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カタログを持って異世界に行こう!  作者: 天野 洋
三章 ダンジョン放浪編
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無謀なる幻影 1

「なあ、エリアほんとに行くのか? コンも止めた方が良いって言っていたし他のダンジョンにしないか? 名前からしてヤバそうなダンジョンなんだけど…」


「大斗もコンも心配症ですね、私が聞いた話では幻術やトラップがかなりめんどうですが二級ダンジョンにしては出てくる敵のレベルは低いそうですから大したことないですよ、そう知り合いが言っていましたから!  話したことのない顔馴染みたちが話していたのを立ち聞きしただけですけどね、ふふふ」

 

「エリアが言うのなら大丈夫なのか? いやでもあのダンジョンヤバかったしな… ん? 最後声が小さくて聞こえなかったんだけど?」


「いえ、なんでもないですよ 高レベルの幻術は命取りになりますが二級ダンジョンなのに大したことのない子供だましみたいなものみたいですから一度幻術がどういうものか体験してみるのには丁度良いと思いますよ」


「確かにそういった搦め手を一度体験しておくのは良いとは思う…思うんだけど、なんか嫌な予感しかしないんだ! コンもそう思うよな!」


「大斗の意見には概ね賛成できます、何かエリアが選んだ人気の無いダンジョンというのが…あのダンジョンによって恐ろしく感じられます。まずは慎重に街に行って情報収集をして行った方が良い気がするのですが…大斗の暴走を考えるとあと5,6個のダンジョンでレベル上げをしないと危なそうですね、街に獣人が多かったりすると…今までは運が良かったのですね」


「獣人! そういやこの世界に来てから数えるほどしか獣人に会っていない…すぐに街に行こうぜ! 獣人に会いに! ついでに情報収集で」


俺が歓喜の声を上げ街行きを支持するが、なぜか二人して溜息を吐く

 二人して仕方なが無いと言わんばかりの顔で


「さてエリア、ダンジョンに行きましょうか」


「コン、心配なら察知と鑑定スキルを併用して相手の手の内を事前に知っておけば安全なはずです、行こうか」


「え? 街に行かない?」


「「行きません!」」


二人して示し合わした様に返答されてしまった…

民主主義的に2対1でこのままなし崩しに幻術のダンジョンに行くことになるだろうが、やはり嫌な予感が拭えない


前のダンジョン臭悪なる深淵ではゾンビに鑑定しても臭いが凄いなんて情報は一切得られなかったのだ

一応安全マージンというか俺たちのレベルなら現状一級ダンジョンも普通にクリアできるだろうから大丈夫だとは思うんだけどね


そうして話し合った結果、結局幻術を使う魔物がたくさん居る二級ダンジョン「無謀なる幻影」に行くことに決定してしまった


俺たちは知らなかった…

このダンジョンの名前の意味とその怖さを




「さて! ようやくダンジョンに着いたな!」


「魔法の絨毯で四時間もかかるとは…転移結晶で移動するべきでしたね」


「まあ、でもエリアからこの世界の色々な話とか聞けたし」


「確かになかなか参考になりましたが、ずっと絨毯の上に座っておくのはさすがに疲れます」


「そうなのか? 馬車で数日移動などに比べればこれは凄い代物だぞ?」


「馬車…しかも数日だと… エリアさんそれってよくあることなんですか?」


「ん? 馬車は基本的な移動手段だ、お金が無い者は歩いて移動するが…他にも少数だがテイムした魔物を使い移動する者もいるが、それがどうかしたのか?」


 エリアが不思議そうな顔で青くなった大斗を見つめている

 コンの方は可哀そうな目で大斗を見ている

 おずおずと大斗は


「エリアさん、実はわたくし大斗は馬車に乗ると酔いまして…乗って数分もしないでまともに戦闘が出来なくなるほどひどいんです、はい。できればその手の移動手段で移動することが無いようにしていきたいのですが」


「そうなんですか?」


 エリアが不思議そうにコンに尋ねると仕方ないですねと


「大斗は前に一度馬車に乗ったことがあるのですが、その時すぐにダウンしました。あのダンジョンと同じですが、あれと違って耐性アクセサリーなどで防ぐ事もできないのであの手の乗り物は使えないと考えた方が良いです」


「そうか…だが、冒険者ならば馬に乗れないならともかく馬車に乗れないとなると厳しいものになる、基本的に移動手段は馬車ですし、それに指名依頼などで護衛の依頼などが来たりしたらどうしようもなくなる。なので今後、度酔いの耐性を付けるために馬車に練習で乗るのはどうだろうか? 師匠も言っていた苦手なものも気合でどうにかなると!」


「こ、根性論…まあ、でも今後の事を考えるとどうしても馬車に乗らないといけなくなることがあるかもしれませんから、あの時は道も馬車も悪かったのかもしれませんし、もうちょっと良い馬車で良い道で練習すればどうにかなるかもしれませんね、ほら、レベルも上がったから大丈夫になったかもしれません…絶対ダメな気しかしませんが」


「マジかよ…しかし、レベルかあ、上がったから案外大丈夫な展開もあるかもしれないな…後でこっそりカタログで酔い止め薬買っておこう」


「さて、馬車についてはそれくらいにしてそろそろダンジョンに入りましょうか、話している間に大体のダンジョンにいる魔物と罠の探知とステータスも確認しましたから」


「そっか、じゃあ行こうかなこの二級ダンジョン『無謀なる幻影』へ」


そうして俺らは森の中に忽然と現れている怪しい扉を開けダンジョンへと入っていった


現在のカタログポイントは10343となっています。

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