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カタログを持って異世界に行こう!  作者: 天野 洋
三章 ダンジョン放浪編
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半魚人の洞窟 1

「さてとやって来ました半魚人の洞窟!」


 俺は洞窟に入りながらテンションを上げる。


「どうだ、コン。ここのダンジョンは手応えありそうか?」


「そうですね、どうも魔物の数が多いですね、黒猫の庭に比べると6倍くらいの数がしかもかなり密集しています」


「なるほど」


 ここのダンジョンはおばちゃんも言っていたがあまり冒険者が来ず、放置されているらしいから、そのせいでおそらくは魔物の数が多いのだろう。

 それにイスカの街のギルドマスターが言っていた、ボスを倒さず放置するとダンジョンのボスが魔物を率いてダンジョンの外に出るということが近いのかもしれない。

 黒猫の庭よりも数も密度も多いということは、召喚トラップに移動する時もけっこうな数の魔物を倒せるということで効率も良いだろう。


「コン、俺たちの他にこのダンジョンに冒険者はいるのか?」


「いえ、居ませんね」


 ふむ、やはり予想通り冒険者は居ないか。

 それなら俺たちが召喚トラップによるレベル上げを行っても他の冒険者に見られる心配もない。

 ならばさっさと魔物たちを片づけつつ、ここの多数の魔物を相手にしても問題なければ召喚トラップのレベル上げだ。


「コン、なら召喚トラップを探してくれ、そこに向かって進んでここの魔物を20体近く相手に出来るか確かめよう」


「はい、分かりました」


 コンが目を瞑り察知スキルを使う。


「おかしいですね? これは……」


 なぜかコンが目を瞑ったまま難しい顔をしている。


「やはりですか……大斗、残念ながらこのダンジョンにはトラップというものが存在していません」


「え?」


 今コンはなんと言ったんだ?

 このダンジョンにはトラップがないだって?

 そんなダンジョンがあるというのか?

 俺がやったゲームでは普通ダンジョンにはどこでもトラップは存在していた。

 しかもここは二級ダンジョンだぞ。

 初心者用の三級ダンジョンならいざ知らず……。

 しかし、コンが嘘を付いているわけはないのだから真実なのだろう。


 ということはここでは効率的なレベル上げはできないということか?

 いや、でもここのダンジョンの敵の数は黒猫の庭の6倍の数いるらしいし、その密度も高いということはダンジョンをあまり歩きまわらずにレベル上げをできないことはないだろう。

 確実に召喚トラップに劣るに決まっているがな。

 まあ、とりあえず入ってみないと分からないし、行ってみるか。

 俺はとりあえず方針を決めコンに話しかける。


「コン、トラップそのものが無いなら仕方ない、適当に歩いて会った魔物を片っ端から倒していくことにしよう」


「分かりました、トラップ自体がないのなら召喚トラップを使ったレベル上げが出来ませんしね」


 俺たちはトラップがないことを残念がりつつ、洞窟の中へと入って行く。




「しかし、このダンジョンはまさしくダンジョンって感じだよな」


 この洞窟はうっすらと天井が光っており松明などを必要としていない。

 もしもこの洞窟が暗かったら……戦いにくかっただろうな。

 それにそもそも松明か何かを用意しようとも思いつかなかったぞ。

 相変わらず自分の考えのなさに呆れつつダンジョンを眺める。


 このダンジョンのおかしいところは天井が光っていることだけではない。

 洞窟の下の地面が平らなのだ。

 まるでロードローラーでならしたみたいに。

 さすがはダンジョンと言うべきか。

 地面がでこぼこしていたら戦いにくかっただろうしな、普通の洞窟なら考えられないほどの環境だ。

 無論壁の方も綺麗に出来ている。


 まあ、ゲームをやったことがある人が十人中十人が思い浮かべるダンジョンの光景と一緒だと思えばいいだろう。


 さてとそろそろかな、このダンジョンに入って3分といったところだが、何かの足跡が聞こえてくる。

 魔物たちがやってきたのだろう。

 黒猫の庭では数十分に1回程度しか遭遇しなかったことを考えれば異常と言っていいほどの早さだ。

 俺は蛍丸を抜き静かに敵が来るのを待つ。


 そして、奴らは現れた。

 手に武器を持ち全身に鱗があり、水から出て来たのか雫をしたたらせながら現れた半魚人が3人。


「「…………」」


 俺とコンは声も出せず半魚人を睨みつけている。


 な、何で……。


 なんで……。


 半魚人の顔が全部おっさんなんだよ!!!!


 顔以外は全部半魚人と言っても遜色そんしょくないが、顔だけがおかしい。


 とても分かりやすい例を出すと人面犬だ。

 あの体は犬なのに顔だけおっさんの妖怪。

 あんな感じなのだ。


 顔以外は半魚人っぽいのに、顔だけおっさん。


 やべえ、なんか俺の中のファンタジーが色々崩れて行く……。


 俺が半魚人のあまりの外見にショックを受けている間、半魚人はそんなことお構いなしに、俺たちにぐんぐん近づいてきて、手に持った槍を突きだしてくる。


「大斗何にしてるんですか! ちゃんと戦ってください!」


 コンが大声で文句を言ってくる。

 

 半魚人たちは俺に向かって槍を突きだしていたが、何かに押し留められているように俺の30cm前から進んでいない。


 おそらく、コンが新しく得たスキルだろう。

 コンの表情を見ればこの程度のやつらならすぐに倒せることは予想が付く。

 黒猫の庭よりも強い魔物がいるとは言ってもこの程度か。


 コンはどうやらこのままこいつらを殺すつもりがないのか、こいつらを足止めしたままだ。

 俺は仕方なく蛍丸を構え振るう。


 感触としては豆腐でも切ったように簡単に半魚人の首が落ちた。


 おいおい、この刀切れ味良すぎじゃないか?

 この前まで使っていたグラディウスは力で叩き斬るといった感じだったが、これは明らかに違う気がする。

 まあ、剣と刀なんだから違うに決まっているがな。

 慣れるのに少し掛りそうだが、この刀が切れ味良すぎて刀の扱いの練習になるのかどうかははなはだ疑問だ。

 俺は物納で死体を片づけるとコンと一緒にダンジョンの奥に入って行く。


現在のカタログポイントは9512となっています。


あまり調子が出なくて短くてすみません、それと2日間投稿が無かったことに関しては活動報告の方に書かせていただきます。


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