だが男だ。
「ふむ、こんなものかな」
俺はステータスを見て、上げたスキルを確認する。
名前:犂宮 大斗
年齢:18
レベル:37
<固有スキル> ケモナー化
<スキル> 異世界共通語 剣術Lv2 射撃Lv1 狙撃Lv1 毒耐性Lv3
気配察知Lv1 身体強化Lv3 シックスセンスLv3 成長促進Lv1
鷹の目Lv3 思考加速Lv3 気闘術Lv1 気力強化Lv1
かなりスキルの数が増えたが、思った以上にスキルが高かったのでそんなに上げれなかった。
特に上げたかった気関係のスキルだが一気に上げると体が付いてこれなく、非常に危険なので上げられなかった。
それにポイントも馬鹿みたいに高かった。
たったこれだけ?と思うかもしれないがこれだけで15万ポイントも使っている。
有用なスキルほど値段も高い様で……みんな毒耐性くらい安いと思ってたのにな。
こんな調子ならいつになったらマイホームを買えるのやら……。
とりあえず、この際お風呂と冷蔵庫だけ買ってしまった方が良い気がしてきた。
30万ポイントで家を買うより安く済みそうだしな。
それと肉体改造、覚醒処理、ナノ化、についてはスルーだ。
さすがに自分の体をいじるのは怖いし、拒絶反応とかあったら……。
ナノ化については捨てがたかったが、ナノマシンという異物を体内に取り入れた状態で気を正確に使えるかどうか分からなかったので止めた。
カタログは色々な世界の技術やスキルが載っているが絶対にしてはいけないような組み合わせとかありそうだ。
コン曰く、俺みたいな魔力がない人の体を魔力がある体にしようと妖怪化すると拒絶反応が出て死亡という事が何度もあったそうだ。
未だ見つかってない危ない組み合わせとかありそうなので肉体改造系は止めておこうと思う。
スキルに関しても他の種族じゃ絶対に覚えられないスキルを覚えると拒絶反応がでるということもあったらしいから……。
カタログでスキルを取る時はかなり慎重に行わなければならないだろう。
獣化についてだが肉体改造系は怖いというのもあるが、人と獣は違うからこそ獣を求めてしまうと俺は思っている。だから同じになってしまっては何かが違う気がするので俺は獣化はしないことにした。
残りのポイントは12万ポイントとちょっとだから、移動用のものとちょっと高価な武器を買って終わりだろう。
俺はカタログに刀と念じて良さそうなものを探す。
う~ん、神話に出てくるような伝説系の武器は超高いからなあ。
俺が手を出せそうなものはない。
コンに型落ち品とか訳あり品でいいのないかと聞いたが残念ながらないみたいだった。
なのでここはそこそこ有名な刀のレプリカを買おうと思う。
俺が好きだった厨二ゲーのゲームに出てきてた刀があったので、それにすることにした。
蛍丸:刃こぼれした刀に蛍が集まり治ったという言い伝えがある刀のレプリカ
詳細な内容は修正機能Lv5 例え刀身が折れても再生可能、炎属性Lv5 高レベルの炎の魔法を打てる 幻影Lv4 幻影を見せることができる
そして、各種魔法による刀身の強化済み
グラディウス(笑)と思えるほどの性能だ。
だがレベルが高いということはそれだけ刀に籠った魔力を使うので魔力切れを起こしやすくなる。使ったらその都度魔力をコンに籠めてもらわないといけない、勝手に魔力を吸収する機能もあるそうだが、微々たるものだからな。
せめて俺に魔力があれば回復させつつ、使えたのだが。
それと移動についてはオーソドックスな魔法の絨毯を買うことにした。
魔法の絨毯は飛行魔法Lv4が付加されていて、ステルス機能Lv4 風除け機能Lv5が付いている超優れモノだ。
無論高かった……。
この二つを買ったせいで俺のポイント残高は2万ポイントくらいになった。
そして、最後にコンのための姿を変えるアクセサリを買ってポイントはほとんどなくなる事になる。
さすがにコンをこのまま連れて行くとまた変な奴らに絡まれることは確実なのでこういう措置を取ったのだ。
俺としては手乗りサイズのコンが大好きだったのだが……。
それに化ける対象も動物か何かに化けているとしゃべるとアウトになるので、自然と獣人に化けるということになった。
別に人間でいいじゃないか? 獣人の風習とか分からないから困るんじゃないかと言ったんだが頑として獣人になることになった。
いや、まあ俺も諸手を上げて賛成なんだけど、後で絶対困ることになると思うんだが……。
そして、コンが変身した結果……150cmくらいの身長に長髪の黒髪にちょこんと突きだしている狐耳、なぜか服はセーラー服で胸は控えめ、スカートからすっと伸びている尻尾が特徴的だ。
うん、今の描写でどこかおかしいところがあったよね。
俺もそう思う。
なんでなんだ……。
なんで!
なんで。
コンが女の子になっているの!
いやいや、コンは男じゃなかったの?
なんで女の子に変身しているわけ!
俺は『狐の獣人キタアアアアアアアアアアアア』と叫ぶより戸惑いの方が大きかった。
だってそうだろ、考えてくれよ
男友達がいきなり超似合ってるけど女装して獣娘になって現れたら誰だって、抱きつくよりも戸惑う方が先になるだろ。
俺は戸惑いつつも一言。
「コン色々突っ込みたい事があるけど抱きついていいか?」
俺は容赦なく『狐火』で燃やされました。
いやだって、あれは抱きつく以外の選択肢はないだろ!
結局なんで女の子に変身したかは教えてもらうことができず。
適当に誤魔化されてしまった。
凄く気になるんだけど目の保養が常に出来ることは良いことだ。
でも手乗りサイズのコンも捨てがたいのだが……。
そして、買うものも買ったし、外に出ることにした。
「さてとそれじゃあ外に出るか、もう昨日から一日経っているし、あの黒猫もいないだろ」
「一応、外を確認してみますね」
そう言ってコンは目を閉じ察知スキルを使ったようだ。
「これは……どうやら、黒猫はまだ外にいるようです」
「マジで?」
おいおい、普通に一日も経ったらどこか別の場所に行くだろう。
それとも俺たちが戻って来るという確信でもあるのか?
確かに『ホーム』で逃げるのを見られているから、どういう魔法なのか見分けることが出来れば待ち伏せも可能だろう。
まあ、でもそれでも甘いとしか言えないんだがな。
「じゃあコン、転移結晶を使って別の場所に飛ぼう」
「そうですね、それなら安全ですし」
あの黒猫さんには『おいっす、お疲れ様です』としか言いようがない。
それにしてもなんであの黒猫は俺たちが出るであろうあの場所に留まっているんだ?
もしかして、俺たちが目当てで現れたのかもな。
いや、そんなわけないよな。
そう思いつつカタログで転移結晶を購入し、カイナーグという港町に転移することにした。
大斗たちが立ち去っても黒猫はその場所に居座り続けたため、仕方なくギルドがSランクパーティー(平均レベル67)に黒猫の討伐依頼が出されるのだが、敢え無く全員死亡し、三級ダンジョン黒猫の庭は非常に危険と判断され閉鎖される運びになることを大斗たちはまだ知らない。
そして、いつまでもあの場所に黒猫は佇み続けたとか……。
現在のカタログポイントは6712となっています。
やっとヒロインの登場です(おい
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