いましたが、これこそがこの学問の一番おもしろいところです。つまり、ご都合主義です。これはですね、自然にできるようになりますと、ディベートとか言い訳とか、わりと実際に役立つことも多いですよ。

 そこの赤いシャツの君、鼻で笑っているね。まあいいよ。そのうち結婚したりしてね、奥さんとモメたりするとね…、言い訳が必要なこともありますからね、いろいろわかってくると思いますよ…。

 さて、この「オセアニア」と「オノマトペ」、この二語の音位置共通文字である「オ」ですが、これはそれぞれに、何度も言いますように、一番目に出て来るというところでも共通であるし、全体の概念を表す要となる、つまり要文字と言うことができます。そして、それぞれ、場所、音にちなんだ実態のある文字ということになります。

 これからもね、何か比較する文字を選ぶ時に、このような音位置共通文字、要文字を探すことから始めると良いでしょう。

 では、次回からは皆さんそれぞれに、比較する文字を探して来て下さい。そしてその文字について、一緒に考えていきましょう。

 今日は、質問は受け付けません。ここでおしまい。

で、一身上の都合をもちまして、この授業はしばらく休校になりますので、お伝えしておきます。従って、次回がいつになるかという具体的な日程をお知らせできないのですが…。

いつでも再開できるように、課題は考えておいてください。いいですか。

メールででもね、課題を考えついたら送って来てください。まあ、そこまで勉強熱心な人もいないか? わかりませんが、期待していますよ。

それでは、今日の授業はこれでおしまい。



このまま、だらだらと、カタカナを見つけては書いて行けるかと思っていたのですが、そうお気楽に作れるものでもなさそうなので、とりあえずここで終わりにすることにしました。

ただ、なんか、この先生の孤独感がわかるような気がしてきたので、他の形で書けるかしら? わかりませんが…。

もし、どなたか比較を続けていただけるようでしたら、お願いします。

その際、お知らせいただけると幸いです。

よろしくお願いいたします。

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