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カタログを持って異世界に行こう!  作者: 天野 洋
三章 ダンジョン放浪編
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無謀なる幻影 3

「そんなスキルがあるとは冒険者たちは言っていませんでした。すみません、私がきちんと情報を取得していれば…」


「いえ、私も敵のスキルを確認しておきながら脅威にならないだろうとお二人に伝えませんでした」


 エリアとコンが珍しくしおらしく謝っている

 獣娘とリザード娘もごちそうさまです、これでご飯3杯とは言わず5杯でもいけますと思いながら顔に出さないように必死に耐える


「エリアは情報については冒険者に聞いたんだろ? ギルドの職員とか信用が置けるような人ではなく」


「ええ、たしかに冒険者からこのダンジョンについて聞きました」


「それならこういう可能性は無いかな? この敵が作り出すガラスはエリアが言うには貴重なんだろ、だからこのガラスを持って帰れば儲かるから黙っていて、このダンジョンはお勧めできないと噂を広めたとか?」


「確かに冒険者は儲かる話とかは独占することはよくありますが…難しいでしょうね、ガラスは結構嵩張りますし割れやすいので馬車で運ぶにしても、魔物の襲撃などで簡単に割れてしまうことがありますから、それよりもこのダンジョンへの道はきちんと整備されていないので馬車では途中までしか入れませんから」


「そうかぁ、儲かりそうだけど結局は色々難しくて断念でもしたのかな」


「冒険者といえば私たちをよく襲ってきますし、欲望に忠実なので、普通に上手くいかなかったけど他の人が知って儲けるのが許せなかったとかが妥当でしょう」


「「ありそうだ」」


 コンの凄くありそうな予想につい俺もエリアも納得してしまった

 あいつらコンが霊獣にそっくりだからと襲ってきたり、命を助けてやったのに俺の剣とコンを狙って襲ってきたりと碌でもなかったからな


「しかし、あのようにガラスを召喚されるとまともに戦うのは難しいのではないかな? 幸いなことにあの敵は遠距離攻撃をしてきませんが、他の遠距離攻撃をしてくる魔物と一緒に現れると近づいて戦わなければいけなくなるでしょうし」


「エリアの言うとおりだな、一応俺は鷹の目を使えばガラスがどこにあるかは把握できるから近接戦闘ができるから二人には遠距離からの支援をお願いできるか?」


「分かりました、大斗がそう言うのなら私とエリアが遠距離を担当しましょう。それと一応他の魔物が変なスキルを持っていないかもう一度調べておきます」


「大斗がそう言うのなら私もコンと一緒に後衛をしよう、幻惑系についてはかなり厄介だから気を付けて」


「分かりました、それでは方針も決まったので魔物死体の回収と透明なガラスを回収しましょう」


 俺はそう言って粉々になっているものは放っておいて、まだ残っている3つのガラスを回収しに向かう


「う~ん、透明度は良いと思うんだけどサイズがばらばらだなあ。これって高く売れるの?」


 俺は手にしているガラスをエリアに渡し値段の方を聞く

 エリアもガラスの値段とか詳しくはないだろうが大体の値段程度は分かるだろう


「たしかにサイズ的には微妙かもしれませんが、この透明度なら子窓や装飾ガラスなどに使えますから銀貨くらいの値段になると思います。大窓となるともしかしたら金貨くらいの値段が…」


「安定して供給できればかなり儲かる?」


「確かに2級ダンジョンに数日潜ってさらに運が良ければ金貨ぐらい稼げますが、ここならこの透明なガラスを10個ほど持って帰れば稼げますから美味いといえば美味いと思いますが、割れる可能性があるので安全に儲けるためには大きなアイテム袋が要りますから…」


「アイテム袋かあ、そう言えばアイテム袋は貴重なんだっけ?」


「そうですよ、私がカイナーグ支部から借りていた大きいものが入る物となると白金貨の値段は確実にするでしょうし、そもそも、アイテム袋自体が供給よりも需要が遥かに高いので品薄で滅多に手に入らないので値段以上すると言われています。私も一応小さいアイテム袋を持っていますが緊急用の薬や食料それに野営道具でいっぱいになっていて、とてもじゃないけど魔物の素材なんて入らないよ」


「はぁ、それじゃあ普通はここで儲けるのは難しいという事なのか。俺たちならホームに荷物置き放題だからここだと物凄く稼げると思うけど…絶対に目を付けられるよね?」


「そうですね、やるにしても小さいガラスを多くても5枚くらいにした方が良いと思いますよ」


「カタログでそこそこの大きさの物を買ってエリアの物という事にしてしまえば…」


「探して見ましたけど大体10万ポイントくらいで4畳で高さ2メートルくらいですね。50万ポイント出せば家1軒分くらいの大きさが―」


「止めてください! ほんとそれ国家が動きかねませんよ!」


 その後10分ほどエリアからアイテム袋の有用性について俺とコンは聞かされることになった

 ゴーレムをアイテム袋に積めて首都にたくさん持ち込み暴れさせる事件とか、禁止薬物の持ち込みとか、王城に強盗に入り宝物庫からたくさん持ち出すとか、俺たちが思い付かない方法にも使われているらしい

 参考になったからもし使うときが来たらやってみようとちょぴっと思った事は黙っておこう


現在のカタログポイントは10673となっています。


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